放談第15回 そろそろ全開で放談? その2 本当はどっち? 内申重視なの 本番重視なの? |   fitのひろば

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こんばんは、 川江です。



さて、「本当はどっち? 内申重視なの 本番重視なの?」 というタイトルをつけてはみましたが、まず確認しておきたいのは、石川県立高校の入学者の選抜方法によれば、いずれとも書いてはなく、「総合的に判断」するとしか読み取れません。つまり、どちらか一方をより重視するということは書いてないのです。だから、答えは「両方大事です」とお答えするしかありません。

少し、視点を変えてみましょう。

他県では、どうなっているのでしょうか。

かつて、私がいた千葉県の県立高校の入学者の選抜方法ですが、「千葉県立高等学校第1学年選抜要項」には、石川県の公文書の記載のされ方より、かなり緻密に記述されています(笑)。

千葉県には、前期試験と後期試験があり、前期試験は各高校独自なものなので、ここでは後期試験のものをみていきましょう。

全文紹介すると、とっても長くなってしまうので、端折って紹介します。

(全文はこちら

その後期試験での入学者選抜方法(選抜プロセス)とは、

内申(調査書)点と、学力検査(5科目得点合計)の得点のいずれもが、
各高校において、受検(*1)者総数が募集人員以内のときは、受検者数の80%以内、受検者総数が募集人員を超えるときは、募集人員の80%以内

に入っているものを A組 とし、入学許可(合格)候補とするとあります。

次に、この A 組 以外の者を B 組 とし、 次の計算式

「学力検査の5教科の得点合計」 + 「K ×「 内申点」(*2)


により順位を決め、募集定員から A組 合格者数を引いた残りの人数分の合格者を決めます。

まず、優先して A 組が決まるわけですから、当日の学力検査も、内申点も、両方とも相当に高いレベルであることが要求されていることがわかります。

次に B 組内での合格者の決め方ですが、着目すべきは、学力検査に単純に内申点をプラスするのではなく、内申点に 変数K を乗じたものをプラスする点です。

この 変数K は、「各高校が定める1以上の整数」となっています。ということは、各高校が独自に「内申点の合否への影響度」を自由に決められるということです。高校によって内申点の重視度合いが違うということです。

難関高や人気高(志願者数が多い)では、この 変数K には1が代入されているようです。ということは、難関高や人気高ではは、学力検査(俗称で言えば入試本番)が重視されているということですね。人気高の変数Kは、大多数が1のようです。

そうすると、入試得点500点満点と、内申点135点満点の 635点満点。つまりほぼ 5:1 のわりあいで一発勝負となるわけです。千葉県は本番重視、学力重視ということになりますね。


さて、わが石川県の入学者選抜方法ですが、このような仕組みがあるのかないのか?、公文書をみる限りはありません。

ですから、石川県では、内申点も学力検査(入試本番)も いずれも大事だと結論付けなければなりません。

まあ、単純に考えてみれば、普段の定期テストで得点できないのに、実力テストや、石川県総合模試のようなテストで点数が取れるわけがありません。そう考えれば、どちらが重要かと争うのこと自体意味がないことです。両方大事なのです。

つまり、普段からの単元学習での基本的な問題の練習から、解法に複数単元の知識が求められる複合問題や、融合問題といった、問題集でいえば、応用問題や発展問題の練習も欠かさずに解く練習をすることが重要になってくるわけですね。

夏から、学習を始めた、中3生の皆さん、「もっと早くに始めていれば」と思われた方も多かったですね。そういう声を聞きました。

過去は変えられませんが、未来は変えられます。もう、夏休みのようなまとまった期間はありませんが、殆どの中3生の皆さんは、部活を卒業されているはずです。放課後の時間をフルに使って受験勉強に勤しみましょう。フィットアカデミーが全力で応援します。


さて、「放談14回」で示したそもそもの疑問、すなわち「同じ石川県内にありながら、受験指導の業者によって『内申重視ですよ』『いやいや入試本番(学力検査)重視ですよ』と意見が真っ向から対立するのは何故か」という問いに答えていませんでした。

長くなったので、それは次回のお楽しみということで

次回、放談第16回 そろそろ全開で放談!その3 内申重視か入試本番重視か!?どうして業者によって言うことが違うの!?(両方大事なのに)に続きます。


*1 
受検と受験の違い、大丈夫ですね?

*2
千葉県の後期試験の A 組 に 入らなかった
B 組 の中の合格者の決め方の補足説明です。

まず、算式1 X+α-m で いわゆる内申点(調査書点)を決めます。

算式1の各文字に代入されるのは次の通りです。
X : 9教科の評定の全学年合計値
α : 県が定めた評定合計標準値(=95)
m : 中学校評定合計平均値

次に算式2 Y+K×Z で B 組のなかでの順位をつけます。

算式2の各文字に代入されるのは次の通りです。
Y : 学力検査の5教科の得点合計
K : 1以上の整数 (各高校が自由に定めます)
Z : 算式1で求めた数値

この算式2でつけた順位によって、(定員になるまでの)残りの合格者が決まります。このような仕組みになっているため、理屈の上では、千葉県では高校によって「本番重視」の高校と、「内申のウェイトを増やしている」高校とに分かれていることになりますね。ただし、A 組合格者が優先ですし、変数Kは、たいてい1らしいので、千葉県は学力検査(入試本番)重視の県といえますね。

一部修正しました。