待つ事を覚えるとより高い質の社交ダンスを踊れます | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

現代社会はまさにスピードが勝負と思えるほど何もかもが

一分一秒でも早く達成される様激しく動いています。

日常生活のみならず最先端のネットの世界でもより早く

物事が処理される事が求められ熾烈な競争の中に在ります。

社交ダンスを見ても同じ音楽で踊っていたとしても

かつての踊からすると日々高速化が進み音楽表現が

非常にスピーディに成って来ています。

 

踊り手達も多くの知識を身に付けるだけでなく新たに

与えられた様々な音楽表現に対応すべく社交ダンスを

楽しむと言うより如何に与えられた課題を熟して行くかに

苦慮しているのが現状とも言えます。

華やかな踊りをしている様に思える競技選手やプロは

もちろん社交ダンスを楽しもうと努力していても

実際は新たなる音楽表現や流行に追われる毎日で

次々に記憶再生の踊りをしている場合も多い様です。

 

より多くの知識や運動表現を身に付ける事は出来た

としてもこれらの踊り方は次第に一過性の踊りと成って

どんなに上手に踊って見せても次々と忘れ去って

過去の記憶と成って行くのが問題です。

社交ダンスは華やかの音楽表現を見せる事も重要ですが

個人としての豊かな人間性や音楽表現を身に付ける事は

もっと大切です。

 

どんなに時代が進んだとしても私達の心と身体はそれ程

進化するものでは無く社会的に環境的に先端の技術や

生活を行っている様に感じても実際の中身は差ほど

変わってはいないのです。

その為常に自分の中に未完成で未熟な部分が増えて来て

いわゆる見切り発車の様な音楽表現に成っている場合も

少なく無いのです。

また社会も完成品を求めると言うよりより優れた物

便利なものを求める傾向にあって社交ダンスの踊すら

踊り手の完成度よりも目新しさや奇抜さが先行する場合も

少なく無いのです。

 

技術も運動表現も優れていたとしてもただ与えられた

フィガーやルーティンを次々に熟して行くだけでは次第に

心は荒み本当の満足が得られないまま次第に踊る事が

楽しく無くなってしまいます。

心が感動を忘れ単に知識の確認や再現ばかりでは

本当の自分の心を見失ってしまう可能性が高くなります。

 

私達の心は誰一人同じではなくまた個人的にも日々変化し

片時も同じ条件でいる事を求めません。

環境が変わって行くにつれ自らが反射的に変化する事で

生きて行く様に踊る時も同じフィガーやルーティンを

踊っている時も日々その演じ方は変わって行くのが普通です。

何時も外見的に同じように演じる事は心の負担と成るだけ

でなく表現としても色あせてしまう事が多いのです。

 

誰しも自分の心は一つの様に考えるかも知れませんが

心は千差万別常に様々な感覚が渦巻いていると言えます。

何をするにも瞬時に対応してはいますがその都度確実に

熟して行くと言うのではなく心の様々な部分はそれなりに

完成度を高めるには時間が異なり全体として個人の心を

完成するまではかなりの時間が掛り更には人によっては

同じことをしていても全く処理スピードが異なります。

 

周囲の状況に合わせる為には常に見切り発車で踊る事が

普通であっても自分の様々な感性が納得し反応するまで

待てる事がとても重要です。

記憶としては理解しても自分自身の心の全てが理解するには

かなりの時間が掛ります。

人によっては一日で受け入れられる事も時には1年以上

掛かってしまう事も有るのです。

 

本当に自分の音楽表現を身に付けるには自分の心が全て

理解し感情表現できるまでの時間が多く掛かる事を理解し

自身の心が成長する時間を待てる力と勇気が必要です。

例え周囲が先に進んでいる様に感じても心を据えて

じっくりと育ってくるのを待てる方が本当の表現力を

身に付ける事が出来るのです。

 

レッスンをしていても瞬時に理解して踊れる方もいますが

何日も何週間も掛る方もいるものです。

どちらが良いと言うのではなく常に自分の心が理解する

時まで自分を待てる方が本当に素晴らしい踊りが踊れるのです。

自分自身が心から納得出来て感情を乗せて踊る事で音楽が

生きた表現と成るのです。

 

ペアで踊っている時もお相手が上手く行かなくても上手く

踊れる様に成るまで待てる事が大切です。

ただ記憶だけの踊りでは外見だけのつまらない踊りと成って

自他ともに直ぐに飽きてしまったり興味を失います。

多くの素晴らしい踊り方や音楽表現があるからこそ自分自身の

表現を身に付ける事が如何に大切であるか考えましょう。

自分が生きた踊りが出来る様に成るとどんなルーティンを

踊っても魅力的に思うが儘に踊れる様に成るのです。