近年の社交ダンスの進歩は、技術や運動の能力の進歩
のみならず、芸術性の高い、人間性を要求される様に
なりました。
もちろん、社交ダンスとしての、大衆性は大切なのですが、
芸術の一環として、人々に感動を与える事も要求される様に
進化してきました。
競技ダンスやデモンストレーションダンスに於けるスポーツ的な
躍動感や力強さも必要ですが、それ以上に、人間的に豊かな
感情表現が要求される様になっています。
振りつけられたルーティンを、ただ間違わないで踊るのではなく
その音楽表現の中に、ペアとしてのオリジナリティーとテーマが
無ければ、これからの魅せるダンスとはなりません。
その為には、ただ、記憶をたどる様なダンスの練習では、踊れば
誰が踊っても同じ様に見え、ペアとしての進歩は期待できません。
女子は、より深い音楽の理解が必要であり、自分の演技の内容が
その時流れる音楽をしっかりと説明していなれればなりませんし、
男子は、女子の感情を深く理解し、いかに、その思いを広く美しく
見ている人に伝えるか、自分が女子に対していかなる運動を
行なうべきかいつも考えている必要が有ります。
つまり、これは、社交ダンスの原点でもあり、マナーの原点でも
有るのです。
人として、男女が関わる時、いかにあるべきかの表れが
音楽表現として生かされているのです。
恋人同士、夫婦、踊るペア同士等、いかなる場合であっても
男女が二人の関わりを表す時の美しいやり取りがダンスに
表現され、人々を感動させるのです。
どんなに素晴らしいテクニックも、表現も、二人の間に
深い理解と思いやりが無ければ、単なる冷たい
機械人形が踊っているにすぎないのです。
素晴らしい踊りは、常に、二人の豊かな音楽性と
人間性を感じられるのです。