近年私達は毎年様々な災害に見舞われ、生きて行くだけでも苦しい
苦悶の時代に居ると言えます。
その原因の多くは人類の地球環境に対する横暴である事は明らか
と言えるのですが、そうとしても少しでも健康で幸せな人生を
送りたいと思うものです。
生活するだけでも精一杯という人も多く、衣食住だけ満たされれば
それで十分とする考えも有ります。
コロナ禍の中に在って、誰もが元の生活に戻ってくれる事を
望んでいます。
しかし、この苦しい毎日が過ぎ去ったとしても、私達は食べて
行くだけでは心から幸せを感じる事は出来なくなるのです。
生体を維持する為の食料を得る事は大切ですが、それ以上に
心の栄養が途絶えない様にする事が重要です。
ストレスを感じない心から快適に感じる毎日は、日々自分の
周囲の人々や環境との関わり合いを豊かにする事に依って
得られるのです。
様々な文化活動は私達の心の豊かさ平安を生み出し、
互いに協力し助け合う事に依って生み出されます。
ソーシャルディスタンスを余儀なくされる毎日であっても
この私達人類が育てて来た文化芸術の流れを途絶えさせては
ならないのです。
その一環でも有る社交ダンスは、現在最もその存在が危ぶまれる
芸術的スポーツと言え男女が如何にコンタクトして互いの思いを感じ
素晴らしい音楽表現を創り上げるかを目的として踊られる為、
今の社会情勢は極めて強い逆風の中にあると言えます。
現在多くの大衆の前で演じられる様々な文化芸術活動は
風前の灯と言えます。
多くの人々の前や中で自分達のパフォーマンスを演じて来た方々は
生活が出来なくなっていると言うだけでなく、自分達の技術や技を
磨く場を失って路頭に迷っているのです。
生活の全てを音楽や芸術、スポーツに掛けて来た多くの方々は
収入の場を失ってしまった以上に、自分達の思いを表現する場が
無くなってしまった事に心も身体も委縮してしまっています。
私達人類は生きる為の手段を得る為に多くの争いを生んで
来ました。
しかしながら戦いの後、衣食住が満たされる様に成ると必ず、
心の糧を得る為に文化芸術を求めて来たものです。
社交ダンスは、そんな文化芸術に大きな役割を果たし、
人々の間に幸せな空間を作る役割を果たして来たのです。
今や多くの踊り手が路頭に迷っています。
また、社交ダンスを愛する沢山の人達がソーシャルディスタンスが
大きな壁と成って思うが儘に踊れず苦しんでいます。
どんなに素晴らしいテクニックを持っていても社交ダンスは一人で
表現する踊りでは無く、常に男女が深く関わり合い生み出す
芸術的スポーツです。
社交ダンスの灯を消してはならないのです。
社会の潤滑油としてマナーの一環として人々の心を癒しより高度な
文明を築き上げる為には不可欠の文化と言えます。
いつかまた自由に触れ合い互いの思いを感じられる社交ダンスが
復活する事を心から願わざるを得ません。