『カーネギーホールには、どういうふうに行けばいいですか?』『練習、練習、また練習』
(カーネギーホールは、オーバリンの父兄やOBやファンでいっぱい。)
アメリカ人なら誰でも知っているジョークです。1月19日土曜日にオーバーリン音大の声楽科と器楽科(オーケストラ)のコンサートに行って来ました。幕開けは、学長のスピーチ。『練習を積んで、ここカーネギーホールにやって来ました。』と。ははは。
(カーネギーホールのロビーも人人人)
アメリカのトップ音大のひとつオーバーリン音大の学生は、五大湖のひとつ、エリー湖の辺りのキャンパスからバスを仕立てて、ジュリアードのお膝元、ニューヨークに乗り込んで来ました。8時間のバス旅行!
(オーバーリン音大生がカーネギーホールにいる頃、一般学生はキャンパスに積もった雪でソリ遊び)
遠方、来てくれて有難う!凄く良かった!1970年代生まれの作曲家の作品を演奏したりして、非常に挑戦的なコンサートでした。
カーネギーホールで、筆者は昔からの知り合いのスーザンにバッタリ。バッタリ、と言うかここで会うだろうなあと思っていたら、やっぱりです。
『何で、スーザンと会うと思ったか?』
スーザンは娘の小学生時代からの友達のお母さんです。ふたりの娘たちは、小さい時からバイオリンで競い合ってきた仲。9歳の時から同じユースオーケストラ、それから同じ芸術高校に進んで、ずっと一緒。スーザンの娘は、晴れてオーバリン音大に。しかも第1バイオリン!大したもんです。筆者の娘は、悩んだ末、アイビーリーグに。大学では、離れてしまいましたけど、スーザンとは、過去10年間、色々なコンサートホールで会って来ました。娘たちのコンサートはもちろん、ロサンジェルス交響楽団の定期演奏会でも。お互い、シーズンチケットを持ってましたしね。
だから、どのコンサートに出かけても、出くわすような気がいつもしています。今回ニューヨークで会っても、お互い違和感は全くなし。『あっ、やっぱり』て感じです。スーザンは、娘の晴れ舞台を観にロサンジェルスから飛行機でわざわざやって来たんですけどね。筆者は、せっかくニューヨークにやって来た有名な音大を聴きたくて、出かけた。
『スーザンと筆者の世界は、非常に狭い』と言うのが、さっきの質問の正解。
アメリカの大学には、正式なセメスター(2学期制)ではないですけど、冬学期と言うのがあります。2学期制のセメスターは、秋学期と春学期と呼ばれますが、この間に夏学期だの冬学期だのが入ります。それで、この冬学期ですけど、学生たちは、通常の学期中には出来ない活動をします。もちろん、何もしない、と言う選択もあります。
例えば、このコンサート。年明けからオーバーリン音大生は学校に戻って、『練習、練習、また練習』を重ねてカーネギーホールまでやって来た。これからの将来の就職を考えて、インターンで会社に雇ってもらう学生もいる。大学に戻って、テストを意識した通常の学科コースから離れてプロジェクトをする学生もいる。例えば、数学科の学生なら、数学理論を証明したり、それを使って何かをしたりするプロジェクトに取り組んで、プレゼンをする。自宅で、創作文を書いたりとかするプロジェクトに取り組む学生もいる。この機会に海外に短期留学する学生もいる。
どの学生も、コタツに入って、ミカンを食べると言う図式はないみたいです。アメリカの大学生は、ホントに、プロダクティブです。いつも、何か精力的に取り組んでいる。
ついでにちょっと、変わった冬学期の過ごし方のご紹介。
フレックスラーニングのチューターひとりは、自分自身を使ったプロジェクト(?)にこの冬学期を使いました。ナッツアレルギーを克服するためのプロジェクト。毎日、病院に通って、医者の監視下で、ナッツを食べた。毎日、毎日、食べた。これで、抗体を作る。勝手に家でやるとアレルギー反応で死んでしまうかもしれませんから、病院で、色々な器械を身体に取り付けてナッツを食べた。
食品アレルギーは、どこで何を食べるかをいつも気にしないといけないし、苦労するのは、確かです。しかも、このチューター、将来はFBIに行きたいと言っているし、食品アレルギーはやっぱりマズイんでしょうかねえ。潜入捜査中に、『この野菜炒め、ピーナッツオイル使ってませんよね?』なんて、聞いてられないでしょうしね。(笑い事じゃない。)それで、毎日ドクターの前でナッツを食べ続けました。このプロジェクト、先週末にやっと終わりました。ナッツはもう、怖くない!と本人は豪語しています。どれくらい、信用出来るか分からないですけど。
それなりにどの学生も有意義な冬学期を送っている、ということなんでしょうね。
もうすぐ、新しい学期が始まります。皆さん、ネジを巻き直して頑張って下さい。
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