全くの偶然ですが、環境に優しいライトが有ります。
メーカーは暗所視保護のライトとして開発しました。無意識で環境に良いライトを創っていました。
元は暗所視保護の為に創られた Weltool M7-AM です。波長 590 nm のイエローより少しだけ波長が長い=赤味が有るアンバー(琥珀色)のライトです。
590 nm アンバーLEDは良いものが少ないので殆ど売られていません。
パイロットが使う暗所視保護にはレッドですから。
どの様に環境に良いかと言うと、夜間、植物を刺激しません。
植物も夜眠ることが知られています。光合成が行われると、24時間のサイクルが乱れると言われています。
植物も夜眠る事が知られています。
葉緑素の吸収波長のグラフです。
590 nm は殆ど吸収されません。植物への光害が少なくなります。
次に生態系に重要な昆虫への影響です。
殆どの昆虫が紫外線からブルーバイオレットの光に集まります。
コガネムシがブルー、親水性のトビケラ、ヘビトンボが短波長からグリーンやオレンジの光にも反応します。羽アリだけが可視光線全体に熱借りますが例外的です。
既出ですが今の擬似白色LEDのスペクトルです。
蛾は紫外線に集まると言われていますが、山歩きが好きなお客様からは下のブルーのラインの 6,000-6,500 Kのライトにも多数の蛾や昆虫が集まると言われています。
(ライトブルーのラインは人間の瞳孔のサイズをコントロールする波長498nmで、今回は無関係です。)
人間のアンバーの波長への感度は十分でしょう。左のライトグリーンのラインは暗所視の感度曲線です。590nmだと影響が少なそうに見えると思います。
次にアメリカ合衆国の環境保護団体の海亀の卵が孵化した後、子亀が海に戻れる様に配慮した照明です。
孵化直後の子亀は青い光を目指して海に入るからです。海海面からの光は夜の大気光と月の光の反射光がブルー系なのでブルー系の光を目指す特性を持っています。
これもアンバーです。
次に海の中の生物への影響です。海水中では5.5mで1/3程度に減衰します。
植物、昆虫、海洋生物、海亀を考えるなら590 nm アンバーライトがベストになります。
現在販売されているライトではWeltool M7-AM ぐらいしか選択肢がありません。
昆虫を照らしても反応しなかったそうです。
少し前に確認したら、これは偶然起きた事です。メーカーが依頼したカメラマンは昆虫がブルーより長い波長の光にはほとんど反応しない事を知らないで撮影したそうです。
登山、自然環境内、、トレールランニング、原野の開発で昆虫類が集まるのが嫌で・・・猪、鹿、熊などの野生大型哺乳類を避ける場合は、大光量で5,000K, 90 CRIの T19でしょう。