正しいリード&フォローは教える立場の方の必修項目 | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

これまで習う立場の方がより的確に正しい音楽表現を

身に付けられる為に多くの課題を説明して来ました。

社交ダンスが上手に楽しく踊る為にどの様な練習をし

知識を身に着けたら良いか、自らの運動機能をどの様に

使ったら良いかのブログを多く書いてきました。

今回はずっとなおざりにして来たもう一つの大きな問題

つまり教える立場の方々が身に付け成ればいけない事を

述べてみたいと思います。

 

メディアの発達も有り世界中から素晴らしいコーチャーや

デモンストレーターが来日し、社交ダンスの世界は華やかに

進歩して来ました。

美しい衣装を身に纏い最新の運動表現で踊るペアの姿は

芸術的スポーツの頂点とも言える程素晴らしいです。

多くの若い教師が育ち生徒達に社交ダンスの素晴らしさを

伝えているのですが、実際は残念ながら教える側の思いとは

裏腹に習う生徒たちは思い通りに踊る事ができず、ただ

与えられたその日のノルマを熟し、ステップやフィガーを

記憶する事に専念する毎日です。

 

例え運動表現を習ったとしても、それはあくまで教師の

頭の中の知識に過ぎず、習う生徒たちの其々の思いを充分に

満たす物ではなく、本当に自分の心と身体が作り出した

音楽表現を楽しむまでには至っていません。

どんなに素晴らしいフィガーを習っても、プロが演ずる様な

音楽表現を覚えてもそれは所詮もらい物の運動表現で

頭の中の知識の再現に過ぎず、習った通り間違いなく踊る事が

社交ダンスが上手に成る事と思っている生徒が実に多いです。

と言うよりも教師自体も自分の社交ダンスの能力をランク付けや

競技会の採点ポイントの数でしか判断が出来ず、本当の自分の

音楽表現を見つけられず常にコーチャーや新しいルーティンの

踊り方を再現する事にしか喜びを感じなくなっています。

 

この事はレッスンに於いて生徒に対する教え方にも繋がって

自分の頭の中の知識をそのまま教え込もうとする方が多いです。

社交ダンスで一番大事な事は、一人一人の心と身体が本当に

満足できる踊り方を教える事です。

成長の度合いによってその日のコンディションによって

生徒の心と身体は常に変わっているのです。

コンタクトする事に依って言葉のやり取りをする事に依って

常に唯一無二の一人一人の気持ちを理解し生徒の心と身体を

察する事が社交ダンスを踊る一番大切な教師の能力なのです。

 

教師資格は少し努力すればだれでも得る事が出来ます。

ベテランの教師がビックリするほどの知識と運動能力のある

若い先生も多く居ます。

しかし教師としての本当に大切な能力を備えている教師は

ほんの僅かである事も事実です。

自分の持っている社交ダンスを踊る為の多くの知識やアイテムが

お相手によってどの様に変えられるかを説明できない方も

少なく有りません。

 

この事は新人の先生の問題ではなく、メディアに登場する

トップクラスの教師でさえ困った方がいるのも現実です。

戦後多くの素晴らしい欧米の踊り手やコーテャーが来日し

世界のトップクラスの技術は身に付けたものの、社交ダンスを

踊る本来の目的やペアとしての正しいリード&フォローを

心と身体の観点から理解出来てない踊り手が多すぎます。

 

これは習う側と言うより教える側の問題でも有るのです。

社交ダンスは何年何十年踊っていたとしても、常に男女が

心と身体が生き物として変化しているのを受け止めなければ

自分の身に付けた技術も運動表現も単なるパワハラに成って

心から楽しむ踊りにはならないのです。

例え技術がハイレベルで有っても、踊るお相手に対して

最も適切な運動表現として演じられなければ成りません。

黙って俺に私の言う通りに踊れ、と言うのは遠い昔の

発展途上の時代の踊りです。

 

もしこの文章を読んで腹が立つようでしたら

社交ダンスはあなたには向いていません。

格闘系のスポーツに移られる事をお勧めします。

踊ると言う事は多くの事をお相手から教えられる事を

知りましょう。どんなお相手と踊っても心からお相手を

楽しませるにはどうしたら良いかと考えていれば

殆どの問題は解決します。