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『シルヴィ・ギエム オン・ステージ 2011. Aプロ〈愛の物語〉』
◉田園の出来事
出演:シルヴィ・ギエム(ナターリヤ)/マッシモ・ムッル(ベリヤエフ)/後藤晴雄(ラキティン)/小出領子(ヴェラ)/松下裕次(コーリャ)/奈良春夏(カーチャ)/マトヴェイ(永田雄大)
振付:フレデリック・アシュトン
音楽:フレデリック・ショパン
◉「マノン」よりパ・ド・ドゥ
出演: シルヴィ・ギエム、マッシモ・ムッル
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネー
会場:東京文化会館(東京都)
さすが、100年に1人の逸材とまで称される現代バレエの女王です。
シルヴィ・ギエムさん、
今回の来日では、ガラで、代表作のひとつ、モーリス・ベジャールの「ボレロ」を踊られました。
ものすごく「ボレロ」も見たかったのですが、個人的には現代バレエ、モダンバレエよりも、バレエはクラシックバレエが一番と思っているので、あえて、ケネス・マクミラン振付の「マノン」よりパ・ド・ドゥをセレクトしました。
このシルヴィ・ギエムさんが見たかった。
そして、すごかった。
期待どおり、いや、それ以上としか言いようがありません。
「マノン」は「田園の出来事」のB面のような扱いで演じられましたが、これが素敵にすばらしかったです。
安定感は抜群とか、そういうことではなく、踊りを自分のものにしている自信と、誰よりもバレエで愛を奏でることの美しさ、愛しさを熟知し、ゆえに儚く(はかなく)踊る余裕、それは、観る者への誘惑、まさに鳥肌が立つ…以外の何ものでもありません。
軽やかなステップと、ジャンプ力、そして、何とも言えないかげろうのような魅力、言葉にできません。
シルヴィ・ギエムさん、ROLEXのモデルもされています。
シルヴィ・ギエムさん、1965年2月25日生まれですから、御年47歳になられます。
1984年、19歳にしてパリ・オペラ座バレエ団の最高位エトワールに上り詰めます。
1985年には、ヌレエフとともに初来日もされました。
しかし、パリ・オペラ座バレエ団のあまり厳しい契約と束縛に、1988年電撃退団をします。
このとき、フランスでは「国家的損失」とまで言われたほどです。
その後は、イギリス、ロイヤル・バレエ団のゲスト・プリンシパルと活躍の場を広げています。
派手な衣装を嫌い、肌を露出させたり、脚を耳に触れるほど上げてそのままピタリと止める「6時のポーズ」など、シルヴィ・ギエムさんの行動には賛否両論ありましたが、いずれにせよ、その強靭な肉体と表現力は未だ衰えることを知らず、誰をも釘付けにする踊りは本当に宝物です。
シルヴィ・ギエムさん、親日家でもあります。
2011年の東日本大震災の報を受けて、4月6日にパリのシャンゼリゼ劇場で「Hope Japan」というチャリティ公演を開催しました。
このイベントにあわせて、高田賢三さんがデザインされたのがこの記事のトップに貼った画像の左下にあるポスターだとか。
さらに、今回の来日あわせて、「被災地の人々を励ましたい」と、東京電力福島第1原発事故に見舞われた福島県いわき市の「いわき芸術文化交流館アリオス」で特別公演をされました。
多くの観客が涙したそうです。
公演後、「私は福島の皆さんに勇気を与えられたらと思って来ました。皆さんが早く安らかな生活が送れるようになればいいと思います」とコメントされています。
福島で「ボレロ」を踊るシルビー・ギエムさん (C)堀田正矩
シルヴィ・ギエムさんの肉体、見事です。
バレエダンサーのヌードではすまされない美しさです。
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