その2:いつ、どうやってアメリカ私立大学共通エッセイを書くのか | 双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子をアイビーリーグに入れた母が綴る『知らないと損をするアメリカの教育事情』

双子の子供を2人ともアイビーリーグに入学させた母親であるフレックスラーニングのシニアカウンセラーがニューヨーク近郊から発信しています。フレックスラーニングはアメリカ大学進学相談、オンライン家庭教師のプロです。

続きです。ドーナッツじゃなくて、大学進学のお話。

 

前回、大学を沢山受けれれば、それだけ、エッセイの数も増えていく、と言うお話をしましたが、まずは、私立共通のエッセイをきちんと書くことが大切です。アメリカの大学は、日本のAO入試に近いですけど、これに共通一次の点数がつくと思えばいいです。アメリカ版の共通一次は、SATとACT。この点がいいことに越したことはありませんけど、アイビーリーグを始め、有名私立大学を狙う場合は、点数が良いだけでは、他の人と差別化が出来ません。とにかく、エッセイで自分をアピールした者の勝ち。

 

(アイビーリーグの1校コロンビア大学の図書館)

 

日本と大いに違うのは、公立大学よりも私立大学の方が、格上に見られることです。とは言っても、公立でもUCLAとかUCバークレーなんかのあるカリフォルニア大学は、頭の良い学生が集まることで有名ですけど、ここに受かっても、アイビーリーグには、受からないという例が沢山あります。要は、有名私立は、単にお勉強ができるだけの学生は要らない、と言っているのです。実際、成績優秀者ばかり志願して来ますから、その中で差別化をするのがプラスアルファということです。その大きなものがエッセイ。

 

今年出題されたエッセイのお題目ですけど、7つ。この中から、一番自分のことを表現できるものを選ぶことです。カッコつける必要はありません。今までの人生で何を学んだのか、どんなことに影響されたのか、どんなことに興味を持っているのか。自分の育ったバックグラウンドとかが良く分かるような内容のものも好まれます。入学事務局の職員は、プロです。大人が書いたものは、分かると言います。17、18才の人生観と4、50台の大人は比較になりませんから。経験者がより良い内容を書けるか、と言うとそうでもなくて、相手のこととか、受けとか、妙に考えて、嘘臭い内容しか書く比率は、高くなるような。

 

リトルアイビーと言われる、アイビーリーグと並んで高い評価を受けているリベラルアーツ大学が東海岸にありますが、その中の一つ、タフツの学生が話しくれました。彼は、自分の大好物のベーコンの話を書いたと言っていました。ベーコン!?もう一人のタフツの女学生は、タフツに学校見学に言って、気に入ったことを書いたそうです。ちょっと、面白い視点ですよね。要は、何を書いてもいいけれど、本当のことを自分の言葉で書くというのがアピールのポイントになります。

 

まずは、エッセイのテーマを良く読んで、これなら、書けるな、と思ったものを選びましょう。大学側の受けを狙うよりも、自分が表現できるものを選ぶこと。それで、受からなかったのなら、その大学が欲しいタイプの学生では、なかったということですから、気にしないこと。但し、思うところを全て出し切ること!書いた後に添削してもらうのは、大切ですけど、テーマを選ぶ段階で、カウンセラーとブレーンストーミングが出来ると良いかもしれません。自分の中で、色々考えるよりも、客観的に判断してもらえますから。

 

書いた後も、文章の構成、文法、語法、誤字脱字に気をつけないとけませんから、何度も何度も推敲が必要です。とにかく、時間がかかります。あるアイビーリーグの男子学生は、7月から初めて、11月末までかかったと言っていました。このくらい本気でやらないといけないわけです。

 

それで、これが今回のお題目です。

 

1. Some students have a background, identity, interest, or talent that is so meaningful they believe their application would be incomplete without it. If this sounds like you, then please share your story. 

自分の育った環境、アイデンティティ、興味、才能が大学に入学審査をしてもらう際に重要だと思う人は、そのことについて書いて下さい。(これは、メキシコとかから来た新規民の子供で、初めて大学に入る志願者なんか向き。オリンピックでメダルを取った人もこれがいいかも。あまり、この例は、当てはまらないかもしれませんけど。人気の題目で、前年度は、21.4%がこれを選択)

2. The lessons we take from obstacles we encounter can be fundamental to later success. Recount a time when you faced a challenge, setback, or failure. How did it affect you, and what did you learn from the experience? 

過去、直面した障害だとか、困難を乗り越えて、それが先ざき役に立った経験について。

3. Reflect on a time when you questioned or challenged a belief or idea. What prompted your thinking? What was the outcome? 

通常受け入れられている信念、考えに疑問を持って、それに立ち向かった経験。何がそうさせて、どういう結果だったのか?

4. Describe a problem you've solved or a problem you'd like to solve. It can be an intellectual challenge, a research query, an ethical dilemma - anything that is of personal importance, no matter the scale. Explain its significance to you and what steps you took or could be taken to identify a solution. 

 

どんなレベルの問題であろうと、自分にとっては大切であった問題について述べよ。

5. Discuss an accomplishment, event, or realization that sparked a period of personal growth and a new understanding of yourself or others. 

自分の成長に貢献した、または、他人を理解するのに役に立ったこと、もの、出来事について述べよ。(どうやらこれが、前年度23.6%で一番人気)


6. Describe a topic, idea, or concept you find so engaging that it makes you lose all track of time. Why does it captivate you? What or who do you turn to when you want to learn more? 

 

自分が時間を忘れるほど熱中するトピック、考え、概念について述べよ。

 

7. Share an essay on any topic of your choice. It can be one you've already written, one that responds to a different prompt, or one of your own design. 

 

自分の好きなトピックについて、自由に述べよ。(これが、2番人気で22.5%の人が選んだ)

 

どうですか?書けそうですか?応援してます!頑張って下さいね!