パートナーがいる人生は、自分自身を知る上で
大きな力と成り、一番身近な人との関わり合いにより
更に豊かな時間を過ごせる可能性が高くなります。
私達の人生は、自分の周囲の人との心のやり取りで
より一層、人としての役割、存在意味、そして
この世に生きている喜びを感じることが出来ます。
どんな人と巡り合うかで、自分の描く人生が変わる様に
社交ダンスを踊ると言う事は、目の前のパートナーと
如何に関わるかで、踊る事の喜び、音楽の素晴らしさ、
そして、目の前のパートナーの素晴らしさが解ります。
しかしながら、自分の求めるパートナーとは、中々
出会う事が出来ません。
社交ダンスに限らず、今の時代、男女の出会いが
難しいだけでなく、二人が、お互いに結ばれる事も
更に容易でない時代となっています。
社交ダンスを踊る方々にとって、自分のパートナーを
見つける事は、ダンスを踊る以上に難しく、せっかく
社交ダンスを習っているのに、その喜びを分かち合う
パートナーが見つからない方が実に多いです。
特に、踊れる男子不足は、どこの練習場に於いても
深刻な問題であり、男子と共に踊りたい女子が溢れて
充分な練習が出来ないのが現状です。
その為、お互いにしっかりと相手の事を感じ取る
社交ダンスの大切な技術が伸びず、ただ、お互いに
自分のステップと運動表現の確認作業となっているのが
非常に残念です。
そのた為、個人的に先生に付いて、習っている方も多く
パートナーは、常に、先生や、ステップを教えてくれる方
となっている人も少なく有りません。
しかしながら、上手な人に踊ってもらえるから、技術が
上達すると思いきや、より正確な技術や運動表現を
習う事は有っても、二人の関わり合い、二人が感じる
音楽の表現方法、二人で創る感情表現など、ペアが
協力し合って創り上げる、社交ダンスに於ける
一番大切な部分を教えられない方が多く、
先生としか踊れ無い、しかも、先生が常に引っ張って
踊っている、特殊な踊りとなってしまい、先生以外と
踊れ無くなっている人も多いです。
社交ダンスは、相手が誰であれ、その時コンタクトした
目の前の人との、オリジナルの踊りを作る事が
非常に大切です。
お互いが知っている、社交ダンスのテクニックを屈指し
相手が何を求め何をしたいのかを感じながら、
相手にとって一番踊り易い運動やステップを
選択できる方が理想の踊り手と言えます。
自分の持っている技術や運動表現を、相手の心と
身体を感じ取る事に依って、的確に使い分ける事が
トラブルを生まない、一番理想的な踊りとなります。
個人レッスンなどで、先生の踊り方をコピーし、
他の人と柔軟性を持って踊れ無い方が、
キャリアの長い方に結構目立ちます。
自分が記憶した踊りを、覚えた通り行えば、
当然、お相手は、一緒に踊り難い踊りとなります。
テクニックを持っている人は、自分の踊りを
崩さない為に、必至に上体を固定して踊る事となり
お互いに顔で笑って、心は自分の事で精一杯の
非常に不自然な踊りとなってしまいます。
特に困った傾向は、先生などの上級者に習った
踊り方やステップを、まだ、余り踊れ無い方に
強要する方です。
この事は、先生と言われる方、プロを含めて、
一番気を付けなければなりません。
自分の踊りを強要する踊り手に習った人は、
自分が思い通り踊れる様になった途端、
誰と踊っても嫌われる踊りとなり、思いと裏腹に
誰からも敬遠される踊り手となってしまうのです。
理想のパートナーと言うのは、自分が踊り易い
思い通りに動かせるパートナーではなく、
相手の事を考え、相手の気持ちと運動に応じて
コンタクトを取る事に依って、育ってくるものです。
当然、最初から理想のパートナーと言うのは
考えられません。
プロと踊ると上手く踊らせてくれると言うのは、
プロが、踊れ無い生徒の事を考えて、
一方的に面倒を見てくれているからです。
しかし、これは仕事として頑張っている事であり、
プロとて人間ですから、自分の事を感じて、
動いてくれる方が理想であることは明らかです。
この様に、ペアを組んで踊ると言う事は、
誰と踊ろうと、お互いが相手の事を考える事で
お互いが理想の踊り手として成長していく
ものです。
人生の伴侶として結婚生活を送る様に成っても
最初は、お互いの事を知る事が大切で有り、
理想的な恋人の役を演じていたお相手も、
本音が次々に出てくるものです。
しかし、この時も、こんなはずじゃなかったと
思ってしまうと、もう、お互いに成長する可能性は
無くなってしまいます。
理想のパートナーは、誰と組もうと得られるもの、
つまり、二人でお互いに創り上げていくものです。
社交ダンスに於いても、外見的に理想的なペアも
中身はかなり苦労を重ねている場合が多く、
誰とて、完璧な状態で踊ってはいません。
与えられたお互いの肉体的精神的条件を、如何に
二人の理想とする物に育てて行けるかが重要です。
周囲の人間は、様々な条件を乗り越えて成長する
スポーツ選手や踊り手が大好きなのです。
理想的とは言えないまでも、何かの巡りあわせで
ペアを組むように成ったら、如何に、二人の踊りが
成長できるかが、踊り手の楽しさであり、醍醐味
でもあるのです。