【自作】いなごラーメン | ㈲信州松本食探録

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※苦手な方はスルー推奨です。



皆様こんばんは。

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突然ですが「いなご」って知っていますか?
長野県民には比較的身近な昆虫として親しまれていますね。

我々長野県に住む人々は古くから貴重なタンパク源としていなごを食べるという習慣があります。

では、どうやって食べるか?


…そうだね。佃煮だね!

甘辛く味付けしたいなごをカリカリと食べるのがとても一般的。
むしろ惣菜コーナーにも売ってる位ポピュラー。
「あの足が歯に挟まっちゃってさ~」なんて共通の話題でも頷けちゃうくらいあるあるな話題。

当然ダメな人はダメだけど…



そこで1つ疑問。

これだけ普通に我々の生活に馴染んでいるいなご。
私は佃煮でしか食べたことが無い。
これだけ歴史が深そうな食材なのに佃煮としてしか一般的に目にしないのは何故か。
単純に癖が強くて他の調理法ではマズイのか。
はたまた私が知らないだけなのか…

と言うささいな疑問が今回の発端。

で、私の中の「com.会議」においてよくわからないことを言い出したcom.がいました。

「ラーメンにしてみればいいんじゃね?」

即採用。



と、言うことで親友の田んぼに小雨降る中いなごの捕獲に行ってきました。
30超えた叔父さん二人が暗闇の中、必死に動く草影に素早く手を伸ばし一喜一憂する様ははたから見れば滑稽だったかもしれぬ。

天気、時期、時間のこともあり捕まえることが出来たのは20匹前後。

大切に使わねば…


と言うことで持ち帰り糞抜きでそのまま二晩。
それでも元気よく「ビンっ!ビンっ!」と跳ね続ける彼らを袋に入れた後冷凍庫に突っ込んだ私は極悪非道です。

で、調理当日の朝に冷凍庫から出し、朝から天日干ししました。



さて、ラーメンとの事なのでその他の事も考えねばなりません。

私的にはいなごの味を殺してしまっては意味が無いと考えるので今回は「塩」味にしてみようと考えました。

簡単に構想を言うとこんな感じ。
モデルは甲殻類のラーメン。
つまり、えびそば一幻さんやこの辺で言うとヌプチェさん辺りで見られるような海老ラーメンが基本の考え方。
ただ、作り方自体は知らないので完全に自分の中でのイメージは「海老のビスク」のような抽出方法でいきたいと考えた。


とりあえず塩ラーメン用の塩ダレを作成。
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こちらはカタクチイワシ、昆布、干し椎茸を一晩水で戻したもの。磯臭いと言う表現がぴったりのこの出汁を火にかけて今回は能登の粗塩で仕上げました。大体20%位の濃度だったと思うけど厳密では無い。

ひとまずこれを冷まして塩ラーメンとカエシとして使用する。


次、鶏がらスープ。
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鶏がら2羽分、モミジ(鶏の足)、白菜、長ネギの青い部分、しょうが、にんにく、にんじんといったシンプルな構成。
今回は白濁させたくなかったのでとろ火で。

…とは言ってもいつものようにBBQの傍らで実行したので炭火で調整しながら。

今回はトータル6時間位かな?
下処理等は過去記事参照。
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こんな感じ。
綺麗な金色に輝くスープになりました。

…写真だけ見ると鍋のように見えますが、かき混ぜると鶏の足がチラリと顔を出します。
鶏人「後楽園遊園地で、僕と握手!」と言わんばかりの雰囲気。


で、麺は私的に愛用している菊水さんの細麺。
デリシアとかに普通に売っている麺ですが、しょっちゅうお世話になってますm(._.)m


とりあえずこれで準備は以上。


で、香味油。
これもいなご油を作ってみました。
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薫りが弱い気がしたのでサラダ油のみで薫りを強調すべく。
思ったよりカラッと揚がるまでの時間が早いので弱火でじっくりといかないといけないですな。
ほんのりと漂う草原の薫り。

これで下準備完了。

調理に移ります。

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乾煎りした後、鶏がらスープで伸ばしていきます。
本当はバターでにんにく、生姜等と炒めた後伸ばそうと思いましたがその工程自体忘れていた事と、薫りをダイレクトに反映させたかった事。そして何よりも完全に忘れていた事によりダイレクトに抽出していきます。

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しばらくするとこんな感じ。

屋外の炭火上での調理なのでトングでガシガシ潰しながら煮詰めていくと、この濁りっぷり。
そして立ち込める草の薫り…いや臭い。

油の時は仄かに薫った程度でしたが、こちらももうダイレクトなわかる人はわかるあのいなごの薫り。

なかなかのツワモノ。


このエキスを用いてキメていきます。
鶏がらスープ、いなごエキス、塩ダレとシンプルな構成でスープを作り、その上にいなご油でコーティングします。

…あ、いっけね。
トッピングの事何も考えてなかった…


と言う事で出来上がったのがコチラ(*゜▽゜ノノ゛☆
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いなご塩ラーメン

試作1号完成です。

トッピングは刻みネギとフライド175。
シンプルな構成で。


さて、勿体振るのもアレなので結論から。


…糞美味いっ‼︎



…んだけど。


簡単に言うと「普通に美味い塩ラーメン」であって「いなご塩ラーメン」では無い。

ズブのど素人が作る塩ラーメンとしては結構美味しく出来たように思うんだけど、私が目指したところはそこではない。

私の目指したところは…
「うげっ!?くせ~っ!!こんなもん食えねぇ!」
若しくは
「ん!?なんだこれ?今まで食べたことない味!」
のどちらか。

素直に美味しいながらもいなごの風味が生かせれば良いんだけどいなごっぽさは何処へやら。

あれほど草のオーラが漂ってたエキスは完全に中和されてしまいました。

トッピングの素揚げしたいなごはカリカリとして本当に芳ばしい海老のよう。ちょっと薫りは少ないけど。
個人的に佃煮よりも素揚げの方が気軽に食べれるし味的にも塩振りかけて食べた方が好きだなぁと言うのが正直な感想。

なんとも不本意な結果ですが、塩ラーメンとしてはなかなか美味しいものがで出来たと思います。

…が、本来の目的からすると失敗。
いなごの風味を生かしきることが出来ませんでした。


次回に向けての課題。
恐らく絶対的にいなごの数が足りないものと思われる。100匹以上用意したいところ。
エキス抽出の段階で最後に裏漉しして絞りきる位しないとダメかもしれぬ。油に関しても同様に工夫が必要かと。

以上。


試作2号に向けて構想を練っていきたいと思います。
…恐らく来年になるかと思いますが(笑)

ラーメン作りに関しては素人故、正直作り方が正解なのかわかりません。
ググってもいなごラーメンの作り方が出てこない為、もっとこうした方が良いのではないか等ご意見ございましたら参考にさせて頂きますのでコメント下さいm(._.)m

とりあえず塩ラーメンとしては美味しかったです(^-^)/


「動物系」や「魚介系」、「ベジポタ」等に続く新ジャンル「インセクト系」若しくは「草食系」として人類が編み出したラーメンの新たなジャンル開拓に向けて、私は日々考察を重ねていきます。


※…ちなみに天日干ししたのみの生のいなごも興味本位でそのまま食べてみましたが、草臭全開で苦かったです…食べられないことは無いですが、食べる際はなんらかの形で火を通して食べることをお勧めいたします。かしこ。