1. 『ロージーは、死んだ』でも『ローズクイーンは101回生まれ変わる!』 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

『ロージーは、今からどこに行くって?』12月31日の夕方、ナニーのロージーが帰るなり、筆者の姑が尋ねると、すかさず、『ロージーは、死んだ!』と茶々を入れるのが、舅。舅の前妻の名前がロージーで、もう死んでいる、と言う訳です。まあ、どうでも良いですけどね。不毛な会話。

 

ロージーと言うは、我が家の1代目のナニー(住み込み又は、通いで毎日働いてくれるベビーシッター)で、その当時、20才。ちゃんとした英語が話せる人が良い、と言う条件のもと、ナニー斡旋会社から送られて来たのが、このロージー。メキシコ系ながら、アメリカ生まれで、ちゃんとアメリカの高校を卒業していると言うわけです。はっきり言って、普通のナニーは、ヒスパニック系のスペイン語中心の新移民で、ロージーみたいなのは、まれ。

 

(ローズパレードの行われるコロラド通り。通り沿いに桟敷が設えてあります。)

 

気は良かったけど、いかんせん、ロージーも子供。使えませんでしたねえ。アメリカの普通の高卒の女の子が、仕事としてナニーになることを選ぶと言う時点で、ちょっと変と気がつけば良かった。我が家へ来る前は、デパートの店員でした。バイトですけど。まあ、その話は、さておき、ロージーが、大晦日に我が家から、一目散に走ったのが、コロラド通り。そうです。1月1日の朝行われる、ローズパレードの場所取りのためです。だから、さっきの姑と舅の会話になる訳です。

 

ローズパレードと言うのは、日本からもマーチングバンド高校日本1だとかが、優勝のご褒美にやって来るような映えある栄光のパレードです。日本のホンダはスポンサーになっていて、車を提供してますし、日本ともゆかりのあるパレードですが、これは、いわば、前座で、ローズボウルと言う全米からトーナメントで勝ち進んだ2大学が戦うフットボールの試合がメインイベント。戦う場所は、その名もローズボウルスタジアム。特に、地元のUCLAとUSC(南カリフォルニア大学)が当たる時は、物凄く盛り上がります。永遠のライバルですから。

 

昔、このUSCは、UCLAに対して『うちのメイドの子供のくせに』とか、UCLAの方は、『お金しかないバカのくせに』なんて今考えると卒倒するような、野次合戦をしていましたが、今は、どちらもそんな大学のイメージはありません。UCLAにもお金をかけられた子弟が沢山いますし、USCも合格者のSAT(統一テスト)の平均は、近年、UCLAよりも高かったりして、難関大学の仲間入りをしてますからね。いやあ、変りました。昔は、パーティースクールだったのにね。

 

そういえば、筆者の息子の高校の同級生は、アイビーリーグのダートマス大学にいたのに、USCに今年から転入しちゃいました。(まあ、地元に戻りたかったのもあるでしょうけど。トランスファーしてもいいと思うくらい、レベルは上がっている、と言うお話です。ただのお坊ちゃん大学じゃなくなりました。)USCは、お金をかけて立派な研究所を建たりして、ノーベル賞に近いと言われている有名な教授を引き抜いたりしてますから。そんな教授が動くと、一緒に優秀な学生(研究室にいる講師や大学院生)も大移動すると言う訳です。バイオリンの五嶋みどりさんもUSCで教鞭をとってますし。USCの人集めは、有名です。そんなこんなで優秀な学生が集まる。

 

話を戻しましょう。ローズボウルは、全米が興奮する大イベントです。

 

近年は、コットンボウルだの、シュガーボウルだの色々なフットボールの試合も行われるようになりましたけど、一番有名なのが、これ、ローズボウル。なんせ、今回が101回目なんですから。この栄光の試合に出場するために、ディビジョン1の大学が頑張っているわけです。(大学のスポーツは3つのディビジョンに分けられていて、このディビジョン1が1番上。スポーツ入学のお話は、近いうちにまた、書きます。)アメリカの新年は、このローズパレード、ローズボウルの試合で明けると言っても過言じゃありません。元旦の朝から、これをみんなテレビで見てる。全盛期の紅白歌合戦と同じ。

 

でも、ロージーにとっては、フットボールよりも大切なのがローズパレードで、道端で、一晩過ごす価値があると思っているわけです。パレードは、コロラド通り沿いに8.5キロも続くんですが、あちこちに桟敷が作られていて、お金持ちは、もちろん、徹夜なんかしないで、桟敷席を手に入れます。でも、ロージーみたいな若い子は、一晩、友達と騒ぎながら、場所取りをしている。それはそれで、大イベント。

 

余談ですけど、筆者は、その通りの近くに住んでいたので、1月1日は、交通規制があって、ちょっと大変でした。どこにも出かけられない!道端で、パレードを見るのも面倒なので、実は、あんなに近いのに、1度も行きませんでした。ロージーには、理想的な職場だったんでしょうねえ。ははは。3ヶ月で辞めさせちゃいましたけど。終わった後のフロートの展示には、行きました。場所取りもいらないし、高いお金も払わなくていいですから。だから、日本の高校生の素晴らしいパフォーマンスは、テレビで見てました。御免なさい。

 

(出発地に移動し始める前のパレードのフロート。)

 

近所に住んでいて自慢だったのは、世界中の誰よりも先にフロートを見ることが出来たことですかね。12月31日の夜に、出来上がったフロートを出発地点に搬送するんですけど、それが家の前から見れました。ちょっと、羨ましいですか?これが通り始めると、年越しそばでも食べるか、と思ったりした訳です。(冗談ですけど。)紅白もありませんしね。

 

前置きが長くなりました。今回、お話したたかったのは、このパレードの花、『ローズクイーンと6人のプリンセス』のことです。(こう言うと、おとぎ話みたいですねえ。まあ、選ばれた子にとっては、フワフワなおとぎ話からほど遠い試練の道みたいですけど。)

 

今年は、10月1日に計7人が選ばれました。そして、来週の10月23日に『戴冠式』があります。この7人の涙ぐましい努力のお話をちょっとしたいと思います。一流大学進学よりも過酷な『ローズクイーンと6人のプリンセス』への道のお話を。

 

続きをお楽しみに!ロージー、元気ですか?

 

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