遂に、犬にもフリースのジャケットを朝の散歩の時に着せました。そのくらい、寒いです。
(我が家の犬)
前回、車から東と西の違いが分かる、とお話しましたけど、その続きです。
まず、東海岸と言うか、カリフォルニア以外の他の所では、電気自動車どころか、ハイブリッド車も見かけないと言いましたけど、その大きい理由は、まあ、ハイブリッド車を持つ意味があるか、ないか、と言うことに尽きると思います。
まず、カリフォルニアでは、環境汚染の基準が厳しくて、ガソリンも精製度が高いので、その分値段も高い。1ガロンあたり、1ドルくらい違いますからね。だから、ハイブリッド車や電気自動車を高いお金を出して買う意味がある。車自体は、高いですけど、長い目で見ると、トントンになる。(と言うのは、買う時の言い訳で、冷静に計算するとならないですけど。まあ、気分として、ブレークイーブン。)それに、環境のことを考えている、ことを世間にアピール出来ますもんね。
筆者の娘が中学の頃、娘と娘の友達セリーナを南カリフォルニア大学で毎年開催されるブックフェアに連れて行ったことがありました。その時に、セリーナから『ハイブリッドカーを買ったんですね。凄く、いいと思います。』と褒められました。中学生に褒められると言うのも、変な話ですけど、カリフォルニアの子供たちの環境に対する意識は、高い。カリフォルニア州では、学校でも環境問題に力を入れています。中学生の頃から、環境科学部なんてクラブもありますし。
ロスアンジェルスの郊外で住んでいた地区は、お金持ちが多かったので、子供を送り迎えする親たちの定番は、レクサスだとか、メルセーデスだとか、BMWだとかでした。そんな中にあって、我が家も子供の送り迎えは、『安全』を重視してボルボのステーションワゴンを長年使っていましたが、その頃、筆者は、自分の通勤の為だけに、日本製のハイブリッド車を手に入れたばかりでした。このハイブリッド車、周りの高級車の中にあっても、ちゃんとステータスを保つことが出来ていました。つまり、環境のことを考えている人間だと言うステータス。だから、高級車の中に居ても、卑屈にならなくて済む。ははは。セリーナの言葉は、そんなハイブリッド車の位置付けをきちんと表現していると言えるでしょう。因みに、セリーナの親は、レクサスのセダンとメルセーデスのSUVを持っていました。
ですが、東海岸のニュージャージーに引っ越して来てからハイブリッド車のオーナーとしての筆者のステータスは、地に落ちました。誰も車がハイブリッドだとか気がつきもしないし、気にも留めない。だから、全然、評価もされない。ちっとも高いとも思って貰えない。だから、筆者の車は、何の変哲もない大衆車としての位置付けのみ。ちょっと、悲しい。まあ、自分が正しいことをしていると、思っていればいんですけどね、それでも他人の評価も気になる筆者は、『大してガソリン代の節約にもなってないし、次の車は雪道でも大丈夫な4WDにしよかなあ』と考えたりして。所変われば、考えも変わる、と言う訳です。
カリフォルニアでは、環境問題は、どの政治家もスローガンに掲げている。だから、規制も色々あって、スーパーでもプラスティックの袋は、もらえない。だから自分の買い物袋を持って出かける。手持ちがなかったら、お金を払って買わないといけない。ニュージャージーのスーパーのレジのおばちゃんは、聞きもせず、平気でプラスチックの袋を山と使って、品物をいれてくれます。初めは、物凄く抵抗がありました。何だか、悪いことをしているみたいで。慣れと言うのは、恐ろしいものです。
そういえば、知ってました?最近、注目されている電気自動車のテスラもカリフォルニア以外では、中々、買えないんですよね。こう言うことは、住んでいると、気がつかないんですけど。外に出て初めて実感しましたね。
(ハドソン川を挟んで、NYを望む)
ニューヨーク州だって、たった5箇所しか、テスラを買える店がないんですから。ニュージャージー州は、4箇所。ニュージャージー同様、ニューヨークの通勤圏内にあるコネティカット州(ニュージャージーが千葉なら、コネティカットは神奈川って感じで、そこから皆んな東京であるところのニューヨークに通勤している。)に至っては、テスラのお店すらない!アメリカで一番大きい州の(アラスカをのぞいてですけど)テキサスでも買えない!ちょっとびっくりでしょ。
理由は、簡単。テスラは、直営店でしか、車を売らない方針だからです。それで、たくさんの州は、車のディーラーを守る為に、お店を開かせないと言う訳。だから、開かせても、テスラの店の数の制限をしている州があると言う訳です。それからもう少し言っちゃうと、石油を掘ってるテキサスなんて、テスラを売るはずは、ないですよね。
仮に、テスラが方針を変えて、ディーラーを使っても、ディーラーはちっとも面白くない。テスラは、エンジンもないし、トランスミッションもないですから、オイルチェンジもないし、メンテも簡単。だから、ディーラーは、美味しくない。ディーラーは、車は値引きして売って、儲けは、メンテですからねえ。テスラを売っても儲からない。実際、他の電気自動車もディーラーは売りたくないみたいですね。だから、意識的に、ガソリン車をセールスマンは勧めるし、電気自動は見える所に展示していない。聞かれれば、出す、と言うスタンス。まあ、分かりますよねえ。会社は、儲けないといけないんですからね。そんなこともあって、カリフォルニア以外は、ガソリン車ばかりになるんでしょうねえ。
ただ、道を車で走っているだけでも、その地域の住民の環境への意識だとか、その州の政治的、経済的な背景だとかが垣間見れる、と言うお話。それに従って、学校教育の方針も変わって来る。正しいことは、正しいんですけどね。まあ、悲しいかな、世の中そんなもんです。
ちょっと、ショッパイ話になっちゃいました。次回は、もう少し、アップビートに。それじゃあ、皆さま、ご機嫌よう!