いよいよ、明日がローズクイーンの戴冠式です!
(今年選ばれたローズコートの女子高生)
ローズクイーンと6名のプリンセスをまとめて、ローズコート(バラの宮廷)と呼ぶんですが、単なるビューティーコンテストの勝者と思ったら大間違いです。この7人に選ばれるのは、ホント、アイビーリーグに行くより難しいかも、です。
まず、資格から。7名は、ローズボウルスタジアムのある周辺の市町村に住んでいる高校3年生かまたは、大学生で21歳以下でなければいけません。地元のある私立女子校(お嬢様学校)は、高3全員参加を義務つけています。学校をあげての大イベント。こんな応募書がいるから、平気で、応募者総数が1000人以上になってしまうんでしょうね。まあ、そう言う意味では、普通のビューティーコンテストよりは、底辺も大きいと言えるかもしれませんけど。
『何で、このお嬢様学校は、全員参加を求めるのか?』一番大きい理由は、応募者全員が、戴冠式の後のダンスパーティに参加出来るからのようです。女子校なので、大ぴらに男子のエスコート付きのイベントを開催するのは、憚られるようですけど、これなら大丈夫。しかも、普通の学校のダンスパーティよりも、ずっとゴージャスですしね。コーポレートスポンサーも沢山付いていますからね。この学校もしたたか。人のお金で、学校のイベントをやっちゃうんですから。応募した女子高生たちは、ちょっと気になっていた男の子を誘えちゃいますし、結構、盛り上がるみたいです。普段は、男子が誘うダンスパーティーを逆に、女子が誘うと言うのもお楽しみですしね。もちろん、男女とも、正装が求められます。イブニングドレスにタキシード。ああ、考えただけで、身悶えしそうですねえ。いいなあ。
ローズクイーンとプリンセスは、もちろん、ドレスもアクセサリーも靴も、全部支給されます。凄く、立派なやつ。このイベントの為に、スポンサーは、デザイナーを雇って、オリジナルのドレスを誂えてくれます。アクセサリーは、必ず、ミキモトの真珠のネックレス。(ミキモト、欲しい!)これだけでも、おとぎ話のお姫様。
で、本題。
どんな子がローズコートに選ばれるのか。見かけがある程度のレベルであることは、必要ですけど、学校の成績も良いこと、そして、人前で物怖じせずに、スピーチが出来ること、何か特技なり、秀でたものを持っていること。何だか、大学の合否判定見たいですよね。
今年、選ばれた7人は、全員高校3年生でした。それで、面白いのは、みんなどこの大学を狙っているか、インタビューで答えていることです。何だか、野球の逆指名みたいでしょ。1000人もの中から選ばれた7人ですから、大学側もそれは、注目してくれるはずですよね。戴冠式が10月23日なので、11月1日締め切りのアーリーディシジョン(1校のみ出願可能なシステム。これで出す方が、合格率は良い。)にも間に合います。ちゃんと、願書にローズクイーンだと書ける!
何度も言いましたけど、有名大学は、成績以外のプラスアルファを求めています。これ、かなりのプラスアルファですよね。世界的に放送されちゃいますからね。アップで。大学は、多様性を求めていることを考えると、クイーンやプリンセスだと、他の学生とは、違ったスペックとしてアピール出来るんじゃないですかね。
で、どの大学を『逆指名』しているかと言うと、まあ、カリフォルニアの子ですから、どの人もUCLAとか南カリフォルニア大学(USC)をあげていますねえ。アイビーリーグのイエールを狙ってる子もいます。それから、他にシカゴ大学やジョンズホプキンス大学の名前も出てます。医学部志望も何人もいる。ねっ、ちょっとそこらのかわい子ちゃんと言う訳では、ないのがお分かりでしょ。実際、インタビューで名前が上がるのは、大学側も嬉しいと思いますよ。いいパブリシティになりますもんね。ローズクイーンがうちの大学に来たがってるんですよ、なんて言えるんですからね。さあ、どう言う結果が出ますやら。『逆指名』うまく行くといいですねえ。
と言うことで、ローズコートに選ばれた7人は、有名大学を志望する実力があるくらいの成績であることがお分かりかと思います。ただ、可愛いだけじゃあ、選んでもらえないのがこのローズコート。で、経歴を見ると、運動部の1軍で活躍していたり、文化系部活で部長だったり、生徒会の役員だったり、はたまたNASAの研究所であるJPLで勉強していたり、ガールスカウトのリーダーだったり、ボランティア活動を活発にしていたり、となかなかです。要は、ちゃんと、成績の他にプラスアルファがある。
審査は、9月のある週末に、1000人もの女生徒が集まって行われるのですが、あらかじめ、オンラインで登録しておいて、当日、行くだけ。審査員の前を一人づつ歩いて、立ち止まって、何故、ローズコートに選ばれたいのか、言うだけ。たったの15秒間で。これで250人に絞られます。それから、2次審査、3次審査と続いて行く訳です。短い時間で、審査員にインパクトを残す必要のある1次審査が一番厳しいと言われています。まあ、そうでしょうね。だ、か、ら、本気でローズコートのメンバーに選ばれたい人は、ビューティーページェントの専門家をコーチにつけるようです。
日本でも、多分、モデルとか、アイドルとか、俳優とかになりたい子とか、オーディションの前に訓練を受けるんでしょうけど、あれです。アメリカの大都市なら、元モデルだとか女優だとかを雇って、レッスンを受けることが出来ます。これは、ロスアンジェルスのお話ですから、ハリウッドもあるし、そう言うトレーナーは、結構、簡単に見つけられます。決して、安くはないですけどね。世の中、お金で解決出来ることは、沢山ありますからね。言いたくないですけど。
まず、第1印象をよくするために、歩き方の練習。立ち方の練習。座り方の練習。喋り方の練習。にっこり笑う練習。これ、結構、将来の就職するときのインタービューの練習にもなりますよね。まあ、モデル歩きは、仕事探しのインタビューで使えないでしょうけど、背筋をきっちり伸ばして、歩くのは、大切かもしれません。
こんなビューティーコンテストのコーチは、想定問答集まで持っていて、短い時間に素早く回答するコツを教えてくれるし、練習もしてくれます。にっこりしたままで、スラスラと内容のあることが言えるように。いやあ、意外とビューティコンテスト、バカにしたもんじゃありません。奥が深い。人前で、動じずに話せると言うのは、将来、みなさん、凄い武器になりますよ。実際、聞かれたことに、寸時に的確に答えると言うのは、頭が要りますからね。だから、やっぱり、綺麗なだけじゃあ、ビューティーコンテストも勝ち進めない、と言うことです。特に、このローズコートに入るには。
このコンテストで選ばれるには、大学に合格する以上に、大変かも、です。プラスアルファじゃ足りなくて、その2乗くらい必要かも。
(筆者のカリフォルニアの家のバラ。)
コンテストに着て行く服も靴も必要だし。高校生と言えども、すっぴんで行くわけにはいかない。でも、ケバくは出来ない。上品に、メークをしないといけない。クイーンとプリンセスですからね。服に合わせて、髪もセットして、マニキュアにも行って、と言うことで、準備にもお金がかかります。ドレス選びもメークも、プロのコーチがきちんとしてくれます。本気の人たちは、1年間このために準備をするのだとか。
この地区で育つ子供は、小さい頃から、ローズクイーンとプリンセスを見て育ちますから、憧れている子も多い。だって、お隣のジェナが選ばれたのを見たりしてるんですから。大きくなったら、私もあんなドレスを来て、オープンカーに乗りたいと思っている。
そんな血と汗で勝ち得た戴冠式は、もうすぐです。クイーンやプリンセスに誘われたら、まあ、シャイな高校生男子と言えども、断らずに、行くでしょう。(少なくとも、お母さんたちは、絶対、行かせる。プロに写真も撮って貰えるし、将来、いい思い出になるし。)誘われてダンスパーティーに出るボーイフレンドも誇らしいでしょうね。まあ、大学の願書に、書けないでしょうけど、エッセイにその体験はかけるかもしれない。ははは
1月1日は、お時間があったら、是非、ローズパレード、ちょっとでも見て下さい。録画したユーチューブでもいいですけどね。ふーーん、この子たち、凄く頑張ったんだ、って思いながら見るのも一興かと。
ロージー、今年の大晦日も場所取りをして年越しをするのかなあ。風邪引かないでね。
それでは、ご機嫌よう。