CMYKの作業用スペースには、「U.S. Web Coated (SWOP) v2」など、「SWOP」という名前がついているものがあります。
「ちょっと気になるけど、使わないからまあいいや」と思っている方も多いかもしれませんね。
「SWOP」は、「Specifications for Web Offset Publications」の略です。
北米で使われる印刷物の仕様ですが、それを決めている組織の名前でもあります。
ここでいう「web」は、インターネットのウェブのことではなく、「巻取紙」のこと。「web offset」は、「巻取紙オフセット輪転印刷」、いわゆる「オフ輪」のことです。
枚葉オフセットは「sheetfed (sheet-fed) offset」といいます。
「SWOP」は北米向けのもので、想定される印刷条件が日本とは異なるので、日本国内での使用には向いていません。
「SWOP」では、総インキ量(total area coverage/TAC)が300%と、日本のオフセット印刷よりも低くなっています。
つまり、スミのインキ量が多くなるということです。
デジカメの黎明期に「デジタルの写真はスミっぽい」などという汚名を着せられたのは、RGBからCMYKに変換するときに「SWOP」を使用していたことが原因でした。