家族の形(その3):養子縁組 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

吉田秋生の『カリフォルニア物語』読み終わりました。この漫画家、20才の時にこれを書いたなんて、凄すぎる!大したもんです。筆者なんぞ、倍以上の年ですけど、ここまで人間性が追求出来るんだろうか、と思ったりして。でも、ご本人もアメリカ社会のことを知り尽くして書いた訳じゃないから、細かい間違いがあるだろうと言っていたようですけど、まあ、間違いはあります。

 

(カリフォルニア大学サンタバーバラ校の冬景色)

 

主人公のお父さんは高名な弁護士で、カリフォルニア大学バークレー校で教えている設定なんですけど、UCバークレーは、サンフランシスコのそば、つまり北カリフォルニア。でもこの家族、ロサンジェルスよりもさらに南のサンディエゴに住んでる。だから、ちょっと、これは無理な設定。こんなこと少女漫画の読者なんて、読み飛ばしちゃったんでしょうけど。職業柄、気になっちゃいました。ごめんなさい。それでも、大したもんです。

 

で、漫画ですけど、近頃『兄に愛されすぎて困っています』だとか少女漫画には養子縁組で兄弟姉妹になった者同士が恋愛する、と言うパターンが流行っているみたいですねえ。でも日本で、そんなに養子縁組があるんですかね?どうなんでしょうか?あまり表沙汰にしないから出てこないのかもしれませんけど。アメリカは、まあ、あります。実子と養子の間で恋愛までに発展するかどうかは、さておいて。

 

筆者の義妹も子供が出来なくて、養子をもらいました。義妹は、貰った子供だと分からないようにという理由で、3年も順番待ちをして白人の女の子をもらいました。(白人の赤ちゃんは、数が少ないのでなかなかもらえない。まあ、理由は考えて下さい。)ティーンエイジャーが産んだ子供。妊娠中から、養子縁組の契約を取り付けて、産婦人科の検診まで付き合って、出産の時も病院に詰めて、産まれたらすぐその場で、その子をもらいました。ここまでして貰った子なんですけど、待っている間に自分も妊娠してしまって、3ヶ月違いで男の子を産みました。だから、この二人同学年。双子じゃなくて同学年なので、結局、養女だと言うことが隠せませんでした。まあ、人生そんなもんです。

 

アメリカでは、国内からの養子縁組の他に、中国からの養子の話をよく聞きます。最近は、ロシアからもあるようですけどね。

 

ちょっと前までは、子供を世界中に供給する代表は、韓国でした。韓国では、私生児と言うのは、非常に忌みきらう存在だったんですね。儒教の国ですから。でも近頃は、子供を『輸出』するのは先進国としては恥だとして、ほとんど無くなったようです。そう言えば、戦後日本からも米兵との間に出来た混血児が随分、アメリカに養子に貰われて行きました。その中でも有名なのがエリザベスサンダースホーム。1600人もの混血戦争孤児がこの施設を通過した。過半数がアメリカに養子に出されました。親に見捨てられた混血児が戦争の爪痕の残る日本社会で生きて行くのは、大変だっただろうと言うのは、想像に難くないですけど。暗い日本の過去。

 

韓国からは、アメリカだけじゃなくてヨーロッパにも沢山出て行っているようです。筆者にデンマーク人の友達がいますけど、お兄さんが韓国から貰われた子だよ、と写真を見せてくれたことがあります。金髪碧眼の妹とにっこり笑っていたのが印象的でした。人種が違うともらった子だ、と言うことが一目瞭然なのですが、人道的な欧米人は、このあたりあまり気にせず、韓国や中国から積極的に養子を受け入れて来たんですね。

 

そう言えば、アメリカで女子サッカーを一躍有名にしたミア・ハム選手は、お兄さんがやっぱり韓国か何かの養子でしたけど、このお兄ちゃんのことが大好きで、後をついて回って、サッカーを覚えたと言っていたのを思い出しました。ウッディーアレンの現在の夫人も韓国からの養子でしたよね。(ウッディ・アレンが当時同棲していたガールフレンドであるミア・ファローが養女にしていた娘に手を出したのは、大スキャンダルでしたよね。でもミア・ファローが彼女を養女にした時の夫だった高名な指揮者アンドレ・プレブンも、何度も結婚を繰り返したりして、結構なスキャンダルメーカー。まあ、どうでもいいですけど、なんであんな冴えないオジサン二人がモテるんでしょうかねえ。)

 

他に、マドンナだって、ピットだって、人種の違う養子をもらっていますよね。厳しい環境にいる違う人種の子供をもらうと言うのは、アメリカでは、ステータスのあることの象徴のようにも見られます。

 

アメリカでは、養子縁組を斡旋するサービスがあります。子供を何らかの理由で育てられない人から欲しい人への仲介業。結構、大きなお金が動きます。もちろん、もらう側が全負担で。アメリカ国内での子供は、不思議なことに海外からの子供よりも高い。製品だって、アメリカ製が中国製よりも高いのと同じ。色々な施設も、サービスもコスト高ですからね。でもアメリカ生まれの子供に競争力がないかと言うとそんなことはなく、やはり同じ人種の子供をもらいたいと思う人が多いせいか、はたまた供給が少ないせいか、アメリカ人の赤ちゃんは、引く手あまたです。詳しく述べると、色々支障がありそうなので、ここでは、単なる数字のお話に留めておきますけど。察して下さい。

 

ちょっと、長くなって来たので、続きは、後日に。

 

ご機嫌よう。

フレックスラーニング