スポーツに於いて如何に緊張をしないで自分のパフォーマンスを
するかがとても大切な事は誰しも知っている事ですが、如何に
力を抜いたらいいか解っていない方がとても多いです。
筋肉を脱力して柔らかい状態で演ずる事だと思っている限り
常に無駄な緊張から逃れる事は出来ません。
しっかりと身体を使う事と共に運動表現を思い通り行うには
筋肉を如何にリラックスしたら良いかを知る事が大切です。
ただリラックスと脱力とは全く違っています。
力を抜いて運動しろと言えば単に脱力してしまう方が多く
かえって上手くパフォーマンスが出来なくなってしまいます。
では社交ダンスのみならずスポーツの世界に於いて
素晴らしい運動表現を行っている選手たちが力を抜いて
脱力しながら演じているかと言えば柔らかい動作をしている
と思える部分は普通の人がしっかりと緊張をした時よりも
遥かに固く筋肉が収縮しているのです。
例えば力士の身体は太っていてブヨブヨしている様に外見的に
思えるかもしれませんが何もしていないときであっても彼らの
お腹も足もまるでコンクリートや木の幹の様に固いのです。
しかしながら戦っている時は大きな筋肉の塊が動く事に因り
まるで柔らかい脂肪の様に見えてしまうのです。
リラックスして演じると言う事は部分的な脱力で有ったり
身体の一部の部分を弛緩させて踊る事ではないのです。
全身に繋がる運動機能をお相手と音楽に反応させて踊る事で
パフォーマンスは音楽性を生み出しとても豊かな感情表現に
見えるのです。
上腕の力だけで作ったホールドは重心が動いたりお相手と
やり取りをしただけで簡単に崩れてしまいます。
どんなに力を入れても運動表現を邪魔するだけでますます
難しい踊りと成ってしまうのです。
上肢と下肢をしっかりと繋いで互いの運動機能で作った
ホールドは例え踊っている時大きな力が加わっても
変形したり硬直したりする事が無く常に音楽とお相手に
気持ちを向け続ける事が出来るのです。
崩れる部分をどんなにトレーニングしても無駄で有り
部分的な緊張はその周辺に凝りをもたらすだけで
マッサージをしてもすぐに同じ場所が痛く成ります。
そもそもスポーツや社交ダンスで肩こりに成ると言うのは
非常に可笑しな事であることを理解してください。
部分的なトレーニングやマッサージはパフォーマンスには
百害あって一利なしと言っても良いのです。
全ての血管も神経も全身に繋がっています。
人の身体も動物の身体もその繫がりが有ってこそ
思うがままの運動表現が出来るのです。