社交ダンスを踊る人は誰もが上手に楽しく踊りたいと
願うものです。
その為には練習場に通ったりダンス教室でプロに習ったり
自らの運動能力を増すためにジムに通ったりと努力を
重ねている方々が多いと思われます。
その願いが強い方は多くの知識を身に付け必ずや思うが儘に
社交ダンスが踊れると信じて疑いません。
しかしながら誰からも称賛されるような楽しい社交ダンスが
踊れる方はほんの一部で有り、多くの方は思う様に演ずる事も
社交ダンスの楽しさを充分に味わう事も出来ません。
多少なりとも先生や周囲の方々とは踊れても、自分が描く
美しく楽しい音楽表現が出来る踊り手になるのは至難の業
とも言えます。
とは言うものの、やはり頑張っただけの喜びは得たいものです。
その為には、出来るだけ短期間にその思いを遂げたいと誰もが
思うものです。
多くの方が社交ダンスを思うが儘に踊りたいと頑張るも
中々期待したほどの成果が得られないのは、決して努力が
足りないとか知識が不十分だと言う事では無く、多くの場合
持ってる技術や運動機能が十分に使えていない事に因る事が
原因と考えられます。
少なくとも日本で社交ダンスを習う方の知識や運動能力は
世界でも秀い出ていて、欧米のアマチュアの方よりも遥かに
多くの知識を身に付けている一般の踊り手も少なく有りません。
では何故思う様に踊れないのでしょう。
その原因は、実は貴方の知識や運動能力に有るのでは無く
ペアとして踊る時の目の前のお相手から感じ取る情報が
余りにも少ない事が挙げられます。
日本人は対人的に触れ合いながら踊ると言う事は生活習慣に
ハグやキスが無い事も有り、お相手と接触する事が難しく
社交ダンスを踊っていても身体が触れているのに心は
別の所に在る方がとても多いです。
シャイな事も原因とも言えるのですが、コンタクトして
お相手の情報を得ると言う事に慣れていません。
しかしながら、社交ダンスはお相手の情報を常に感じて
踊っていないとどんなに知識や運動能力があっても
楽しくは踊れないのです。
踊るお相手に心を向けて、如何に踊ったら良いかを感じる
習慣を身に付け、コンタクトする意味をしっかりと理解
する事が自分の技術やステップを生かす最も大切な事で
有ると気が付く事が大切です。
欧米の方々は普段から握手をしたりハグをしたりして
その日のお相手の心と身体を知る習慣があります。
その習慣が社交ダンスを自然に楽しく踊れる様にして
いるのです。
どんなステップを使てもフィガーを使っても誰と踊っても
楽しく踊れるには常にお互いにお相手からの情報を感じ
自らの運動表現を決める事がとても重要です。
簡単なステップを踏みながらもお相手のボディやホールドから
生の情報を得る努力が大切です。
この事は普段の生活を行っている時もとても重要な感覚で
社交ダンスがマナーの育成に使われて来た理由でも有るのです。