OMG!OMG!(Oh My God!の略。)
セリーナ、ごめん。フレックス・ラーニングのチューターの1人のセリーナはバレエ少女(もう少女じゃないですけど)で大学にいる今もバレエカンパニーに属しています。大学のダンス部では振り付けもしています。で、その彼女に、テキストメッセージをウザいくらい送ってしまいました。律儀にお返事有難うね。深謝。
『ちょっと、信じられないくらい凄い。』『何だ、何だ、あの技術。あの優雅さ。信じられない。』『腕をひとかきするだけで、白鳥の羽ばたきが見える。』『えっ、オトコ同士のパ・ド・ドウ。結構、エロい。』『やった、Caughtだ、Caughtだ。』『あっ、本気でキスした!何度もしたよね、このペア。』
こんなメッセージ。やっぱり、ウザい。
昨晩、ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)のガラ公演に行って来ました。YAGPと言うのは、9歳から19歳までの青少年を対象としたバレエコンクルールです。2月にニューヨークの地方予選に通いつめたと言うお話をしましたけど、今回は、世界中から勝ち残ったコンテスタントを集めてのファイナル。実際のコンクールは4月17日に終わって、その後に入賞者と奨学金出している有名バレエ団のダンサーによるガラ公演が4月18日と19日の2日間にあります。その初日の18日に出かけて来ました、と言うお話。
(4月17日のYAGPガラ公演のフィナーレ、これがプロの出演者全員)
念のため、言っておきますけど、筆者のウザいメッセージは、プロのダンサーのパフォーマンスについてですからね。子供じゃないです。もちろん、子供たちのバレエも凄いですけど。
このバレエコンクールの最大の魅力は、世界で一番スカラシップを捻出してくれると言うことに尽きるかと。つまり、才能のある若いダンサーと世界の有名バレエ学校とのマッチメイキング。このコンクールで才能を認められて、若いダンサーは留学して行く。去年優勝した日本人の少年も確かイギリスの名門ロイヤルバレエ学校に奨学金をもらって行ったんでしたよね。
先述のセリーナは、YAGPはコマーシャリズムに乗ってるからなあ、と批判的に言ったりしてますけど、普通の家の子供たちにとっては、スカラシップはメチャクチャ有難い。アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のスーパースターであるコリー・スターンズなんて、YAGPでグランプリをもらって、イギリスの名門ロイヤル・バレエに留学した経歴の持ち主です。こう言うコンクールが世の中に認められる格好の手段であることは、間違いないと言えます。こっそり、言っちゃうとセリーナは小中学校の頃は、ABTのサマーキャンプに毎年、参加していたみたいです。本人の実力も必要ですけど、カリフォルニアからの参加だから、親の負担は大きかったと思うんですよね。『お嬢』の意見は、放っておきましょう。
スポーツで大学に入学する時に、スカラシップをもらえる可能性もありますけど、バレエの世界は、これよりエゲツなく厳しいかもしれません。なんせ、今年のYAGPの大会の参加者は、12,000人以上。ニューヨークのファイナルに出れたのは1,500人。そして、そこから入賞出来るのは、ほんの数人。気が遠くなります。それでも、毎年凄い人数の若いダンサーが夢を見てコンクールに出てきます。だからこそ、本当にバレエを職業として続けられる人たちは、ああー、どうしよう、と言うくらい、凄いんでしょうけどね。
バレエのスカラシップをもらってヨーロッパの学校に留学しちゃったりすると、上手く行けば凄いことになると思う反面、結構なギャンブルと言えるかもしれません。学歴が平気で中卒と言うことになっちゃう訳ですから。もちろん、セリーナみたいな選択もあります。本気で勉強して大学に入って、趣味でバレエを続ける。彼女の場合、コンテンポラリーのカンパニーの公演に出たりしているみたいですから、ちょっと趣味の域を出ているかもしれませんけど。
もっと、猛者なのは、知り合いのお嬢ちゃん。UCバークレーを出て、お医者さんになったところですけど、このお嬢ちゃんは、大学時代も、メディカルスクール時代も国内だけじゃなくて、海外公演にも出たりしてました。どうしてこんなことが出来るの?と聞いたことがあるんですけど、『バレエが医学部の息抜きで、逆に医学部がバレエの息抜き』と。二つがあったからこそ、今までやって来れたと。凡人には、到達出来ない世界かもしれませんけどね。
近頃は、アメリカの大学も積極的に社会人を受け入れています。それに、オンラインでも授業が取れます。だから、若い時にしか出来ないバレエだとか、スポーツだとかを本気でやっても方向転換は、後からでも出来るのかもしれません。
それにしても、マリインスキーのプリンシパル、キミン・キム圧巻でした。マリインスキー始まって以来の韓国人、と言うかアジア人のプリンシパルですから、前から気にはなってたんですけど、この人、凄かった。ジャンプの滞空時間の長いこと。重力はどうなってるんだ?というレベル。彼が跳ぶ度に、やんやの喝采でした。長くなるので、これで止めます。
(混み合っているリンカーンセンターのデービッド・コッチ・ホールのロビー。ガラ公演の後)
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