イリーナ・コレスニコヴァ/白鳥の湖を世界で最も踊っているバレリーナが魅せるオデットとオディール | 編集者福田清峰の八ヶ岳南麓田舎暮らし 天使のように大胆に悪魔のように繊細に 八美里ファームと実践出版塾と

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八ヶ岳南麓で田舎暮らし。「森の中に暮らす生活」を楽しむ「八美里ファーム」におけるDIY、八ヶ岳周辺の大人の散歩道、主宰している八ヶ岳自然教室のことなどもを紹介。「5年愛される本づくり、そして10年愛される本づくりへ」をモットーに書籍を編んでいます。

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サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター(タッチキン・バレエ)が7年振りに来日しました。
演目はもちろん「白鳥の湖」。
注目は「白鳥の湖」を世界で一番踊っているバレリーナ、イリーナ・コレスニコヴァです。

公演タイトルは『サンクトペテルブルグ・バレエ・シアター/イリーナ・コレスニコヴァ Asia Tour 2011 in Japan 「白鳥の湖」 (全3幕4場)』です。

福田清峰の演劇と映画と写真が大好きな日々。

イリーナ・コレスニコヴァが演じるオディール(黒鳥)の表情すごいです。

4月13日からの公演予定が、震災の影響で5月6日からの公演になりました。
今回の来日に際し、カンパニーより「地震などの影響で多くの演奏家が来日を拒み、日本の観客の皆様にご満足頂ける内容にできない」との通告があり、急遽、演奏がサンクトペテルブルグ劇場管弦楽団からTHEATER ORCHESTRA TOKYOに変更となりました。
THEATER ORCHESTRA TOKYOといえば、Kバレエカンパニーの全演奏を請け負うなど、ある意味、安心して聴くことができます。

さて、イリーナ・コレスニコヴァの演技力、表現力、とにかくずば抜けています。
「白鳥の湖」を踊らせたらKバレエカンパニーのゲストプリンシパルであるヴィヴィアナ・ デュランテ の右に出るものはいないと思うくらい、彼女の演じるオデットが好きです。
それが、オデットを踊らせたら、ヴィヴィアナ・ デュランテ、オディールを踊らせたらイリーナ・コレスニコヴァかも、と思わせてくれるほどにイリーナ・コレスニコヴァの表現力がステキです。
とにかく、一度、観ておいたほうがいいです。

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現代ロシアの宝になるかもしれません。
しかし、今ひとつ軸足がぶれたりする場面もあり、こんなこともあるのかと驚きましたが、きっとお疲れだったのでしょう。

他のバレエダンサーの方々の技術的な稚拙さも随所に見られ、これも気になりました。
とにかく、着地する際の足音が大きい。
舞台の設定に問題があるのかもしれませんが、ドッタンバッタン着地するたびに足音が響きます。
これは正直、集中して鑑賞することができません。
そして、ジーグフリード王子役のオレグ・ヤロムキンはじめ、リフトが不安定です。
イリーナ・コレスニコヴァと絡むときに、彼女の動きをを待って、それを捕まえて回して持ち上げているのが気になりました。
「待ってます」という雰囲気たっぷりの中で、イリーナ・コレスニコヴァにあわせていると、どうしても、動きが止まってしまい、観ていてぎこちなさが痛いくらいです。


白鳥の湖のストーリーに簡単に触れておきます。

ジーフリード王子の成年(21歳の誕生日)を祝い、宮廷の中庭(前庭?)で祝宴が催されています。
母である女王から明日の舞踏会で花嫁を選ぶように催促されます。
まだ結婚したくない王子は物思いにふけり友人たちと共に白鳥が住む湖へ狩りに向かいます。

森の湖畔では、月光に照らされ白鳥たちの姿が水面に浮かびます。
1羽の白鳥オデット(イリーナ・コレスニコヴァ)がジーフリード王子の向けた弓に驚きますが、その美しさに王子は弓を置きます。
オデットは夜だけ人間の姿に戻ることができる呪いを悪魔に掛けられています。
この呪いを解くただ一つの方法は、まだ誰も愛したことのない男性に愛を誓ってもらうことです。

舞踏会に参列している花嫁候補の中にこれといって心動かされる女性もいなく、王子はオデットに思いを寄ます。
そこへ、高貴な騎士に変装した悪魔ロッドバルドが娘オディール(イリーナ・コレスニコヴァ)を連れて舞踏会になだれ込みます。
オデットそっくりなオディールの美しさに、王子は一目惚れし、オディールに永遠の愛と忠誠を誓ってしまいます。

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そのときの王子をあざ笑うオディールを演じるイリーナ・コレスニコヴァの演技がこちらです↓

福田清峰の演劇と映画と写真が大好きな日々。

この演技、すごいです。
このあと、王子からプロポーズの証に受け取った花束を、放り捨てます。
この場面のイリーナ・コレスニコヴァ、鳥肌が立ちました。

さて、ロッドバルドにだまされたことに気づいた王子は湖畔へ急ぎます。
オデットは王子の裏切りを他の白鳥たちに伝えます。
守られなかった愛の誓いに苦しむオデットに王子は、策略にはまった許しを請います。

そこへ、ロッドバルドが現れます。
叶わぬ相手と知りながら、王子は果敢にロッドバルドに戦いを挑みます。
激しい戦いの末、王子はロドバルドを倒します。
すると、呪いが解け、2人はハッピーエンドを迎えます。

このエンディング、実は「白鳥の湖」には2通りあって、ひとつは、今回のハッピーエンドパターン。
もうひとつは、王子がロッドバルドを倒しても呪いが解けず、絶望した2人はそのまま湖に身を投げて、来世で結ばれるというもので、こちらが原典となります。

個人的にはどちらも好きですが、イリーナ・コレスニコヴァの演技力から考えると、ハッピーエンドがいいと思います。

ロットバルト役のドミトリー・アクリーノン、道化師役のアレクサンドル・アバタロフは、しっかりした踊りと演技力を発揮していました。


バレエ評論家でもあり写真家であるニーナ・アルヴァートが“私の愛、イリーナ・コレスニコヴァ”と題名をつけた、イリーナ・コレスニコヴァ唯一の写真集です。
Irina Kolesnikova
Konstantin Tatchkin
5943000372

DVDも3本出ているのですが、販売しているのが見つかりませんでした。