リードは良きフォローを受ける為に、フォローは良きリードを受ける為に | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

男女がコンタクトして運動表現を行う社交ダンスに於いて

最も大切な事はリード&フォローであるとも言えます。

シングルで踊るものであるならば自分の事だけを考えて

美しく豊かな表現を目指せば良いのかも知れませんが

ペアで踊る社交ダンスはコンタクトする事が最大の特徴

とも言え自分だけの感覚で踊ろうとするとコンタクト面が

互いの意思の疎通の場と成るはずが諍いの場と成ってしまい

どんなに頑張っても楽しく思い通りには踊れません。

 

踊り手のほとんどが抱えている問題が上手くコンタクト出来ず

互いの運動表現がお相手を苦しませその結果自らも思いとは

裏腹の運動表現と成っています。

しかしながらコンタクト以前に社交ダンスのレッスンの多くが

男女別々の運動表現でステップワークを教えている事から

知識が増して自分の身体が習った通り演じようとすればする程

コンタクト面には異常な緊張が走り上体の美しい形を保ったり

ペアとしての繫がりの有る音楽表現が難しくなっています。

 

その為如何に互いの意思の疎通を増してトラブルなく踊るか

と言うのが社交ダンスを楽しく踊る大切な条件と成ります。

フィガーや運動表現を習うと共に互いのリード&フォローを

教えられるかとは思いますがリードもフォローも一方的で

男子がリード女子がフォローと未だに半世紀前の教えしか

習っていない踊り手が実に多いです。

 

問題はどちらの運動表現も自分自身のテクニックと捉えていて

お相手が如何に感じ取り更なる動きに変えて行くかが解らず

どちらも自分の主張しかしていない事です。

リードは男子が行いフォローは女子が男子の動きに反応して

踊って行くと言うのは男子が中心と成り女子が補佐的に運動する

遠い昔の主従関係に過ぎません。

社交ダンスは男女が協力し合って流れる音楽をいかに美しく

表現するかにあり女子が美しく衣装を纏っているのは女子の

音楽表現がペアとしての中心と成っているからです。

 

男子は如何に女子を美しく踊らせるかを考え自らの技術は

女子をより豊かな表現に導くかに有ります。

しかしながら男子の運動に女子が付いて行くだけの踊りでは

その目的は到底果たせず男子の動きに後から反応する女子が

上手く踊らせることが出来ない衣装を無駄に動かしている

だけの踊り手も見ている人達も感動とは程遠い踊りと成ります。

 

リードはお相手にどの様に演じて欲しいかを自らの身体の

運動表現を持って伝える事でありその目的はお相手が反射的に

より快いフォローが行えるようにするまでを意味しています。

当然力を持って動かしたり演技を強要するものでは無く

お相手がより豊かな音楽表現が出来る様にするものです。

 

またフォローはお相手の運動表現についていくだけではなく

リードを通じて如何に踊ったらお相手にとって更なる踊りが

思い通り楽しく出来るかを考える事が重要です。

この行為は男女どちらが受け持つと言うのではなく互いに

コンタクトして踊っている限り常に発生する運動表現で有り

リードとフォローは男女共に行う事が大切です。

 

余りにも技術差が有ったり体力差が有ったりして個人的に

お相手と対等に踊る事が出来ない場合は致し方ないとしても

ペアとしてある程度ルーティンを組んで踊れる様に成れば

コンタクト面でお互いの思いをしっかりと感じ取る為にも

正しいリード&フォローを行えることが大切です。

この時何を行いどの様に演じたいかを感じるだけでなく

その日のコンディションやお相手の持っている運動能力を

把握する事も重要です。

 

いつも一緒に踊っている方とならば良いのですが初めて

お相手する方と踊る時はリード&フォローの質が問われます。

踊った後もう一度踊りたいと思わせる様なやり取りが理想です。

身に付けた多くのフィガーや運動表現が自分の心と身体を

しっかりとお相手に伝える為にも常にお相手の事を気遣い

ペアとして最も適切なリード&フォローが出来る事が

誰とでも楽しく踊る大切な基本とも言えるのです。