2024年8月 中1道コン国語レビュー | 進学教室FiveSchools OFFICIAL BLOG

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道コンレビューです。

中1国語です。

 

大問1(漢字)

まだ中2と中3の問題は見ていないですが、わりと「中1のほうが難しい」現象が過去から起こっております。

今回もどうでしょうね。

「歴任」「振興」あたり、そもそも語彙として相当レベル高いのでは。

 

大問2(資料)

中1道コンの最初にしては文字数多くて紙面詰まりすぎですよ。

中3道コンじゃないんだから、中1生の現実のレベルを考えたらもう少しシンプルにしたほうがいいと思います。

悪い問題ではないのですが、やりすぎ感は否めない。

 

こういう資料問題で要求されるのは、とにかく「スキミング」と「スキャニング」です。

全体として、大まかに何を言っているのか、どの場所でどんな話題が出ているのかをざっくりとつかむこと。

問題を解くのに必要な情報をそこから検索してくること。

この2つの訓練をしていきましょう。

 

問1

資料Bの中の指示語「このこと」なのに、答えは資料Cの中から探すという、これも中1生の問題としてはひねりすぎでしょう。

まぁ素直な問題にしてしまうと、答えが直前文を機械的に答えるだけで正解になってしまうので、そこの意図はとてもよくわかるのですが……

だったらせめて「Cの中から探し」という問題文の文言を太字にするとか、線をひくとか、ある程度親切にしてほしい。

ヒッカケの罠を回避するゲームじゃないんですよ、国語は。

 

問2~4は特に問題のない良問だと思いますが、問5もちょっと中1生に解かせるには条件指定が複雑すぎると思いますね。

 

大問3(小説)

出典:佐藤多佳子「タマネギねこ」

1962(昭和37)年、東京生れ。青山学院大学文学部卒業。’89(平成元)年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな 毎日』で’98年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞を受賞した。

 

1月の中1道コンと同じ作者ですね。

まぁ学年違うから別にいいと思います。

 

……やっぱり字数も問題量も多すぎると思うんですよね、20年前の高校入試より明らかに多いですし。

「高校入試は厳しいんだぞ」ということを最近まで小学生だった人間に伝える効果はあるのでしょうが、あまり初期段階で多くを求めても、国語への忌避感が高まるだけではないかと。

短めの文章でいいので、着実に読解させる習慣をつけさせる問題が望ましいとわたしは思います。

「とにかく慌てて急いで解かなければいけない」という悪癖をつけさせてしまいかねない。

 

問題それ自体としては記述、穴埋め、選択のバランスもとれていて、特に変なところはないと思います。

 

大問4(評論)

出典:金田一春彦「日本語は京の秋空」

1913年-2004年、日本の言語学者、国語学者、邦楽研究家。日本語の音韻学が専門。国語辞典などの編纂、日本語の方言におけるアクセント研究で知られる。邦楽にも造詣が深く、平曲研究の第一人者。著書に『日本語の特質』、『日本語』、『平曲考』など。文学博士。栄典は勲三等旭日中綬章、紫綬褒章、瑞宝重光章。

 

途中で「父・京助」が出てくる場所を引用するのが、「分かっている」ポイントですね。

 

問1

選択肢の作り方が惜しい。

「ネ」を区切って読む、としか教わっていない生徒は、「難しい/ところだ」で分けるべきなのか、「難しいところだ」で1文節になるのかが通常判断できなくなります。

文節という概念がちゃんと理解できているかどうかを試すには、「難しい」と「ところだ」を区切らない選択肢をせめて1つは用意すべきなのです。せっかく形式名詞が入った箇所を傍線部にしているのに。

 

……ちなみに、これを見ている生徒、保護者のみなさんは、なぜ「難しい/ところだ」と分けなければいけないか、説明できるでしょうか?

「難しいネ、ところだネ」と「ネ」を入れて読むから、と答えるのは答えになっていません。

「難しいネ、ところだネ」と読むのはむしろ日本語としては不自然で、「難しいところだネ」と一気に読むほうがずっと自然です。

 

なぜなのかはここで解説しませんが、当塾の「中学国語クラス」生は全員サラッと余裕でこの問いに答えられるはずです。

(Su生は最近やったのでまず大丈夫。Ad生はわりと昔にやったので、忘れてるおそれも……)

「根本のところから理解できる」指導を受けたい、受けさせたいと思う生徒さん、保護者さまはぜひ当塾を検討してみていただきたい(宣伝)。

 

問3

21字という字数指定書き抜き。

似たようなことを言っている箇所が何か所もあるので、趣旨を理解して絞り込んでいく必要あり。

 

問4

「常識」という語を使うな、という指定がいいですね。

「~という語を使って」より、「~という語を使わずに」という指定のほうがよほど好ましいとわたしは前々から思っています。

「~という語を使わずに」だと、その指定語句がどのような意味で本文で用いられているかを考えないといけないので、頭を使うプロセスが増えるんですよね。

(今回、そんな悠長に考えている時間はなかったかもしれませんが……)

 

また、質問文の趣旨を読み取らないと、完全にあさっての方角の答えを書いてしまいそうです。

「何に対して」傍線部のように述べているか、という質問です。

「傍線部に対して」筆者がどう考えているかを聞いているわけではありません。

「傍線部が誤っている理由」を答えて✕になるケースが、ある程度読解力のある生徒の中から続出しそうな予感がします。

 

いい問題なんです。

中3道コンでこれだったら絶賛したと思いますが、やはり中1には厳しいですよこれは。

大問4単体でも難しいと思いますが、さらに全体としてボリューム過多ですから。

 

中位レベルの中1生だとほぼ全員最後まで解ききれないはずです。

上位でもかなり怪しい。

80点取れていればかなりいいほう、70点台でも十分健闘といっていいレベルだと思います。

 

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