ベタですけど、『ブラームスの1番はお好き?』 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

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昨晩、ニューヨークフィルのコンサート行って来ました。ため息が出るほど良かった!ブラームスの1番。メチャ、ベタですけど。

 

(NYフィルの本拠地リンカーンセンターのデイヴィッド・ゲッフェン・ホールのロビーから見た景色)

 

筆者は、どの作曲家が好きかと聞かれたら、迷わず、ブラームスと答えます。そしてどの曲が好きかと聞かれたら、これも迷わず、交響曲第1番と。物凄く、好き。あまりにベタな選曲で、ちょっと恥ずかしいですけどね。ブラームスは、金髪碧眼で若い頃は女性と間違われるほどの、美丈夫だった、て言うのも、筆者的には嬉しいところです。はははは。

 

今シーズンからNYフィルは、常任指揮者はヤープ・ヴァン・ズヴェーデンと言うオランダ人です。彼が選ばれた時、『えっ、誰?』と思ったんですけど、いやあ、昨日のブラームスは良かった。既に、筆者は今シーズン何回か、NYフィルのコンサートに行ってるんですが、シーズンチケットはバラ買いにしたので、ほとんどがバイオリンのコンチェルトばかり。おかげで今まで、みんなゲストコンダクターばかり。ゴメンなさい。初めて彼の指揮を聞きました。

 

散々、聞いて来たLAフィルよりブラームスは良かった。世界的な寵児デューダメルの指揮より良かった。まあ、個人的好みがあるんでしょうけど。ブラームスの1番、デューダメルの出だし、早いし。もっとも、楽譜なしで指揮すると言う軽業が楽しめますけどね。ズヴェーデンのは、それよりゆっくり。個人的には、もっとゆっくりでもいい気もしたんですけど、だんだん、このスピードがピッタリして来た。この人、元々、オーケストラのコンサートマスターですからね、とにかく弦のことが良く分かってる。いやあ、第一楽章から、ノメり込んじゃいました。

 

ちょっとご愛嬌だったのが、第一楽章が終わって拍手をしたお客さんがいた。結構いた。それが嫌だったのか、ズヴェーデン第2楽章が終わったら間髪入れず、第3楽章に、そして第4楽章も間なし。結構、バイオリンは辛かったかもしれませんねえ。ホント、この曲、バイオリンは半端なく弾き続けますしね。でも息切れせず、最後まで、パワフルな演奏でした。いやあ、満足。どんな演奏かと言うと"Triumphant!" 日本語で何と言えばいいですかねえ。勝利を得た時の歓喜の気持ちを体現させられた、とでも説明すればいいかも。感涙!

 

(昨日のコンサート。ブラームスを演奏後、指揮者が3回目にステージに出て来たところ。)

 

楽章毎の間は、拍手をしないと言うのが暗黙の了解になっています。筆者の娘は、小さい頃からバイオリンを弾いていて、その経緯で小学生の頃からユースオーケストラに入っていたんですけど、そこの指揮者が子供達に説明しているのを聞いたことがあります。

 

各楽章は、独立しているようでしていない。全体でシンフォニーを作り上げているから、途中で拍手なんかされてしまうと、流れが切れてしまうから決してしてはいけないと。実際、筆者も昨日は、第1楽章の後の拍手が気になりました、と言うか腹立たしかった。ああ、良い出だしだった、これでスロームーブメントにどう流れて行くんだろう、と思っている矢先の中断。NYフィルの聴衆がこんなことをするとは、思わなかった。残念。

 

娘のユースオーケストラの指揮者(ハーバードの博士号を持ってる)ですけど、この人、子供ばかり相手にしていたわけではありません。実際、UCLAで教えてます。LAフィルがシーズンチケット保持者にするコンサートの前のレクチャーもしてます。

 

で、この人の正体は何か。

 

本当の職業は、作曲家。考えてみて下さい。ミュージシャンで食べて行くのは、大変ですけど、シンフォニーとかを作曲している人なんて、それ以上に大変。だって、どこかでギグをする訳には行かない。オーケストラに演奏してもらわないといけない。ちょっとお願い、なんて言えないですしね。だから、この人は、自分が音楽監督をしている娘のユースオーケストラの定期公演で、毎回自分の作曲した曲を弾かせていました。世界初演は、子供のオーケストラ。苦労してますねえ。

 

現代の作曲家が発表の場を得るのは、大変だと思うんですけど、(昔も大変だったかもしれないですけど)昨日のコンサートの前半は2人のアメリカの現代作曲家の作品でした。イエール大学出身のチャールズ・アイヴィスの『暗闇のセントラルパーク』とハーバード大学出身のジョン・アダムスの『怪我人に包帯を巻く人』と言う非常に変わった曲でした。『セントラルパーク』は、とにかく抽象的でしたねえ。はっきりしたメロディーがない。ピアノ2つ入ってました。『包帯巻き』は、バリトン歌手がオーケストラをバックに歌うんですけど、結構エグい内容。こっちは電子オルガン入り。まあ、実験的で面白かったですけど、歌詞に気を取られちゃって、演奏には集中出来なかったです。

 

一流大学を出ても音楽家が大成するのは、大変ですよね。これから先、何回この作品が上演されるのか分かりませんけど、ブラームスへの道はまだまだ遠いような気がします。

 

フランソワーズ・サガンの小説『ブラームスはお好き?』の中で、年上の女性に憧れてちょっと背伸びをした青年がデートに誘ったのが、ブラームスのバイオリン協奏曲のコンサートでした。いやあ、これも好きですねえ。娘が小さい頃に絶対弾いて欲しい曲として、楽譜を渡していたんですけど、大学生になった今も弾いてないですねえ。何を思ったかか、代わりに今は、チャイコフスキーのコンチェルトを練習中。反抗期ですかねえ。

 

娘は鳴かず飛ばずのバイオリン弾きになるよりは、と功利主義的見地に立って、音大を蹴って総合大学に進学しちゃったんですが、今まで多額のレッスン代を払って来たスポンサーとしては、せめて家で生のブラームスが聞きたかった!(まだ諦めてないですけどね。)子供の時からずっとトレーニングされて来た音楽で食べて行ける人は僅か。コンサートに行く度に、色々考えてしまいます。

 

それにつけても、ブラームスの1番、最高!

 

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