スタンダードダンスに限らずラテンアメリカンダンスに於いても
ボディコンタクトをしてリード＆フォローを行う時は男女の
コンタクト面に加える力に注意が必要です。
多くの踊り手をレッスンして来ると上手く踊れる踊れないの
大きな原因がフィガーやステップと言った踊る為のアイテムを
シッカリと習得していないとか身体やレッグの使い方が悪いと
言った事ではなく男女のコンタクト面への力の加え方の良し悪し
によっている事が多いです。
シッカリとフィガーやルーティンを覚えても実際にコンタクト
して踊り出すと途端に二人の踊りは不自然と成り音楽とは
程遠い単なる覚えたステップや運動表現の確認作業と成っている
いる場合が多いです。
自分の身体が如何に運動表現を行って社交ダンスの音楽表現を
演じているかのレッスンを受けずフィガーやルーティンの記憶に
殆どの時間を割いている踊り手は残念ながら二人で楽しく踊る
と言うよりお互いの運動表現が邪魔しあって全く楽しさを
感じられない記憶の再現と成っている事が少なくありません。
ペアとして上手く踊れない原因の多くが互いにコンタクトして
運動表現を繋ぎ合う事が出来ない事に因ります。
ただ外見的に美しい上半身の継続維持をする事に注意が向けられ
直接コンタクトしている手の平や指の運動がお相手の運動表現を
感じたり自分の運動を伝える様に使われていません。
幾ら外見的に美しくとも手の平や指の運動がコンタクト面を通し
意思表示が出来なければペアとしての踊りとは成りません。
上手く踊れない踊り手の多くのハンドグリップやショルダー
コンタクトが普段物に触れたり掴まえたりする行為と
何だ変わらないのが問題です。
ボディコンタクトと共に指や手の平のコンタクト面はお相手の
全身の運動表現を感じ取るセンサーの役割が必要です。
指や手の平の接触部分に力を入れるだけのコンタクトでは
一体どの様に演じたら良いかリード＆フォローをしたら
上手く踊れるかが解りません。
手の平や指のコンタクトはお相手との接触面を維持し
形を保っているだけでは意味を成しません。
先ずコンタクト面は単なる接触面ではなくその面を通し
お相手の音楽表現を感じる事が出来なければなりません。
その為には接触面に強い圧力を加えたり密着したりすると
指先や手の平の神経は麻痺を起こし脳へお相手の情報を
伝える事が出来なくなります。
手の平や指はお相手を掴まえるのではなく上体の運動により
小刻みに触れたり離れたりして情報収集に努める事が大切で
接触面は非常にソフトであることが重要です。
そしてこのコンタクトは手の平や指の周囲の筋肉の力で
行うのではなく肩甲骨からの上体の運動の先端で有る事が
とても大切です。
お相手のショルダーを手の平と指で捕まえる女子の左手も
男子が女子の背中に回した手の平でコンタクトする方法も
自分の背中側の肩甲骨からの運動によって成されます。
全く上体を動かさないで固定して踊るのではなく常に互いの
ショルダーやハンドが背中側の筋肉と連動して動いています。
ホールドを固めて上体を固めて踊る事が如何にナンセンスで
旧態依然の踊であるかが解ると思います。
特に男女共ボディの左サイドのリバースのローテーションを
行う時の運動は重要で左手のコンタクト面の力が左肩甲骨が
左後方に動く事で伝えられます。
イメージとしてはハンドコンタクトは捕まえると言うより
お相手の手や指を引っ掛けて踊っている様に感じます。
この事は野球のピッチャーがボールを指で握らないで
引っ掛けている様にして投げたりバッターがバットを握らず
これも引っ掛けて掴まえてプレーしている事と同じです。
手の平はお互いに掴まえている様に見えるかもしれませんが
背中からの運動によって互いの手の平が離れ手の甲が自分の
背中方向に動いているのです。
ホールドも手の平のコンタクトも一曲を通して動き続ける事で
外見的には端正な美しい姿に見えているのです。