社交ダンスと言わずスポーツの多くは体重が自分自身の
パフォーマンスに大きな影響を与えます。
格闘系のスポーツに於いては体重の重さによって勝敗が
左右される事も有って対戦が細かくクラス分けされている
場合が少なくありません。
直接のアタックによって勝敗を決める場合は如何に体重が
重いかが勝利に大きな影響を与えます。
体重が重ければ筋肉量も多く自分の攻撃を強化する事も出来
少しでも体重を多くして対戦力を高めるかを考えます。
社交ダンスに於いても体重は大きな影響を与えるものであり
少しで軽く自由に動ける事がより美しく踊れるものと考え
多くの踊り手が痩身に励むことと成ります。
しかしながら体重が軽くなったからと言って社交ダンスが
思い通り楽しく踊れるとは限らず自らは軽快に楽しく踊れている
と思っていてもお相手にとってはとても重く踊り辛い事もあり
体重を軽くしたからと言って上手に踊れるとは限りません。
また見るからに体重が重そうな体格をしていても実際に
踊ってみるととても軽くて踊り易い方もいるものです。
社交ダンスに於いて外見的な印象としては痩せていて
美しいプロポーションの方が上手に踊れそうですがかなり痩せて
スタイルが良い方であってもお相手にとっては重く感じられ
ペアとしては余り良い踊りと成っていない事は多いのです。
社交ダンスを踊る時実際の体重はその方の運動表現によって
お相手にとって重くも軽くも感じられるものです。
何故体重が重くても軽く感じられるかというのは踊り手が
如何に自分の体重を上手く動かしているかに掛かっています。
どんなに重そうに見えても自らの体重をしっかりと動かし
お相手の運動表現と同調して踊れる方はとても踊り易く
体重が自由に動く事でお相手にとってはとても軽快に軽く
感じられるのです。
また体重が有る方が重心を的確に動かしお相手をサポート
する事が出来るとお相手は自分の能力以上のパフォーマンスが
出来る事も有り一概に体重が多い事がマイナスとは言えません。
反対にとてもスリムで美しい身体をしていても自分自身の体重を
動かさないで手先や足先で踊ろうとする方はとても重く
お相手にとっては踊り辛い方と成ってしまいます。
エキスパートの踊りを見ているとかなり痩せているペアが多く
痩せる事で上手に踊れると思いがちですが彼らは激しい練習で
痩せているのであって重心を互いにしっかりと動かしているから
より美しく軽快に見えるのです。
重心を動かし大きな力を生み出して競うのが綱引きですが
手と足を固定して腰を後方にしっかりと下げていると思います。
無意識に誰でも同じ運動体形を取りますが私達は大きな運動を
行う時は重心を動かす事で力を生み出そうとしているのです。
社交ダンスを踊る時も上半身のコンタクト面や床に対する様々な
ステップは重心を動かす事で作用するのです。
コンタクト面に直接力を加えるのではなく重心が動く事で
間接的にホールドが生まれ床への力が生まれるのです
自分の知っている様々なフィガーやルーティンを踊る時
如何に自分の重心を動かしているかを感じる事は大切です。
上手く重心を動かすとお相手にとってはとても踊り易く
楽しいリード&フォローと成るのです。
コンタクト面は力を加える部分というよりお相手や床を感じ
反射的に自分のパフォーマンスを生み出す大切な接点で有り
ペアの心が通う場所でも有るのです。