組織の存在理由 | ドラッカーなんて深めてみる

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「経営者に贈る5つの質問」がよかったよー。

我々のミッションとは何か?
◆組織の存在理由



「組織は全て、人と社会をより良いものにするために存在する。すなわち、組織にはミッションがある。目的があり、存在理由がある。
 アメリカでは非営利組織の数は1000万を超える。それぞれがそれぞれのミッションを持っている。いずれも人の生活と人生を変えることを動機とし、成果としている。」


組織はどこに向かっていくものなのか。何をアウトプットしていくものなのかが書いてある。ここでは、非営利組織がそのモデルとして書かれているが、現代において、その範囲は営利組織にも、個人経営者にも当てはまるのではないかと思う。


少し前、日本で企業の社会的責任CSR が流行ったことがあった。
CO2の削減の為に、植林を行ったり、美術館に寄付をしたり、ゴミ拾いや社会的弱者(幼稚園や高齢者施設など)へ援助したりと、その活動は企業のPR活動として認識され、クリーンやグリーンといった企業イメージアップの手段として誤解されることが多々あった。
それらの投入されたエネルギーのどれほどが、人の生活と人生に変化をもたらしたのだろうか?


フリーターの数が過去最高になるだろうという ニュースが流れた。
いや、この不景気が企業の責任だと言いたいのではない。
教育がいまだに偏差値的な教育を止めようとはしない。いい学校に入れば、いい企業に入れる時代は既に現実ではない。大学を卒業しても、企業は再教育をしなければ使い者にはならないのが現状だ。しかし、そのミスマッチを補おうとしない。
卒業すらしていないのに就職の活動を企業が先導しているのは日本だけだ。他の国は卒業証書がなければ話も聞いてくれない。


多くの企業が新しい波についていくことが出来ていない。経営的に先行きが見えなければ、雇用どころかリストラを考えなければならない。
ビジョンを描けず、社員間にワクワクな交流はない。


このままでいいとは思っていない。だが、何をどのように考えればいいのか明確な答えはない。


CSRからCSMへの転換が必要だ。すなわち責任という曖昧な基準からミッションを決断できる企業が新しい時代を創っていくことが出来る。
企業が社員の生活や人生に投資をすることが出来ることだ。
未来に投資をする。社員一人ひとりがどんな人生を歩むのか、一人ひとりにミッションを持たせる教育。生きる意味や価値を考え抜かせる教育。
社員の生きる方向性を明確にし、その課題や問題を解決する教育がなければならない。


人は不完全な生き物だ。企業は消費者を育成しなければならない。何が幸せなのか、何が美なのか。その問いかけを怠ってはならない。消費者もまた、その商品が人のどこへアプローチしようとしているのかの心を探らなければならない。お互いに助け合う関係性が必要な時代だ。


「救急室のミッションとしては、あまりに簡単だった。しかし、その為には、運び込まれた患者を一分以内に診てやらなければならなかった。大事なのは直ちに診ることだった。本人と親を安心させるには、絶対に必要なことだった。」
ミッションとは、全ての人を対象としている。そこに境界線はない。68億人に対してとなる。しかし、その正体は一人なのだ。目の前の一人を深く満足させることが、社会貢献につながる。


本当に大事なことが何かを知ることが出来るということは、無知であることに気付くということだ。


絶対に必要なこと。MUSTの答えは、自分の中にある。