さくらと四天王3人が、マジ女に顔を見せていなかったタイヨウを探しに行っていたその頃、仮面を付けた不良少女の大軍が歩みを進めていた。マジ女の長年の宿敵ともいえる矢場久根女子商業・・・その大軍を率いるのは、先頭の4人で一番小柄な体格のハンター、唯一ノースリーブ系な制服姿のスパイク、上に濃い緑色のジャージを身に着けたリッスン、そしてその容姿とは裏腹に鬼の如き強さを持つという総長・シュラである。昨夜に大勢の生徒を襲撃し、改めてマジ女の校舎へ進軍しようとしていた矢場久根の大軍。するとそこへ、1人の少女が立ち塞がった。
リッスン「・・・あらら?誰かと思えばラッパッパ四天王のタイヨウやないか」
シュラ達矢場久根の前に現れたのは、ツクヨミからの決別の言葉でショックを受けたものの、パルという女性との会話で再びツクヨミを支える決意を固めたタイヨウだった。
スパイク「いやいや、こいつはもうツクヨミに追放された身やろ?」
タイヨウ「矢場久根・・・どこに行くつもりなの?」
シュラ「そんなの決まってんじゃん。内輪揉めでボロボロのマジ女に進軍して、ツクヨミの顔を拝みに行こうとしてるんだよ」
タイヨウ「そう・・・だったら、ここから先には行かせない」
シュラ「へえ・・・まさか、自分を突き放したツクヨミやマジ女の為に、アタシらとやろうってんじゃないよね?」
タイヨウ「・・・確かに、私はツクヨミとの約束を破って切り捨てられた・・・でも、あの子から目を背けるなんて私にはできない。マジ女を守って、あの子の涙と笑顔を取り戻す為なら、私は何度だってツクヨミを支えてみせる!」
ハンター「ハッ、仲良しごっこもここまで来ると笑けてくるね・・・やれ」
ハンターは後ろの矢場久根生徒達に合図を送り、タイヨウを襲わせた。タイヨウは矢場久根の軍勢を前に臆することなく、たった1人で挑んでいく。矢場久根生徒が2人がかりや少人数の群れで襲い掛かっても、タイヨウは思う存分自身の力を発揮し、連続パンチや背負い投げ、さらに蹴り技で一掃する。
リッスン「・・・相変わらずの馬鹿力やな」
スパイク「あの強さ、先代のラッパッパのおたべを彷彿させるわ」
シュラ「おたべ、ねえ・・・」
ハンター「けど、こっちもこんなところで戦力を削ってらんない・・・速攻で片を付ける!」
ここでハンターが駆け出し、矢場久根生徒の群れを次々と蹴散らすタイヨウにドロップキックを仕掛ける。咄嗟に反応してこれをガードするタイヨウだが、さらに飛び上がったスパイクが掌底を振り下ろし、タイヨウは防御を止めて回避した。
ハンター「悪いけど、今はタイマン勝負とかに付き合う気はないから」
タイヨウ「矢場久根の幹部が2人がかり・・・!」
スパイク「さあ、うちらの攻めを凌いでみろや!!」
ハンターとスパイクは同時に攻めかかった。先ほどは仮面の不良達を相手に有利な戦いを見せていたタイヨウだが、矢場久根の実力者2人の猛攻にダメージを与えられていく。
タイヨウ「くっ・・・!」
スパイク「ハハハ、オラオラッ!」
スパイクはタイヨウの脇腹を連続で殴り、さらにハンターの回し蹴りが炸裂する。壁にぶつかったタイヨウを2人が捕まえて追撃を図るが、タイヨウは力を入れてハンターとスパイクを振り払い、拳や頭突きをお見舞いして2人を退ける。
タイヨウ(このままじゃきりがない・・・イチかバチか、シュラを狙って終わらせる!)
タイヨウは一直線に突進し、シュラに目がけて拳を繰り出す。しかし、彼女の傍にいたリッスンがこれを受け止めてしまう。
タイヨウ「う・・・っ!」
リッスン「そんな簡単にうちの大将を潰させると思うか?」
タイヨウは標的をリッスンに変えて攻撃するが、集団戦において聴覚のみで動きを察知できるリッスンはタイヨウの攻撃をかわし続け、隙を狙って拳や蹴りをくらわせる。それなりに手傷を負わされているタイヨウだが、一歩も退く事なくリッスンに立ち向かう。しかし、再びハンターとスパイクが接近し矢場久根幹部の3人に囲まれてしまう。
タイヨウ「うあ・・・っ!囲まれた・・・?」
スパイク「勝手にうちらとの喧嘩を終わらすな!」
リッスン「今度こそ、速攻で終いや・・・!」
リッスン、スパイク、ハンターの猛攻が迫りくる。タイヨウは3人の攻めを受け流しつつ反撃していくが、ダメージが重なって思うように体を動かせず、リッスンに蹴飛ばされた直後にスパイクの掌底で防御を崩され、地面に倒れてしまう。さらにハンターが助走をつけた勢いで飛び膝蹴りを繰り出し、タイヨウの腹に大きな痛みを与えた。
タイヨウ「ぐあああぁぁぁっ!!」
スパイク「ハハハハ!ラッパッパ四天王も大したことないな~」
リッスン「アホか。こっちから3人がかりのハンデを付けてるようなもんやで」
タイヨウ「う、ぐ・・・」
ハンター「遊びは終わり・・・何人かこいつの後始末しといて」
ハンターは部下達にタイヨウの後始末を命じ、残った戦力で再びマジ女へ進軍しようとした。しかし、矢場久根生徒から返事はおろか、次々と呻き声が聞こえ始めた。
ハンター「・・・うん?」
振り返ると、矢場久根生徒の群れは殆どが倒されていた。そこにいたのは、矢場久根進軍の報せを受けてマジ女に戻っていたはずのウサギ、プリンセス、シンガー、そしてさくらだった。
タイヨウ「み、皆・・・っ」
ウサギ「タイヨウ・・・!」
リッスン「ここにきて援軍到着かいな・・・!」
シンガー「アンタ達・・・よくも私らの仲間を!」
スパイク「仲間って、まさかそっちの頭に切り捨てられたこいつを助けにきたんか?」
プリンセス「当たり前よ!今のツクヨミがそうしたとしても・・・私達はタイヨウを捨てられない!」
ハンター「どいつもこいつも、仲良しこよしの馬鹿ばかり・・・!」
ウサギ「タイヨウは、私達が守る・・・!うああああっ!!」
ウサギはハンター、プリンセスはスパイク、シンガーはリッスンと対峙し始める。その間に、さくらがタイヨウの下に駆け付け傷ついた体を起こした。
さくら「タイヨウさん、大丈夫ですか!?」
タイヨウ「さくら、ちゃん・・・?どうして、ウサギ達と一緒に・・・っ」
さくら「私も貴女も、ウサギさん達も菜緒の友達・・・同じマジ女の生徒で、仲間だからです」
タイヨウ「・・・!同じ・・・」
ウサギ「タイヨウが心配で探しに行ってた時、『矢場久根がマジ女に来る』ってミュゼから教えられた!」
プリンセス「でも校舎に戻ってみれば、いつまでたっても矢場久根が来ない!まさかと思ったらこの状況よ!」
シンガー「水臭いことしないでよ、タイヨウ!私達、一緒にツクヨミを支えようと誓った仲なんだから・・・!」
タイヨウ「シンガー・・・プリンセス・・・ウサギ・・・っ」
仲間達が自分を見捨てず、助けにきてくれたことにタイヨウは涙を堪えつつも感情を高ぶらせていた。すると、この状況を見ていた矢場久根の総長・シュラが突然拍手を送った。
さくら・タイヨウ「・・・?」
シュラ「ハハハ、面白い・・・面白いよアンタら。あんだけ内輪揉めしてたくせに、わだかまりなく助け合おうとするなんて」
さくら「・・・貴女が、矢場久根の総長・シュラ?」
シュラ「遠藤さくら、噂の転校生か・・・聞いたよ、アンタ昔のツクヨミのダチなんだってね?」
さくら「・・・はい」
シュラ「で、どうすんの・・・?アンタもダチを守る為に、今ここでアタシを止める?」
さくら「そのつもりです・・・!」
さくらは戦闘態勢に入り、シュラに向かって拳を繰り出す。しかしシュラは、さくらの拳が迫る前に蹴りを繰り出し、脇腹に攻撃を受けたさくらは横に吹っ飛んでしまう。
さくら「ぐあ・・・っ!?」
シュラ「残念・・・一歩遅かったね」
さくら「くっ、まだ・・・!」
さくらはすかさず立ち上がり、再度シュラに殴り掛かる。だがさくらの拳は何度も受け流され、逆にシュラの連続パンチをくらってしまう。
さくら「あうっ・・・!」
シュラ「ほら、もっとかかって来なよ?」
シュラの挑発に乗るように、さくらはもう一度拳を振り下ろす。それでもシュラはこれを腕で受け止め、無防備なさくらの腹を殴りつけ、さらに膝をぶつけて怯んだところを組んだ両手で背中に一撃叩き込み、衝撃で倒れたさくらを容赦なく蹴って転がせた。
さくら「ぐあああ・・・っ!はぁ、はぁ・・・っ」
タイヨウ「さくらちゃん・・・っ!」
さくら「ぐ、うぅ・・・あ・・・っ」
さくらは起き上がろうとするが、そもそもタイヨウとの勝負やツクヨミにやられた傷が癒えておらず、満身創痍の状態だった。その様子を見ていたハンター達は、四天王3人との戦いを有利に進めながら嘲笑していた。
ハンター「ハッ・・・あの程度の腕でシュラと戦おうとしてたの?」
ウサギ「うぅ・・・っ、さくら・・・!」
スパイク「まあ、こんな奴に負けるんやからラッパッパも随分落ちぶれたもんやな~!」
プリンセス「く・・・っ!ラッパッパを、馬鹿にするんじゃないわよ・・・っ」
リッスン「でもここでアンタらを片づけたら、ますますテッペンへの道のりが楽になりそうやわ」
シンガー「誰が・・・アンタ達、なんかに・・・!」
さくら「う・・・皆、さん・・・っ」
自分の体の傷に苦しみながら、ウサギ達がやられている様子を見つめるさくら。そんな彼女に、シュラは鋭い目つきで見下ろしながら近づいた。
シュラ「もうちょっと遊ばせてくれるかと思ったのに・・・まあいいや、ツクヨミに伝えておくよ。こんな世界に足を踏み入れたのがそもそもの間違いだったってね・・・!」
シュラの蹴りが、無情にもさくらにぶつかろうと思われたその時、負傷していたタイヨウが立ち上がり、シュラの攻撃からさくらを庇ったのである。
シュラ「・・・!」
さくら「・・・タイヨウ、さん・・・!?」
タイヨウ「させない・・・っ、ツクヨミの所には行かせない・・・さくらちゃんも、傷つけさせない!この子は、ツクヨミの・・・友達だからっ!!」
ウサギ「タイヨウ・・・っ」
シンガー「そう、だよ・・・マジ女に行かせて、たまるもんか・・・!」
プリンセス「私達は、ラッパッパ四天王・・・ツクヨミを、マジ女を守る!!」
ウサギ、シンガー、プリンセスが奮起し、再びハンター達に挑む。そしてさくらも力を振り絞り、タイヨウがシュラの足を止めていた隙に拳をくらわせた。
さくら「うあああああっ!!」
シュラ「・・・っ!」
タイヨウ「さくらちゃん・・・」
さくら「はぁ・・・はぁ・・・っ」
シュラ「・・・ハ、ハハハハ・・・!いいね、今のは痛かった。こんな痛みを感じたのは久しぶりだよ・・・さあ、もっとやり合おうか!!」
さくら「くっ・・・うああああっ!」
さくらとシュラ、再びぶつかり合う2人。本気になったシュラは、笑みを浮かべながら驚異的な猛攻を仕掛けてさくらを圧倒する。しかし、さくらも体が傷だらけになりながら何度も立ち上がり、シュラに肉薄する。次第にさくらの拳は、シュラをよろめかせる程まで追い詰めていた。
リッスン「シュラが、あそこまで傷を・・・!」
スパイク「マジかいな!?」
ハンター「チッ・・・しぶとすぎるでしょ、こいつら・・・!」
3人「はぁ、はぁ・・・っ!」
ハンター、スパイク、リッスンも、ウサギ達の奮戦で体力を削られていた。一方、さくらとシュラの戦いは体力的にシュラが優勢に見えるが、さくらは膝を付きながらも未だに立ち向かおうとしていた。
シュラ「・・・アンタ、どうしてそこまでマジ女の為に戦おうとすんの・・・?」
さくら「・・・私達は、まだ・・・菜緒の本当の思いを知りません・・・菜緒のやろうとしている事が、マジ女にとって良い事なのかどうかも・・・けど、私達はもう一度・・・菜緒と向き合いたい。菜緒と一緒に泣いたり、笑い合ったり・・・穏やかな日々を過ごしたい・・・!そんな未来を守る為なら・・・私達は、戦います・・・っ!」
さくら達の目は燃えていた、彼女達の魂に宿る熱い思いが高ぶっていた。すると、シュラはさくら達の覚悟を知った瞬間、突然高笑いし始めた。
シュラ「ク、クフフ・・・ッ、ハハハハ!ハハハハハッ!!」
タイヨウ「な・・・何がおかしいの?」
シュラ「ハハハハ・・・止めた」
さくら「え・・・?」
シュラ「・・・マジ女を潰すの、今回は止めたって言ってるんだよ」
ハンター「は・・・!?」
スパイク「ちょっ、何言うてんねん!?折角ここまで来たっちゅうのに・・・!」
シュラ「だってこいつら、本気でツクヨミと穏やかな日々に戻りたいって思ってんだよ?こんな面白い連中、潰すのは勿体ないでしょ」
さくら「シュラ・・・さん・・・」
突然マジ女への進軍を止めると宣言したシュラに、さくら達は唖然としていた。するとシュラは不敵に笑いながら、話を続けようとした。
シュラ「・・・アタシを楽しませてくれたお礼に、いいこと教えてあげるよ」
リッスン「シュラ、アンタまさか・・・!」
プリンセス「何?いいことって・・・」
シュラ「・・・ツクヨミの本当の目的」
ウサギ「えっ・・・!?」
シュラ「あっ、多分知らされてなさそうだから言っとくけど・・・マジ女の生徒だったっていうツクヨミの姉、それは本当の姉なんかじゃない」
シンガー「は・・・?どういうこと?」
シュラ「ツクヨミは昔、親がいなくなって一人ぼっちだったところを拾われた。で、そのツクヨミの義理の姉になったのは・・・先代のラッパッパ四天王・おたべなんだよ」
プリンセス「なんですって!?」
タイヨウ「おたべさんが、ツクヨミの義理のお姉さん・・・!?」
シュラの口から告げられた真実に、タイヨウ達は驚きを隠せなかった。そんな彼女達を見ながら、シュラは話を続けた。
シュラ「銀獅子会と海外マフィア、それと先代のラッパッパにうちの頭・・・会合中に起きた抗争は見事に仲良く全滅、勿論おたべもその1人。だからツクヨミは、死んだおたべの復讐を果たそうとしてんでしょ」
さくら「お姉さんの、復讐・・・」
シンガー「・・・でも、復讐するって一体誰に?おたべを殺した銀獅子会や海外マフィアも潰れてんのに・・・」
シュラ「いやいや・・・その抗争が誰かの手で仕組まれたものだって言ったら、どうする?」
プリンセス「仕組まれた・・・!?」
ウサギ「それって・・・誰がそんなこと?」
シュラ「・・・九つの龍の名の下に集まった巨大組織<九龍グループ>」
タイヨウ「九龍、グループ・・・!?」
ハンター「あ~あ、言っちゃった・・・」
先の抗争を仕組んだ元凶らしき団体の名が語られ、ハンター達は呆れるような態度を見せた。それでもシュラは、事の真相をさらに明かそうとする。
シュラ「九龍はこのSWORDで、馬鹿でっかいカジノ施設を建てようとしてる。その為に色んなお店や土地を買収する動きを繰り返してんだけど・・・ある日九龍の目に留まったのが、アンタ達マジ女のヤンキーだったわけ」
シンガー「マジ女が・・・?」
シュラ「当時のマジ女の強さに、自分達の計画の邪魔になるんじゃないかと考えた九龍は、一時期矢場久根と同盟を組んでた<捨照護路高校>に脅しをかけて、『マジ女の情報を沢山持ってこい』って言ったんだよ」
ウサギ「捨照護路に・・・!?」
シュラ「あ~言い忘れてたけど、前の抗争で頭が死んだうちと<激尾古>はその捨照護路とまた組んでたんだよね。『九龍が支配する世界で生きていこう』って話で」
スパイク「でもシュラがいろいろばらしたおかげで、絶対うちら同盟解消やで」
シュラ「そもそもアタシ誰かの言いなりで戦うの性に合わないし」
リッスン「しゃあないわ。うちらはシュラに付いて行くだけやし」
シュラ「・・・てなわけで、アンタらが知りたがってたツクヨミの目的を教えてあげたよ。後はアンタらのやりたい放題・・・じゃあまたいつか」
シュラはそう言って、ハンター達を連れて立ち去っていく。彼女からツクヨミの真実を聞かされたさくら達は、心の動揺を抑えきれずにいた・・・
タイヨウを連れ帰り、矢場久根の進軍を退けたさくら達は、マジ女の生徒会室に集まっていた。そこで彼女達は、シャドウ達にシュラが告げた真実を話していた。
シャドウ「九龍・・・やはり奴らが動いていたか」
タイヨウ「やはり・・・って、シャドウとミュゼは気づいてたの?」
ミュゼ「何となくってレベルだけどね」
シャドウ「銀獅子会は九龍の敵対勢力でもある。海外マフィアと結託し、マジ女の土地を買収しようとする動きを奴らが見逃すはずがないと思っていたが・・・捨照護路を利用してマジ女の情報を集め、むしろ泳がせていたとは」
シンガー「でも、九龍の計画に何でマジ女が狙われたの・・・?」
シャドウ「・・・うちのOGに高橋みなみという人がいた。その人はかつて<竜頭組>と関わりがあって、一時期みなみさんに恨みを持つヤクザやギャング達が次々に押し寄せてきたことがあった」
ミュゼ「みなみさんの親友である前田敦子さんは、彼女を守る為にギャング達を返り討ちにし、罪の全てを1人で背負った・・・でもおそらくは、その情報も九龍に行き届いていたのね」
シャドウ「捨照護路は元ラッパッパ四天王・シブヤが復学した矢場久根と、おたべさんが率いていたマジ女の戦いの場にもいたと聞いている。だが奴らは矢場久根に加勢することなく姿を消し、激尾古の看護科に攻め込まれた時もあっさりと軍門に降った・・・全てはマジ女と周辺の勢力を監視する為だったか」
プリンセス「捨照護路から情報を貰った九龍は、竜頭組や銀獅子会、海外マフィアを泳がせてマジ女生徒と潰し合わせ、漁夫の利を狙おうとしてたっていうの?」
シャドウ「だが、ムゲンが台頭し始めたことで簡単には事が運ばなくなった・・・ムゲンは連中の傘下組織だった<日向会>を壊滅させている。チームが解散する原因となった事故も、その日向会の残党が起こしたという話だが・・・」
ウサギ「・・・ツクヨミは、マジ女の情報を売った捨照護路と、九龍に復讐しようとしてるのかな?」
ミュゼ「その可能性は・・・高いと見るべきでしょうね。それに九龍の構成員には、鬼邪高の出身者も多いと聞くわ。彼女が鬼邪高の打倒に拘るのは、それも理由の1つじゃないかしら?」
さくら「・・・菜緒・・・」
シャドウ「とにかく、明日ツクヨミと直接話をする。捨照護路への対抗策をどうするかはその後だ」
タイヨウ「分かった・・・皆、今日は一先ず休もう」
さくら「・・・はい」
さくら達はシュラ達との戦いで傷ついた体を休め、明日改めてツクヨミと話し合うことを決めた。その生徒会室での会話をゼロが密かに聞いていたが、彼女は大きな思いを抱えながら何も言わずに学園を去っていった・・・
第8話へ続く