今日は、クリスマス。
アメリカ国内は、いつもウソをついている大統領が、7歳の子供に『サンタさんなんていない』と本当のことを言って、SNS上でバッシングされています。本当のことを言って欲しい時には、言わないくせに、ウソをつかないといけない時には、本当のことを言って、トンデモナイ、と言うお話です。共和党の支持者も今回ばかりは、支持していないようですね。ははは。
(ニューヨークのブライアント公園にいるサンタさん)
引っ越しの時に、クリスマスのツリーもリースも飾りのキャンドルも、全て捨てて来たので、今年は、何の飾りもせず、単なる火曜日として過ごしています。
前回、前々回とフランスからバカロレアの証書だけ持ってやって来たタロウを日本の大学に入れるプロジェクトのお話をして来ました。堂々巡りの末、やっぱり、そのプロジェクトの責任者から逃れられず、ため息をついたところまで、お話しました。
どう考えても、受験には、間に合わないし、高校を卒業している外国人が取れる最短の方法を提案しました。まず、上智か早稲田の国際学部(文部省に大学としての認可を受けていなくて、外国人だとか、外国の学校や日本のインターの卒業生だとかを入れてくれる治外法権的な学部)に取り敢えず、入りなさいと。それで、上智の国際学部にご入学!良かった、良かった!それで、1年とか日本に居て、フランスに戻ってくれればと思っていたんですけど、ちゃんと日本の大学卒業の資格が欲しいと言い出しました。残念。
つまり、上智の外国学部は繋ぎで、ちゃんと筆者の大学に入りたいと言って。うーーん、フランスに居た時は、筆者の大学なんて知らなかったくせに、と思ったりしたんですけど、まあ、仕方なく、TOEFLを勉強しろ、とか言って、1年間お付き合いしました。
英語で言うと、”Work for Food”、つまり例の前衛芸術家のお姉さんのお宅で振舞われるワイン付きのディナーをご馳走になりながら、お世話を続けました。上智では、日本語を勉強していたので、会うたびに、覚えた漢字を披露してくれましたっけ。ある日、日本語の4字熟語の『以心伝心』を書いてくれた時は、感動しましたねえ。初めは、自分の名前すら漢字で書けなかったんですから。
ここまでのお話で気がつかれたでしょうけど、『親が日本人で、家で日本語で話していても、ちゃんとした日本語は身につかない!』と言うことです。帰国子女の親御さん、大いにここは、気をつけて下さい。タロウも言ってましたけど、親が言う言葉は、『起きなさい』『全部、食べなさい』『早く、寝なさい』くらいだから、たくさん日本語を話されるとついて行けない、と。しかも、フランスの田舎に企業から派遣された日本人家族なんていなかったので、親以外に日本語を使う機会が無かったと。画伯は日本語の読み書きすら息子に教えなかった。ちょっとねえ。でも、1年で随分、日本語が上手くなりました。
上智の国際学部、と言うよりも、白百合の子にフランス語の家庭教師をするようになって、日本語が上達しましたねえ。一体、何を教えていたのやら。ははは。その辺り、ちょっと、フランス人ですから。それにしても、一応受験生のくせに自分が家庭教師!?と思いましたけどね。日本の受験生なんて、フラフラになりながら、勉強しているのに。困ったもんです。
その頃のエピソードをひとつ。
一応、タロウにとっては、頑張らないといけない受験生の夏に、筆者はお姉さんの家に、ディナーに呼ばれて出かけたんですけど、ずぶ濡れの白いTシャツとショーツ姿のタロウがダイニングテーブルの上に転がっていたのには、度肝を抜かれました。地中海育ちのタロウが、日本の夏の暑さに耐えられなくて悲鳴をあげていたら、お姉さんが、服のまま冷水シャワーを浴びさせた。で、拾って来た大切なソファーに座るなんて言語道断だから、テーブルの上で横になっていろ、と。ああ、驚いた。何という人たちなんだろうと。この人たちに付き合っていたお陰で、ちょっとのことで動じなくなりました。
で、どうなったかと言うと、タロウ、ちゃんと大学に入れました。良かった、良かった。合格したお礼に、筆者は、タロウにフランス料理のレストランで奢ってもらいました。それと、実家に帰った時のお土産と言って、陶器に入ったフォアグラをくれました。どこまで行っても、こいつは食べ物に釣られると思われていた節があります。まあ、そうですけど。
学部長と言うか、大学へのお礼もありました。(何もしてないくせに!)画伯が自分の絵を大学に寄贈したいと。この時も筆者が取り次いだんですけど、銀座の画廊にある画伯の絵の中から好きなものをタダであげる、と言うものでした。大学もしっかりしていて、ちゃんと美術史の教授を派遣して、選ばせました。ちゃっかりしてます。今もその絵は、大学に飾ってあるはずです。
次回は、タロウの大学時代のお話をしてこのシリーズを終わりにしようと思っています。乞うご期待!
Happy Holidays!