第2回 『どうやって大学授業料を払うか?』 | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

一雨毎に、秋が深まって行く今日この頃ですが、いかがお過ごしですか?

 

前回に引き続き、今も昔も、大学の授業料を出すのは、大変だ、と言うお話です。

 

有名私立と並んでも引けを取らず、世界的にも認められている州立大学の雄、カリフォルニア大学バークレー校(通称UCバークレー)やロスアンジェルス校(通称UCLA)なんかは、年間3万5千ドル(370万円くらい)かかるんですけど、州外の学生は、これより高めになります。年収が500万円以上とかのミドルクラスより上になると、収入ベースの奨学金は期待出来ませんが、州内に住む低所得者層には、手厚い奨学金が出ます。

 

多くの州は、家庭環境には恵まれない成績優秀者に、高等教育の門戸を開こう、と言う政治家たちのキャンペーンもあって、(有権者受けしますからね)税金の配分があるわけです。州立大学は、学校経営は、私立と違って、こう言う目論見もあるので、低所得者の子弟は、親の収入によっての奨学金を期待できます。

 

(UCサンタバーバラ)

 

それから、州立大学は、成績優秀者への奨学金(メリットスカラシップ)も出します。だから、低所得者の枠を期待出来ない人達には、こっちのチャンスもあります。UCバークレーだとか、UCLAとかは、こんな奨学金をバラ撒かなくても、第1志望の志願者がワンサカいるので、あまり期待は出来ませんせんけどね。でも、次のランクのUCサンディエゴ校だとか、UCサンタバーバラ校は、とにかく優秀な学生を集めたいと思っているので、このメリットスカラシップを、結構出します。

 

UCサンタバーバラは、青色発色ダイオードの発明で有名な日本人ノーベル学者の中村修二さんが教鞭を執っていますよね。この大学は、彼の他にも5人ノーベル賞学者が教授に名を連ねています。ちょっと、凄いです。知らなかったでしょ。この大学、本気で、学問でリードしようと思っているようで、UCバークレーだとか、UCLAに行けるような学生をとにかく集めたいと言う野心があるように見受けられます。だから、こんな大学に、授業料を免除されて行くのもアリかもしれませんよ?

 

じゃあ、私立大学は?大きい声で言えませんけど、私立大学は、自分たちで経営しないと行けないと言うことを覚えて置いて下さい。どの大学も『あらゆる学生に門戸を開いています!』と言いますけど、実際、無尽蔵にお金をバラまくことは、不可能ですからね。どの大学も出願者一人一人を授業料支払い能力を考慮せず、審査する、と言いますけど、その審査の詳細は公表してません。どこまで、綺麗事を信じていいのか。こんなこと言いたくないですけど、私立大学は、ビジネスなんですから。それをお忘れなく。

 

まず、アイビーリーグは、全く成績優秀者への奨学金は出しません。何せ、こんなエサをぶら下げなくても、捨てるくらい沢山成績優秀者が応募して来るんですから。しかも第1志望で。まあ、ほとんどの出願者は、他のアイビーリーグ校と併願しているようですけど。どこかに入れると嬉しい、と言う感じで。とにかく、黙っていても、志願者はたくさん。

 

だから、アイビーリーグ大学は、奨学金用にとって置いたお金から、気前良く、低所得者の学生に奨学金を出してくれます。だって、成績優秀者をお金で釣らなくてもいいんですからね。世間体もいいですよね。『親の所得を考えなくても、最高の教育を受ける権利をみんなに与えています!』って大声で言えるんですから。こんな強気が出来るのは、アイビーリーグの他にマサチューセッツ工科大学(通称MIT)とか、リトルアイビーの名門アムハースト、ウィリアムズ等、ごく僅かです。

(コロンビア大学)

 

だから、アイビーリーグに子供を入れたいミドルクラスの皆さん。あまり、授業料を免除されると思わないように、お願いします。せっせと自助努力が必要です。持ってる資産をガラス張りにされますから、そのつもりで。お給料だけじゃなくて、資金運用だとか、不動産価値だとか。家を売って、学費を出しちゃうとそれはそれで、売った時の収益が計算されて、損しちゃいますから、気をつけましょうね。子供を大学に入れる年の前は、出来るだけ臨時収入を貰わないように、調整する賢い財テクも必要かもしれません。

 

まあ、学費を捻出するのは、一筋縄では行かないと言うお話です。次回は、アイビーリーグから優秀な学生を奪いたいと思っている有名私立大学のお話を中心に。

 

それでは、季節の変わり目、どちら様もご無理をなさらず、お過ごし下さい。

 

フレックスラーニングのサービス