本当に、そこまでしてアイビーリーグに行く価値は、あるの? | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

マイク・タイソン級と言われているハリケーン・フローレンスが北上を止めて、南に方向転換したので、ちょっとホットしています。でも、ハドソン川を挟んで、マンハッタンを見る所に住んでいる筆者は、毎日の雨模様にちょっとうんざりしてます。サウスキャロライナの皆さん、ごめんなさい。こんなことで、文句を言って。被害が少ないことを願っております。

 

(厚い雲に覆われたマンハッタン)

 

時候の挨拶が済んだところで、今日のお話です。

 

アイビーリーグを知らない人は、まずいないですよね。少なくともその言葉は。ひょっとしたら、日本でも東京6大学より有名だったりして。でも、属している大学名は全部言えますか?ハーバード、これはまず間違いなく、一番に名前が上がりますよね。東京6大学なら、まず、東大と言うのと同じで。

 

(ハーバード大学)

 

でも、全部で何校属しているのかご存じですか?ハーバード、イエール、プリンストン、ブラウン、コロンビア、ペンシルベニア、コーネル、そしてダートマス。そう、8大学です。日本の6大学も、スポーツ対抗戦をしてますけど、こちらも元々は、スポーツのリーグを構成する大学と言うことで、結成されたリーグです。だから、みんな、東海岸で、お互い行き来できる距離にあります。

 

 

もちろん、現在もアイビーリーグの対抗戦は盛んですけど、世間では、スポーツよりもメチャクチャ入るのが難しい超一流大学としての面で、知られていますよね。それで、どのくらい入るのが難しいかと言うと、合格率は、ハーバードの4.6%を筆頭にして、一番入りやすいコーネルで10.3%。だいたいどこも7、8%と思ってくださればいいかも。西海岸には、有名なスタンフォード大学があって、この合格率もハーバードと変わりませんが、西海岸に、孤高の人よろしく、端然と北カリフォルニアに居を構えるスタンフォードと違って、アイビーリーグは、8大学が強いネットワークで結ばれています。

 

あっ、ちょっともう結論を言ってしまいました。アイビーリーグに行くとどんなメリットがあるのか。要は、歴史ある強大なネットワークの一員になれると言うことです。在学中から、学生は、その恩恵にあずかっています。例えば、NYに本社がある大企業だとか、インベストメントバンクだとかが学生を招待して会社説明会を催したりします。電車やバスで、日帰りで行けちゃいますからね。呼ばれるのは、アイビーリーグだけ。ねっ、嫌らしいでしょ。卒業後も同窓会の絆は強く、色んなイベントがあります。

 

同窓会の結束は固く、NYには、それぞれの大学のメンバーシップクラブがあったりします。筆者も仕事の打ち上げパーティーで招待されて、ハーバードクラブに出かけたことがありますけど、なんだか19世紀に迷い混んだような雰囲気でした。革ばりの安楽椅子がいくつも置いてあって、シルクハットをかぶった(嘘ですけど)おじさんたちが、ウィスキーを呑みながら新聞を読んだり、と言う感じの所です。何だか、特権階級みたいな雰囲気を醸し出していて、ちょっとなあ、と言う気がしましたけどね。まあ、スノッブさがアイビーリーグの伝統なんでしょうねえ。

 

SNSの世界でも、アイビーリーグ学生だけのものが多数存在します。世評冗談(Meme)グループまで含めて。そう言えば、今年のバレンタインデーには、ハーバード大学学生が始めた学生間お見合いサービスまで、ありました。ハーバードから出かけやすくて、学生間が親しいブラウン大学とイエール大学学生も含めて。学生たちは、自分の趣味だとか、色々な情報を入れて、それを元に、コンピュータが適合率が高い相手を算出すると言うお遊びです。実際、その結果をもらって、デートをした学生もいたとか、いないとか。アイビーリーグの学生は、遊びも本気で大掛かりに、大真面目に取り組むのが、ちょっと面白いかも。

 

もちろん、アイビーリーグ以外に、優秀な大学もたくさんあります。将来、ロケットを飛ばしたい、と思っているのなら、カリフォルニア工科大学に行った方がいいに決まっています。TVドラマのビッグバン・セオリーの舞台になっている大学です。筆者は、つい最近まで、あの大学からわずか1キロの所に住んでいたので、良く知っていますけど、建物もアイビーリーグとは全く違って、スペイン風で、明るいです。何と言っても、アメリカの頭脳が集まっている凄い大学です。ちょっと、行く気になりましたか?

 

先に述べたスタンフォードだって、すぐ横にシリコンバレーを作り上げたくらいですから、IT関係を目指すなら、お勧めです。筆者の知り合いのお嬢ちゃんは、始め音楽専攻で、スタンフォードに入ったのに、コンピュータのクラスを取ってのめり込んで、大学院はコンピュータ。その挙句、ピアノで鍛えた耳を重宝されて、映画関係の音響専門会社に近頃、職を得ました。それから、映画を勉強したいのなら、もちろん、南カリフォルニア大学(USC)がピカイチ。ジョージ・ルーカスもUSCでした。ねっ、アイビーリーグじゃなくても、やりたいことがある人は、他の大学の方がいいこともありますよね。

 

もっと言いましょうか?将来、官僚になるか、政治を目指すのなら、ジョージタウン大学が定番。何と言ってもワシントンDCにあって、官庁や政治家のオフィスでインターンが出来ますからね。昔、クリントン大統領もジョージタウン時代に上院議員のページボーイをして、毎日、新聞を読みまくって、記事まとめるのが仕事だったとか。これは、鍛えられますよね。政治家の仕事を目の当たりに出来るんですから。こんなことは、アイビーリーグ大学に居たら、物理的に無理でしょ。

 

じゃあ、どうしてアイビーリーグ何ですかねえ。どうも世の中、アイビーリーグを偶像視しているようで、アイドルスターの追っかけをしているみたいに、ティーンたちは、その後を『きゃー!』と言いながらその方向にまっしぐら、の感があります。競争率をみるだけで、分かりますよね。経験のない高校生は、本当に大学で何をやりたいかも分からないから、ともかく世間で良く知られている大学に行くか、カッコいいしなあ、と言う結構単純な理由で、応募するような気がしますけど、どうですかね。まあ、それも悪くないかもしれませんけど。その為には、物凄く頑張らないといけなくて、その信じられない程の努力をすること、それだけでも意義のある事ですしね。結果、辿り着かなくても、決して努力は無駄になりませんから。

 

それにしても、アイビーリーグは年々、狭き門になっています。一体どこまで行くんでしょうねえ。特に、タイガーマム(中国版モンスター級教育ママ)に叱咤激励された信じられないくらいに成績の良い中国人姉弟が、アイビーリーグを目指しているお陰で、成績の底上げも半端じゃないみたいです。だから、成績だけでは、差別化が出来なくて、大学側は、自分好みの学生をその中から、選ぶと言う買い手市場になっています。嫌ですねえ。だから、そんな高ビーな所は、やめて、本当に自分に合った大学を選ぼうよ、と筆者は言ったりするんですけど、やっぱり親も子も、『隣のジョン君はそうすればいいけど、僕は(うちの子は)、やっぱりアイビーリーグ』とのたまうので、この傾向まだまだ続きそうです。やれやれ。でも、頑張れる体質を高校生の段階で作って置くと、就職しても役にたちますから、まあ、頑張って下さい。

 

最後に、『本当に、そこまでしてアイビーリーグに行く価値は、あるの?』に対する一つの回答です。アイビーリーグと言う最難関の大学に選ばれて入って来た学生たちは、それぞれ、ユニークな逸材で、そんな集団に入ることで、学生たちは、将来もずっと続く刺激のある面白い人脈を得ることが出来ると言うのが、最大の価値であろうかと思ったりするのですけど。いかがでしょうか?

 

どちら様も、最後は、ご自分で決めて下さいね。グッドラック!

 

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