第2回『アメリカの子供の正しい日本語の習い方』 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

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双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

アメリカの学校で、どう言う具合に日本語を習うのかのお話の続きです。ところで、雪は、まだ残ってます。

 

いつものように、話はそれました。失礼。

 

で、普通のアメリカ人の子供が日本語を勉強する場合のお話に戻ります。なんせ、アルファベットとは、違う世界ですからねえ、結構、大変。だから、日本語選択をしたがるのは、だいたいアニメオタクか、漢字が分かるチャイニーズ。息子は、残念な母親の子供として生まれ、ヒスパニック(中南米のスペイン語圏の人たち。普通、新移民で、アメリカ国内では、経済的には、最底辺。)のナニーに育てられたので、全く日本語は分からない。にも関わらず、自分は日本人だと信じている息子は、高校で日本語が選択出来ると聞いて、迷わず日本語クラスを取りました。この息子、『ウサギ用心棒』と言うアメリカの侍マンガが愛読書ですから。宮本ウサギと言う浪人の人情話です。

 

(スタン・ササキ著 『ウサギ用心棒』の主人公宮本ウサギ)

 

息子は苦労しましたけど、筆者は、外国人がどうやって日本語を習うのかを目の当たりに出来て、面白かった。残念な母親は、息子の一大事を所詮他人事、としか見ていない!ごめんなさい。。。

 

初めてのクラスで、子供たちは、日本人の名前をつけることになった。息子は、すかさず、日本のヒーローである『桃太郎』を名乗り、仲良しの白人の男子生徒は、なんと『さくら』と言う名前になったとか。それは、ないですよねえ。このくらい、無知な生徒が日本語を勉強するんですから、大変です。『お当番』と言う係もあって、先生が入ってくると『起立、礼、着席』の号令をかける。息子が習いたての頃、いきなり夕食中に『起立』と言うのには、参りましたねえ。思わず、立ち上がっちゃって。ははは。

 

この日本語の授業、毎回ラジオ体操から入ります。教えてくれていたY先生、かなりのご年配でした。苦労人で、中卒で、その昔、日本の工場で働いていたとか。でも、本を読むことが好きで、ベルトコンベアーで流れ作業をしながらも、勉強を続けて、大検を受けて、最後は、夜間大学で、日本文学を勉強した人です。大学は、世間的には三流ですけど、この話を聞いた時、感動しましたねえ。集団就職(こんな言葉、死語ですかね)をして、独力で大学まで、出た人なんて、恥ずかしながら、会ったことなかったですから。大学には行くものだ、と思っている人とは、全然違う!こんな人に日本語を教えてもらえた息子は、幸福です。ホント、お人柄でした。

 

このクラスの教科書ですけど、オーストラリアのものを使っていました。昔、オーストラリアは日本語教育に熱心だという話を聞いたことがありましたけど、いい教科書でしたねえ。

 

1年目の教科書は、オーストリアに留学している日本人学生の色々が書いてあるんですけど、『えっ、それはないよなあ』と言うような設定でした。この留学生の従姉妹が日本から遊びに来るんですが、なんとこの人、日本のスーパーアイドル。そんなバカな!そのスーパーアイドルが帰る時に、留学生のオーストラリア人の友達に、日本に遊びにおいでよ、とか誘うんですよ。その子達が、飛行機に乗るお金なんてないよ、と言うと、スーパーアイドルが、私の自家用ジェットに乗ればいいじゃないのと。いいでしょ。アニメファンには、堪らない、あり得ない設定。

 

次の年の教科書は、オーストリアのポップグループが日本ツアーをするお話。一体、誰がこんな設定を考えるんだか!ニューホライズンなんて、地味な英語の教科書を使った筆者には、青天の霹靂。最近のは、もっと面白いキャラクターが出て来るのかもしれませんけど。このヘンテコな教科書を通じて、日本の文化と言うか、日本人の若い子だって知らないようなことまで、学べちゃう。カプセルホテルも出て来る。湖のほとりのペンションも出てくる。相撲のタニマチのオジサンまで出て来る。ちょっと、日本人が読んでも、内容が意外で面白い。こんな教科書で勉強したアメリカ人の子供たちは、妙な耳年増みたいになっちゃうような。

 

この話、まだまだ続きます。寒さに負けず、気合いを入れて書きますから、お付き合い下さいね。ご機嫌よう!

 

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