私達は、普段から何をするにせよ、歩くことが
生活の基準となっています。
立ち歩きを始めた幼児の頃から、高齢となって
足腰が不安と成ってくる時まで、歩くことが
生きて行く上での重要な位置を占めています。
大人になれば誰もが苦労なくしっかりと歩けると
思っていますが、特に日本人の多くは、歩き姿が
余り美しくなく、年齢に関係なく立った瞬間
頭が前方に出て、腰が引けて、膝が曲がっている
典型的な外見と成っています。
この姿は、外見的な問題と言うより、身体に与える
悪影響が多々在り、この姿勢で日常生活を送れば
いずれ足腰に障害を起こしたり、スポーツを行えば
思い通りに身体が動けないと言う事に成るのです。
技術的な問題は、日本人の歩行動作が、歩いたり
走ったりすることにあまり長けていない事です。
地面や床の上を歩く時、前進した足の上に体重を
乗せる時、欧米人と体重の支え方が異なっています。
日本人の歩き方は、昔から突っ掛けやサンダルで
歩くように、指先やボールに力を入れて歩く事で
踵が浮いた状態で次の足を振り込む傾向があります。
足を前方に振り込むには、背中側にバランスを持ち
頭骨やショルダーの重みが背中側でコントロールされ
自然に次の足が目的の方向に振り込まれなければ
立ち足の重心がスムーズに移りません。
日本人の歩き方が、見た目せわしなく小股に成るのは
このバランスの取り方が悪いことに有ります。
社交ダンスを踊っている時も、正しくウォークが出来ず、
普段のままのバランスで、上半身を無理に反った状態で
ステップに乗っている方が実に多く、上半身が前方に
突っ込んだ踊りとなっている事で、後足が残りやすく
ムービングフットがサポーティングフットが同調できず
音楽に乗れず不自然な踊りが多く見られます。
この時一番の問題は、上半身の重みが立ち足の指や
ボールに掛かり、膝と腰に大きな負担が掛かる事です。
肩凝りや視力障害の原因と成りやすいのです。
社交ダンスを踊っていて肩が凝ったり、腰を痛めたり
苦しんでいる方は、踊り方以前に正しいウォークを
学ぶ事が必要と言えます。
欧米の方やアフリカ系の方がたとえ高いヒールを
履いてたとしても何の支障もなく自然に踊れるのは、
彼らが常に脊椎バランスで歩き、何の支障もなく
前方に足を進める事が出来るからです。
日本人の踊り手の多くが、その姿を上半身を
反らせたり歩幅をやたらと大きくしたりして
外見だけを綺麗に見せているのが問題です。