明日は、サンクスギビングです。でも、妹の家に呼ばれているので、ワインをぶら下げて行くだけです。楽チン。はははは。
(今年のボージョレーヌーボー。これだけ持って行けば、足りるかと。)
で、息子の高校の日本語の授業の続きです。(因みにこの息子、サンクスギビング休暇で今晩戻ります。この時期、飛行機代が高いし、たった4日だし、帰らなくてもいいんですけどね。たった、1時間ちょっとのフライトで500ドル!)
息子のことを日本人だと全く思っていなかったY先生に、筆者からコンタクトするつもりは、なかったんですが、ある日、息子がバツをつけられたテストを見て、メールを送ってしまいました。日本語で。びっくりしたでしょうねえ。いきなり、日本人から、採点ミスの指摘を受けたんですから。
ちょうど、形容詞を勉強していて、テストに『すっぱい』ものを日本語で書きなさい、と言う問いがありました。見かけとは、裏腹に、白米と梅干しが好きな息子は、すかさず『うめぼし』と書いて、バツ。梅干しは、しょっぱいと、先生に直されていました。塩梅なら、しょっぱいかもしれないですけどね。多分、Y先生の田舎では、梅干しは、しょっぱいと言っていたんでしょうね。
(日本人には見えなかった当時の息子。戸外では天然のハイライトの為に髪はこんなに)
それ以来、Y先生と仲良しになりました。そんなこんなで、教科書選定のお手伝いを頼まれました。使っていた教科書があんなに面白かったので、そのまま使って欲しかったんですけどね。アメリカの統一テストに対応出来る教科書を使うべきだ、と言う煩い教育委員会のお達しを受けて、アメリカで作られた日本語の教科書を選ぶことになって、その選定のお手伝いです。いくつもサンプルの教科書をもらって、コメントを出しました。教科書毎に、どの記述は、良いけれど、どこの部分は、まずいとか、セクション毎の批評を書いて、総合評価をつける。この作業、骨が折れましたけど、楽しい作業でした。もちろん、タダ働き!
最後には、生徒が楽しんで、勉強出来るオーストラリアの教科書をそのまま使った方が良いのではないか、と個人的意見を出しましたけど、まあ、どこの国も同じ。大学進学を考えないと行けなくて、アメリカ製の面白みのない教科書に落ち着きました。日本でも教育指導要領とかありますもんね。結局は、子供が楽しんで語学を学ぶよりも、指導要領の勝ちです。
こんなにまでして選んだ教科書ですけど、息子の学校で日本語を取った生徒の誰一人、SATどころかAPも受けませんでした。みんな、日本語の平仮名、カタカナがやっと書けるレベルですからねえ。ラジオ体操は、3年間で、日本人と遜色ないレベルまで上達したようですけど。ははは。それだったら、面白い教科書のままでいて欲しかったですねえ。日本のポップカルチャーの勉強にもなるし。
ポップカルチャーと言えば、Y先生は、きゃりーぱみゅぱみゅまで、授業中に紹介してくれました。散々、ユーチューブを見たらしいです。筆者は、息子からこの奇抜な歌手を教えてもらいました。いやあ、驚いた!Y先生、侮れません。彼女がLAにコンサートに来た時は、連れて行ってくれ、と息子にせがまれて困りました。日本語出来ないくせに。(いやあ、ポイントが違うか。。。)結局、ケチな母親は連れて行きませんでした。一緒に行ったら、300ドル(3万円くらい)とかかかるんですから。きゃりーぱみゅぱみゅ、侮れない!
この息子、高校3年間も同じ先生だったのはY先生だけですから、大学の推薦状の1枚は、Y先生にお願いしました。(もう1枚は、一番得意な教科である数学の先生。)Y先生、お元気で、毎日ラジオ体操をなさってますか?
大学でも、日本語のクラスが取ることは出来ます。息子は、取ってませんけどね。
最近、日本語専攻のブラウン大学4年生と話をする機会がありました。この男子学生は、白人で、アニメオタクです。しかも、BL好き。参ったなあ。ついでに、その時に課題に出ていた上級翻訳クラスの宿題を見せてもらって驚きました。日本の短編小説の数ページを英語に翻訳する宿題をしていたんですけど、その内容がゲイ小説。うーーん、ブラウン大学、結構、エグい。真剣に、この青年に、こう言う意味だよね、と聞かれて、真顔で説明するのにちょっと、困りました。教授、勘弁して下さいよ。単に、日本語を勉強するよりは、興味深いかもしれませんけどね。
この教授、白人の男性ですけど、日本文化史も教えていて、(これは、英語の授業)その講義題名がその名も”Queer Japan” 。直訳すると、『同性愛日本史』とでも言えばいいんですかね。なんでも、稚児から始まって、衆道、それから、近頃のBLマンガまでカバーしちゃうんだそうです。クラスの課題で、井原西鶴の『男色大鑑』も読まされるし、タカラヅカの舞台も見せられるし、結構、ハードコアなマンガも読まされるんだそうです。いやはや。同性愛史にどうしてか、日本でちょっと前に流行ったゴスロリも出てきて、映画『下妻物語』も課題だとか。凄いですねえ。まあ、社会現象の勉強としては、面白いテーマであることは確かでしょうね。アメリカの日本文化研究者たち、このあたりの日本文化に関して、たくさん研究論文を出しているようで、筆者も勉強になりました。
単に、日本語を習うと言っても、奥深いですねえ。いやあ、恐れ入りました。
日本でも、小学生から英語を習うようになるとか、聞いてますけど、教材、しっかり選んで欲しいですね。あまり、先生の趣味に走ってもらうとマズイですけど、えええ、続きが読みたい!見たいな教材の方が、生徒の興味も喚起できるでしょうから。
語学を習得するのは、時間がかかります。気長にどちら様も、頑張って下さい。
Happy Thanksgiving Day!