年の瀬とも成りますと、仕事も家庭も慌ただしく成り
新年に向かって心も身体も落ち着かない毎日と
成りがちです。
年が明けると生活が一変すると言う訳では無いのですが
慌ただしさの中で一年を振り返り、新たなる気持ちで
新年を迎えたいと思うのです。
年の初めに、今年こそはと夢を掲げた方も多いかと思います。
より豊かで幸せな年になるべく気持ちを新たにしたのですが、
振り返って見ると、仕事に於いて生活に於いて様々な変化が
有ったにせよ、自分自身が一人の人間としてどれ程成長したか
と問えば、毎年の事ながら胸を張って即答はできません。
と言うよりも、様々な計画を立てるものの、思った様に
実現できたことは本当に少ないと言えます。
環境が変わったり新たなる挑戦をする事で、自分自身の考えや
行動は変わったとも言えますが、本質的な部分は差ほど変わらず
自分が評価する以上に周囲からは、一年前と変わらない対応で
自分自身が成長する事は如何に難しいか教えられます。
本業である社交ダンスも、数十年に渡って踊り続けたにも関わらず
その事で自身の人間としての価値が上がったかと言えば、
残念ながら、己の能力の無さを知らされる事ばかりで、
心躍る成果よりも自分自身の無知無能を確認するばかりでした。
私達人間は集団で生活する事も有って、常に周囲の人間と比較し
自分の考え方や行動の良し悪しを決める傾向にあります。
その為、自己判断が非常に曖昧であり、それが正しいとする時は
周囲の人達に多く賛同されて初めて自覚すると言う有様です。
社交ダンスを踊る時も、自分の踊りの良し悪しは、基本的に
テクニックやステップ、更には運動表現で正しいとされる方法で
演じて初めて認められる為、自分では正しいと思っていたとしても
大方の評価が悪ければ、間違っていると判断しなければならず、
いかに周囲の判断に左右されるかが解ります。
その時の大衆の評価基準が正しい判断とされ、本当に自分にとって
ペアにとって的確で正しい踊りであるかは決まらないのです。
多くの人々が、または社交ダンスを踊る人達が認めた踊りが
基準と成ったのであっても、その踊りがペアにとってベストの
踊りであるとは言えません。
振り返って見ると、かつて否定された踊り方やテクニックが
月日が経てば、社交ダンスの踊り方の基本と成っていたり、
見向きもされない様な音楽表現が、今では多くの人達に
持てはやされれている事は珍しく有りません。
かつての非常識は今の常識である事も多いのです。
この事は、人間の生活におけるあらゆる場で経験する事で
人々の暮らしに変化をもたらすと言うより、生活常識を覆す
異常事態とも言えるのです。
多くの方が関心を寄せる健康法や食事法は、その道の医者や
エキスパートがメディアを利用して、かつての自分の発言を
簡単に覆し全く反対の方法で推奨する事を見ても、
本当に正しいとする世の中の常識と言うのは
存在しないのではとさえ思われます。
世界の様々なエキスパートから社交ダンスの踊り方を習っても
同じフィガーの踊り方が人によって全く違っている事が多く
例え同じ方に習っていても、数年もしない内に本人が常に
否定していた方法を堂々と教えている事も少なく有りません。
一体何を信じて覚えて行けば良いのか、随分悩んだ時期も
思い出されますが、今思えば、正解が一つであると決める事や
正しい事はいつまでも同じであるとする方が間違っていると
考える方が妥当であるように思えます。
正しい間違っていると分けて考える事が物事を難しくしていて
何かに固執して考えてしまうと、自分自身の考え方も行動も
難しく成ってしまうと言えます。
社交ダンスの踊り方も、基本的な知識を身に付けるとしても
その知識は常に変化し続けると言う事を知っていなければ
社交ダンスを上手に踊る事は出来ないのです。
日々の変化に対応できる力を身に付ける事が、日常生活や
仕事をする時だけでなく、社交ダンスを踊る時も大切なのです。
今や情報溢れる時代なのですが、その情報を利用して
自分自身の考えや行動に変化を与え続ける事が重要です。
この心と身体をダイナミックに成長させるのが、自分以外の
物や人に対する反応です。
一番大切な機能とは、外界に対する的確な判断力とそれに
伴う行動や運動と言えます。
その結果はその時の周囲の状況によって認められたり
否定されたりするのですが、それは時代の判断であり
自身の人間的価値には何だ関係無いのです。
的確に反射的に反応し考え行動出来れば、生きている上で
何も不安は無く、常に自分にとって最も相応しい生き方と
成るのです。
一年の間に一体何が出来たかと言うのは、一年で判断する
と言うものではなく、その判断はずっと先まで生きている限り
評価が変わって来ると言えるのです。
一番相応しくないと思われる事は、何事も他人任せであり
与えられたものを何んの疑問も持たず自分の考えや行動と
してしまう事です。
自分自身の判断が行われない事で、他人の考えや行動が
自分の身体と心を動かす事と成るのです。
なぜ、何をしても楽しく無いのか否定的考え方に成って
しまうのかは、自分自身の心の反応を止めてしまっているから
と言えるのです。
私達は何をしても、喜び、つまり満足が得られるのです。
自分自身の心と身体が判断して考え行動していれば、
結果はともかく心と身体は気持ち良く成る様に出来て
いるのです。
もうすぐ元旦です。一年の計は元旦にありと言いますが、
どんな計画でも望みでも描く事が大切で有り、更に言えば
自分自身で実行体験すれば、必ず自分の人生にとって
幸せをもたらす一年と成るのです。
社交ダンスを上手に成りたいと言うのではなく、誰でも
上手に成ったと納得できる日がやって来るのです。
自分自身の何を信じたら良いか、信じる事が如何に大きな
力と自信を生むかを知って欲しいです。