社交ダンスやスポーツが思い通り出来ない方に見られる
共通の運動は対象物や人に対して引く力よりも押す力が
優先している傾向が有ります。
先ず上半身の左右のショルダーの運動はお相手側に向かう
方向に力が働いている事が多く、男女共にお相手を押す
動作が優先しています。
特に上体で押し合う動作は男女の力がコンタクト面に対し
力を相殺するだけでなくお互いの上体の緊張を生む事になり
思い通り上半身の運動表現が出来ず、反射的に行うべき
下半身の運動がステップごとに意識を持って力を入れて
演ずる事と成ってしまいます。
上半身の運動の基本は脊椎バランスを保ちながら左右の
肩甲骨周囲筋の運動が下半身に伝わる事で思うが儘下肢を
動かす事が出来るのです。
互いのお相手に上体の力を与え合う事で、いわゆる格闘技の
せめぎ合いの様な運動と成り、常に重心が遠ざかり合い
自然なレッグのスウィングが無くなっているペアが多いです。
上半身の基本的な運動は左右の肩甲骨とショルダーを通した
下肢への運動伝達で成され、前方の床をキャッチした脚が
床を引き付け重心を前方の足に運ぶ為に後方への運動を
肩甲骨に意識を持って行います。
すると反射的に反対サイドの肩甲骨を伴った運動が下肢の
筋肉を強く床を押したりお相手側にリードやフォローの
運動を創り出します。
見ている人はこの運動を視覚的に感じて上半身で押したり
体重を進めている様に感じるのです。
お相手や床に対する強いプレス運動やプッシュ運動は
反対サイドの運動機能が背中後方に使われる事に依って
生れるのです。
解りやすく言えばバッターやゴルファーの上体の動作は
進行方向のショルダーを伴った下肢の運動が後方に働き
その繋がりから後方にあるショルダーや下肢が地面に対し
強く使われると言う事です。
右利きのゴルファーやバッターはクラブやバットを振る時
左サイドの運動でスウィングを行なう理由でも有ります。
社交ダンスを上手く踊れない方やバットやクラブが
思うように振れない方の多くは両腕を同時に振っていたり
反対側のボディサイドで演じたりしています。
社交ダンスに於いても両腕を左右にしっかりと広げて
踊っている方や両腕を同時に動かそうとしている方は
自らの運動機能を使えず苦労が絶えません。
押す行為は引く運動の結果生れる事を知りましょう。
先ず運動の始まりはどちらかのサイドの後方への
ローテーションから始まります。
前進であろうが後退であろうがこの原理は共通で有り
この運動が男女の自然なコンタクトや運動表現を
生み出しているのです。