社交ダンスを踊る時テクニックとしてボールで立つ事を
習います。
ボールとは足の指の手前のしっかりと体重を掛けたり床を
押したりと体重が非常に強く加わる部分です。
その先に五指が有るのですがボールで立つ時はこの五指は
ボールのバランスを助けはしますが優先的に体重を支えたり
床を押したりはせずボールバランスで立っている時は五指は
ボールをサポートします。
しかしながらボールで立つ時に五指の方に力を入れている
踊り手が多く指先に力を入れる事に因り体重が五指寄りに
成ってしまい指が縮み常に緊張を強いられます。
ボールとヒールは体重を支える上でとても大切な部分で有り
互いに体重をやり取りする事で上半身が様々な方向に動き
自由な運動表現を生み出す事が出来ます。
ボールとヒールが互いに重心移動をする事で足の裏の緊張
弛緩を繰り返しその運動を下肢全体に伝えています。
その為次第に土踏まずが形成されアーチを成した足裏の
筋肉がしっかりと床を掴まえる事が出来るのです。
またトウライズはボールからさらに五指に重心が移り
前後の運動が上方への運動表現と成ります。
この重心移動の強さによって五指全部が使われたり
時には親指がしっかりと体重を支え力強い上方への
運動を生み出します。トウに上昇しながら体重が移ると
バレリーナの様なその場の美しいトウライズに成ります。
しかしながら指の上に重心が上昇すると前後の運動が
止まってしまい滑らかな前進や後退の運動に成りません。
自由に重心を前後のスウィングした足に移動させるには
ボールとヒールのバランスをしっかりと理解する事が
とても重要です。
重心がボールとヒールの間を行き来する事に因って
ムービングフットが自然に大きなスウィングを作ります。
特に女子はヒールが高いダンスシューズを使う事が多く
自然に五指に体重が掛かりやすく上手くスウィングが出来ず
意識的にレッグを振る事で唐突な運動表現に成りがちです。
前方に振り込まれたフットが床をキャッチした時足の裏は
すぐさま足の指で床を掴まえるのではなくボールとヒールで
床をキャッチしながら重心を立ち脚に引き付けます。
その時五指はボールの動きを補佐しますがあくまで体重は
ボールからヒール迄の間にある事が重要です。
更に重心が立足の上を前方に移動する時反射的にしっかりと
五指が床を掴まえボールと共に床を強く後方へ押しやります。
この運動は殆ど反射的に出来る事からわざわざ床を蹴ったり
押し下げたりはしません。立脚で床を蹴って踊ろうとする方は
床に体重が乗った時五指側に力が入っていて最後にボールを
使って床を強く押すと言う動作をしなければ重心が前方へ
スムーズに移動しません。
前方に振り込まれた足のヒールが床をキャッチした瞬間
ヒールを起点としてボールと五指がしっかりと前方にストレッチ
される事で先ずボールが床を掴まえ重心が立脚に引き付けられ
るにつれて指先も床をキャッチする運動と成るのです。
最初から指先に力を入れて支え始めるとボールからヒールへの
足の裏の筋肉が上手く使えず上体の滑らかな運動表現が出来なく
成ってしまいます。
普段座っている時など足に体重が掛らないときはボールから
五指をしっかりと伸ばし広げられる様にストレッチする事が
とても大切です。
普段靴を履く事で五指が殆ど役割を果たさないのが現代人と
言えるのですが手の平全体で大きくものを掴まえる時の様に
指先を伸ばしてボールとヒールをしっかりと感じ反射的に
五指を収縮させ物をキャッチすると言う事をイメージすると
社交ダンスだけでなく様々なスポーツに於いて安定した
運動表現が出来る事を知って欲しいです。