面接は、恐るに足らず?! | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

12月ももう目前。信じられないですねえ。師走。先生も走らないと行けないけど、受験生も大変な時期です。

 

アメリカの大学受験も佳境に入って来ました。前に、書きましたけど、私立大学のアーリーディシジョン(早期出願、合否決定)の締め切りが11月1日で、一般出願が1月1日。そのアーリーディシジョンの出願者に対しての面接を12月1日までに終了させると言うのが、どこの大学もおおよその予定のようです。そして、その合否判定が12月後半に出ます。

 

(コロンビア大学)

 

で、その面接ですけど、オプションとは言いながら、ほとんどの有名私立は出願者に、可能であれば、面接をすることを求めています。だから、アーリーディシジョンの受験生に対する面接も今が大詰めです。とは言っても、名門私立でも面接のない大学もあります。アイビーリーグでは、コロンビア大学。それからリトルアイビーのアムハースト大学なんかは、面接を課していません。

 

面接をする大多数の有名私立は、この広いアメリカに散らばる受験生にどうやって対応するのか。

 

面接のパターンはいくつかあります。

 

アメリカの大学は年間を通じて、見学説明会と言うのを開催してますけど、この時に面接をセットすることも可能です。だから、この面接、まだ書類の提出が終わっていない夏休みにアポイントを入れることすら出来ます。面白いでしょ。早い時期から、その大学には、絶対行きたい、と思っていたら、見学の際に面接まで取り付ける。でも、面接を受けるには覚悟がいりますよね。Tシャツとショーツを着ている見学説明会だけの人に混じって、こぎれいな格好をしていないとまずいですしね。その場合の面接官は、大学の入学事務局のスタッフか、そこでインターンをしている在校生。大学で面接をすると、待っている間に他の受験生の顔も見ちゃたりして、お互い値踏みし合ったりするんでしょうね。この面接、15−20分くらいで、結構、短いみたいです。まあ、大学の正式な面接官は、面談慣れしていて、時間をかけなくても学生の判断が出来るんでしょうね。

 

誰でも、カリフォルニアから飛行機に乗って、ボストンのハーバードまで面接に行ける訳ではないので、一番多いのが全米に散らばっている同窓生による面接。大都市には、有名大学卒業生が沢山いますけど、農場が延々と続くようなアメリカの中西部だとか、それこそ、それすらないような所には、大卒の人すら住んでない。だからそんな所の受験生は、面接免除。

 

(ハーバード大学の音楽堂)

 

以前、リトルアイビーの名門タフツ大学に行っているアメリカインディアンの学生に会った時に、聞いたのですが、その彼は、面接は希望したけど、出来なかったそうです。彼は、インディアンがまとまって住んでいるリザベーションの出身で、周りに何もない。一応、タフツには、面談希望をきちんと提出した。だけど、誰も同窓生がいなくて、面接は出来なかったそう。まあ、そうでしょうね。面接が出来る環境にあるのにしないのと、出来ないのでは、大学への印象は違うと思われますから、ここは一応、希望することをお勧めします。

 

同窓会の面接官と言うのは、別に何か特別な資格がある人ではありません。ボランティア。卒業生たちは、大学への寄付を続けるだけじゃなくて、こう言う形でも母校に貢献しています。面接ボランティアを申し出た卒業生に対して、受験生を割り当てます。面接のやり方は、2通り。ひとつは、ボランティア面接官は、割り当てられた受験生に連絡を入れて、面談のアポ入れをするやり方。会う場所は、公共の場所。スターバックスとか、ダンキンドーナッツとかが、定番のようです。もう一つは、大学がその地域にある高校とかを借りて、そのあたりに住む受験生と面接官を集めて、一気にやってしまうやり方。

 

筆者の知りあいの高校生二人は、近所に住んでいて、同じようにブラウン大学に願書を出していたのですが、一人は、担当の面接官から連絡を受け、もう一人は、大学から、集団面接場に行くように指定されました。うーーん、どう言う法則になっているのかちょっと不明ですけどねえ。それで、一人はスターバックスでダラダラ1時間くらい話をし、もう一人は、集団面接場で、ビジネスライクに20分ほど話をしたようです。まあ、どちらのシチュエーションで面接されても面接官は大学から渡されている同じ質問事項を埋めないといけないんですから、基本的に同じはずなんですけどね。まあ、場所に左右されると言うことですかね。

 

面接官は、大学に報告を出す時に、その受験生についての総括も書きますが、大学によっては、5段階評価とかで、受験生を分別します。例えば、この受験生はトップ1%だから5、トップ5%だから4、入学することを推薦できるなら3、と言った具合です。トップ何%と言うのは、その面接官がこれまで会った受験生の中で、と言うことです。ハーバードはこれ方式。ブラウンも今年から点数評価に切り替わりました。

 

長年、ブラウン大学で面接をしている知人と話をしたのですが、面接で合否が決まることはないようだと言ってました。その人は、10年間に、30人前後の面接をしたそうですけど、その中で合格したのは、たった2人。会った受験生の中には、シャイで訥々としか話せない子もいたけれど、どの子も、優秀だと言うのは、良く分かったそうです。まあ、アイビーリーグを狙う子達ですからねえ。甲乙つけ難い。

 

例えば、ボランティアでアフリカまで行ったとか、既に特許を持っているとか、コンピューターのアップを開発しただとか、全米の弁論大会で優勝しただとか、全米テニスで2位になって既に、スポーツでリクルートされているだとか、信じられないような子たちばかり出て来るんだそうです。大学が面接官にお願いしていることは、その受験生は、大学のカルチャーに合っていそうか、見極めること。勉強でも、スポーツでも、リーダーシップでも、何にせよ、大学に貢献できる人材かどうかがポイント。

 

とは言っても、短時間でどんな人材なのかを見極めるのは、難しいので、単に、ちょっとマズイ人物でない限り、面接で合否が左右されることはないようです。だから、気楽に面談に望んで大丈夫。反対に、大学のことを色々、面接官に聞く機会として使うつもりで会うといいんだと思います。もちろん、きちんとした服装で、丁寧な言葉使いは忘れずに。だから、『面接は恐れずに、足らず』と思っていいんじゃないですかね。

 

受験生の皆さん、Good Luck!

 

フレックスラーニングのサービス