FIREして1年も経つと何だか現役時代の思い出とかを語りたくなるのですが、まあこういうの本当は好きじゃないのにあえて書きたくて。もちろん理由はいつもの様に日本はこれでいいのかという思いからです。
製造業の技術者として歩んだ現役時代、それも開発的な事が多かったのですがその時に私の仕事を助けてくれたのは職人さん達でした。彼らは製造業の中でいわゆる「製造の人」と呼ばれる現場の人です。学歴は大半が高卒、中には中退して会社に入ってから夜間学校に通って高卒の資格を得た人もいます。そして全員男性でした。
もちろん製造現場の人全てがそういう職人ではありません。職人なんて10人に1人いればいい方なのです。そういう人達は現場の機会の限界を超えた作業をやってくれました。だから開発現場では重宝したのです。
私は現役時代にそういう実は癖が有って会社的には扱いづらい、でも力量の有る人を好む傾向が有ると言われていました。実際確かにそうです。そういう人達は新たな商品を開発する時に助けてくれたからです。なぜなら既存の範囲では出来ない事をやってくれたから。
日本の製造業が成功した理由の1つはこの職人の存在が有ったからなのですが、今振り返ってみても彼らはそんなに良い待遇ではなかったです。もっとも彼らはそれを別に何とも思っていなかった様ではあるのですが(少なくとも表面上は)。
しかし考えてみればそういう職人と普通のオペレーターが同じ待遇でいいのでしょうか?
日本企業は学歴とかそういう属性でだけ給料を決めます。その結果そういった職人はいわゆる「女の子」(*)と同じ給料レベルとされてます。ただいるだけでいい、実働せいぜい2時間/日程度の一般職と。それが令和の今でさえ。
職人の給料を上げられないのは実は女の子の給料を下げられないのと同じ事なのです。
(*)
ちなみにこの「女の子」っての、最近では65歳まで適用されます。