コテチャ。正しくはゴデチア、色待宵草。
私はこの花にある想いがあります。この花は、私の母が村で一番最初に試しにやった花だからなんです。母は小手茶と書いてました。たぶん当て字だと思います。
実は、どんな野菜や何やってもうまくいかない畑があって、そこでどこからか聞いたのか見つけてきたのか、コテチャをやってみようかと、ダメもとでやったのです。そうしたら、その年に大当たりした。
その時の母の嬉しそうな顔が印象的だったんです。当時は今みたいに背も高くなく、せいぜい30センチくらいでした。コテチャはいわば母が嫁に来て初めて独自に開拓した花、試行錯誤した収穫物だったのです。母が農業の喜びを感じたはずの花。母の農業の原点とも言える花なのです。
今みたいに立派ではなかったけど、綺麗な色にできると、村の人が聞きに来たらしい。どうやったらそんな風にいくのか?でも自分は隠すの嫌だから、自分がそうされて嫌な思いしたから、自分は教えてあげるんだって、よく話してました。
当時はどう育てればいいのか、どうなれば良質なのか、どうやって束ねて出荷すれば?さえわからなかったようだし。暗中模索状態みたいだった。花はみせてくれても、やり方やノウハウなんか、今みたいに教えてくれるような風潮ではなかった時代だから、見よう見真似でやるしかなかったみたいですね。
だから、この花は、私なりの想いがあります。
その母は、今はもういいません。