ライト(懐中電灯)の原点回帰:信頼性&効率向上と使い易いUI | プロライトジャパンのブログ

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懐中電灯専門のwebshop を初めて18年。LED 光と視覚フラッシュライト関連の話。
取り扱いフラッシュライト選び方
体調不良でご迷惑をかけたお詫び。親族複数名を亡くした事。

原点に戻ろうと思ってから約一年経ちました。

 

理由です。

 

A : 一時期惰性でメーカーのリードを許していた事への反省。

スペックのチェックが甘かった事。ANSI FL1 規格を巧く使って、点灯から30秒間だけ明るいライトが増えた事、一見普通の18650リチウム充電池で実態は特殊構造のバッテリーで顧客の囲い込みを行なっている事などです。

 

B : パナソニックのプラスティック製単1電池6本の懐中電灯の方が使い易いと痛感した事。

 

C : 或る大切な方が大事そうにしていた遺品に私が企画したSUNWAYMANの6〜8段階リング調光、チタン製ライトを観た事。そこで気にしていた問題と魅力の両方を再発見できました。

 

注:このライトは、某アメリカ合衆国のメーカーが(私も関わったのに)7/8回転のロータリー式スイッチで24段階も有る、回転調光のライトにして発売した事です。事実上の無段階調光は、使い方次第ではアドバンテージです。


しかしステップ数が多過ぎて、使用中の明るさの点灯時間が全く判らないライトになってしまいました。


それでリングの回転で十分な6〜8段階の照度調整にしました。最大8段階ならば点灯時間も解ります。


10年前後経過したそのライトを観て痛感したのは、気にしていた問題が実際に見えた事です。非常に残念なのは全額出資で無かったので、相手側の意向も入った事でした。テールスイッチが無く僅かな劣化で消灯できなくなる事と小型化に拘って、ヒートシンクを薄くした事から最高照度でも内部の熱が外部に出て来ない事です。


一般にLEDは放熱を良くする設計と言われています。実際にはコンバーターの電子部品の方が高熱に弱いのが実態です。

 

1:高価格/高性能ライトは最初は1本所有が普通。多くの場合、通勤用、車載用、ベッドルームの防犯用でしょう。故障率が高いのは絶対にNGです。

 

2:一般にはパナソニックの単1電池を数本使うシングルモードのプラスティック製の懐中電灯で十分。ホワイト系のボディー色、軽量、誰でもわかるスイッチで使い易さはベストです。

 

2:家庭用の懐中電灯の明るさの切り替え機能は有ってもHigh & Lowの2モードで十分。

 

4:高照度、コンパクト、金属製(アルミ合金)製ライトはターゲット層のニーズ調査が重要。

 

心から輸入/製造されているライトの見直しが必要だと痛感しました。

 

それでメーカー発表のスペックetcを自分でチェック/確認/検証する事を思い出しました。


一回確認して合格だったメーカーでもニューモデルの変更点次第で再確認も必要でした。

 

一番良いのは以前の様に開発または企画に僅かでも参加することでしょう。

 

例えば:

1:ボディー、放熱、光学系設計

 

下の写真はコンパクトな高出力ライト企画時の試作品のX線写真です。

 

コンバーター部分への樹脂充填の企画はHDS Systems Executive=Clicky,でエポキシ樹脂充填を「独自設計」とサイトに掲載する前です。


当然、ElzettaがPotted"とエポキシ充填を「この惑星上最も壊れないライト」とアドバタイズする前です。

 

この設計案はアメリカ合衆国の会社が製造する予定の防犯用コンパクトライト用でした。

 

バッテリーの他に急速燃焼の様な化学反応で短時間大電流が出せるスペックを考えていました。

 

ボディーのネジ部の信頼性と放熱製のために台形ネジ(ACME)etc を要求しました。

 

X線写真です。

 

2:別のライト用ですが、発光効率を上げるには最適なLEDの入手が近道です。

これも急ぎ過ぎるとロス率が高かったりします。

 

前例が無かったガラス製レンズ使用のCreeの一番明るいLEDを苦労してオーダーした時のことです。

 

予約で2ランク明るいLEDを1リール(1,000個)買い付けるのに成功しました。

 

ところが、下の写真右の様にレンズにクラックが有る使用不可能な酷い不良品が20%近くありました。

 

異常な不良率だったので、交換しようにも困難だったことが有りました。結果、その時のセールスマネージャーA氏が退社した様です。

 

 

買い付けたのは一番先に出荷されたリールでした。

"- 0 - 01" が記載されています。

 

3:光の色

CIEが決めた標準の白色光の一つ、D65光源(TV, モニターの白)と演色性が最高ポイントの100になる黒体放射のに少し違いがあります。

 

D65光源は日本よりも高緯度(北緯55-60度)地方、正午の青空からの光の近似値です。この光色は既出のレイリー散乱等の影響を含めた光です。

 

D65のスペクトル

結果下のグラフの様な違いが出てきます。

 

理想的な光は下の"Black body locus"のラインです。

 

D65光源のスペクトルは大気によるレイリー散乱、大気中の酸素と一酸化二水素(H2O=水)分子の吸収でグリーン&イエローの波長成分が相対的に多くなります。

 

一見判り難いと思います。上図は、CIE表色系下のカラースペースの一部です。


(LEDに流す電流が0.1Aから30倍の3.0Aになった時のカラーシフトが赤い線で入っています。無視してください。)

 

続きは明日以降書きます。