年が明けてすぐに冬学期が始まった。
アメリカの学校は、毎年9月から新学年だ。
私の通う大学は、クォーター制と言って、つまり1年に4学期ある。
秋学期から始まり、冬、春、夏学期。
だけど、夏学期は開講しているクラスの種類も少なく、とらない人が多い。
なので、実質3学期制のようなもの。
夏は夏期講習、くらいの感覚である。
科目のほとんどは、秋学期に始まり、分厚い教科書を3学期にわたって勉強する。
その科目の1学期目の単位をとって初めて、2学期目に進める。
3学期目をとるにはもちろん、2学期目の単位をとってから。
科目によっては落としたヒトのために、冬学期や春学期に、
秋学期にやるはずのクラスが再度、開講されるクラスもある。
・・が、解剖生理の1学期目のクラスは、
秋学期にとっくに終わってしまっている。
落としたヒトは来年の秋学期まで、おあずけ、ということだ。
だけど、今回は教授が特別に許可をくれ、秋を飛ばして、
冬から入れてもらうことになった。
ものの・・・・
秋学期にやった内容はまるで理解していない。
どうしよう・・
大丈夫だっ

体も声も心も大きな教授は、やたらポジティブでもあった。
Piece o'cake
(つまり、「楽勝
」)後々、コノ先生の
Piece o'cake

が出たら、用心するようにしている。
特に難しい時に限ってこんな気休めを言う。
・・いや、コノ先生は省略法が好きなのかもしれない。
つまり・・
「今学期はいきなり、脳の構造から始めるけれど、これは解剖生理の中でも一番難しい分野だ。
だけど、週末も返上して、死に物狂いで勉強すれば、今学期は落としても
きっと来年の冬学期に、このクラスをとる頃には・・」という部分が省略されていて、
Piece o'cake

の余韻を楽しませてくれているのではないか、と解釈している。
とにかく、始まってしまったからには、前に進むしかない。
やるからには真剣にやる。
けど、どんなに頑張っても敵わないなら、まだやめられる。
なんたって、私は単なる「聴講生」なのだから。
そんな甘ちゃんな気持ちは、
第1回目のテストが終わる頃には消えていた。