久しぶりに 歯科の往診について書かせていただきます | 葛飾区亀有駅徒歩5分の歯医者 飯田歯科クリニック 院長のONとOFF

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開業させていただき20年が経ちます。

開業前の折り込みのお知らせにも 

歯科往診 受け付けております

と書き添えておりました。

まだ訪問歯科という概念が浸透しておりませんでした。医科では往診という言葉が認知されていましたので歯科往診とうたわせていただきました。

 

そもそも 往診をなぜ視野に入れていたかということです。

たまたま大学を卒業し 大学院へ進んだ際 選択した医局が 部分入れ歯(部分床義歯学)の 教室でした。

大学院1年生で4月に国家試験が合格したばかりの5月でした。基本的に大学院は主任教授の 鞄持ちです。臨床と実験、大学院なので 臨床よりも実験と言われておりました。臨床といえば週に2回ある教授診察だけでそこでの教授の診察のアシストだけでありました。

 

国家試験合格して1ヶ月も経たない時でした。教授より 入れ歯の治療の道具を持って 車を用意して 大学病院の駐車場で待っていなさいと 指示がありました。教授を乗せて 大学病院の隣の駅の近くの医科の入院棟へ向かいました。そこには教授診にいらっしゃる患者様が ベッドにいらっしゃいました。

 

そして 教授が主訴を聞き 義歯が痛いとおっしゃる箇所をベッドサイドで削り お口へ戻し 瞬時に 痛くないとその方はおっしゃいました。

たしか窓際のベッドでしたが、その瞬間は 今でも スクリーンショットの様に 鮮明に覚えております。

魔法の様でした。

滞在時間はほんの10分程度でありました。右も左も何もわからない 卒業して1年目の衝撃的な春🌸の事でした。

ずっと痛くて食事もできなかった患者様が 一瞬の治療で痛くないとおっしゃった 歯科往診 の凄さを 見せつけられ これだっと思いました。

 

それからは いつも頭に往診歯科という視野がありましたので、それから6年後の開業につながりました。

 

話は戻りますが、開業前の折り込みですでに往診の依頼を2件 いただきました。開業と同時に始まりました お二人の治療でした。

開業当初は 自分がどこまでできるのか 未知の世界でしたので、13,5坪 診療台は2台 スタッフは 異業種でありました家内と 看護婦でありました母親と 3人で始めました。

 

往診の依頼をいただいたうちの1人の方が、やはり歩行が困難で自宅から外出もできずという事で 入れ歯の製作の依頼でした。とても良い方で 仮にもノボルさん(仮名)といたします。必ず往診では目上の方でありますが 下のお名前を許可をいただければですけど 呼ばせていただいておりました。着々と治療が進み 入れ歯ができた日のことでした。大変喜ばれ 

 

先生 ありがとう この入れ歯は 棺桶まで持っていくからね 

 

と言っていただきました。プロとして 涙が出そうでしたが 家内と申し合わせたかの様に笑顔でありがとうございますと お伝えをして 来週のアポをいただき ご自宅を出ました。

家内を乗せた車を自分が運転し始めた時に いただいた言葉が有り難く 走り始めた車の中で 前が見えなくなるくらいに 2人で 号泣いたしました。

開業にあたり 大変な壁が沢山ありましたので この言葉につながった いただけた という気持ちでしたが ノボルさんとその奥様の前では グッと堪えた気持ちが 吹き出したのだと 実感しております。

今これを打っていても 涙が出てきています。

 

一生忘れられない ノボルさんの お言葉です。

数年後安らかに旅立たれました。

 

あのお言葉を一生忘れないためにも 歯科往診は 一生 やらせていただくと 決心しております。

 

来院できない方で お口のことでお困りの方は お気軽に お電話ください。保険の範囲で可能です、安心してください。

 

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