社交ダンスと共に生きる人生 | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

私が社交ダンスを踊り始めて、既に40年以上になります。
始めは、ほんの軽い気持ちで踊っていたのに、どんどん
のめり込んで、資格テストを受ける様に成り、競技会で
踊るように成り、いつの間にかにプロの世界へ入って
今に至る様になりました。

アマチュアの時も、プロになって競技会やデモの日々に
追われている時も、それなりに精いっぱいの努力を続け
何とか辞めずに踊り続ける事が出来ました。
幾度となく致命的な怪我を追い、仕事が続けられるか
苦難の日々も有りましたが、家族が増え、多くの生徒に
励まされながら、幾つもの山を越えて来ました。

 

かつては、如何に、世界のトップクラスの技術に迫るか
という意気込みで、誰にも負けない程の練習を積んだ事も
有りましたが、今振り返ると、社交ダンスの技術も、華やかな
競技生活も、全て、自分を成長させるものであったと
思えるようになりました。

 

成績に恵まれた時も、何度も悔しさに唇をかんだ時も、

その時々の結果と言うよりも、社交ダンスを通じて、
人間として社会人として成長させる大切な経験と成りました。
何故、途中でこの道を諦めなかったかは、社交ダンスは、

外見的な美しさや得られた多くの知識もさることながら、
人と人との関わり合い、さらには、男女其々の精神的

肉体的な大きな違いは、社交ダンスを踊るだけでなく

日常に於いても随分勉強させられました。

 

アマチュアの頃は、少しでも多くのステップを覚えて、
テクニックを身に付けて、より高い成績を得たいと

競技生活に没頭したものですが、プロになって、

世界の踊りを知り、様々な人間模様を知るようになると

社交ダンスが、なぜ、世界中の人と踊れるかが
解って来ました。

 

それと共に、外見的に美しく見えていた踊りが
思いもしない二人の運動表現で生まれていて
自分が感動した踊りを、どんなに外見的に

真似ても、同じような素敵な踊りに成らない事を

知りました。

どんなに簡単な踊りにも、男女のその時感じた

音楽とお相手との関わり合いが無いと、二人には

ストレスは溜まっても喜びは生まれないと言う、

社交ダンスの本質的な踊り方を知りました。

 

大げさに言えば、社交ダンスは、人生そのもの
と言うか人間の生き方であるように思えます。
ステップや技術を覚えればいいと言うのではなく

社交ダンスの様々なテクニックや表現を覚える

事により、人間としての生きる為の道具を
身に付ける事が出来るのです。

 

つい先日も、練習している時に新たなる発見をし

社交ダンスの奥深さを感じました。

何十年も踊っていても、また新たなる感動を

得られる事に心から喜びを感じました。

何度もつまずいたり、あきらめようかと思った日々が

辞めなければ今の感動は得られなかったと思うと

ダンスと言わず、何でも続ける事の大切さを、改めて

心から感じ、更なる感動を得たいと思う様に成りました。