力強く見える美しい踊り方 | 社交ダンスはヒップホップよりやさしい

社交ダンスはヒップホップよりやさしい

学校教育におけるダンスと言えば,ヒップホップが主流となっていますが、社交ダンスは二人で助け合って踊ることにより誰でも覚え易く、技術とマナーが自然と身に付きます。
子供からご年配まで、踊ることにより相互理解が得られる、素晴らしい芸術的スポーツです。

スポーツが時代とともに変わって来たように
社交ダンスの踊り方も変わってきました。

30年ほど前は、下半身を重視して、ステップを
正確に踏み、上体は固定して足のバネを使って
上体を運び演技していました。

足の指に力を入れて、膝周りと太ももの前を使い
その推進力で踊っていました。

しかしながら、当時のヨーロッパの選手や踊り手は
今の踊りと同じく足首と膝と股関節を使い、脊椎に
バランスを持って、太ももの後ろの筋肉である
ハムストリングと上半身の筋肉で上体を動かして
美しい演技をしていました。

この運動は、今のスポーツ全体の基準であり
こうすることによってより柔らかい大きな演技が
出来るのです。

膝は力を入れるところではなく、下半身と上半身の
力を上手く抜くために使います。

今、冬季オリンピックでスケートが行われています。
スケートの花は美しいジャンプですが、今の選手と
昔の選手では飛び方が違います。
たとえば、昔のジャンプの名手は伊藤みどりさんです。
彼女は膝に強い圧力をかけ、そのバネを前方に投げ
飛び上る飛び方です。そして、今の名手は浅田真央さん
です。彼女は、足首と股関節で創られた強いばねを
脊椎に伝え、上方に飛び上るジャンプです。

どちらも素晴らしいジャンプですが、身体にとっていいのは
浅田真央さんのジャンプです。
社交ダンスにおいても、膝に力を入れて踊ると
上体に力が上手く抜けず、膝に大きな負担を与えます。

見た目は膝に力を入れているように見えるでしょう。
でも、スキーやスケートの選手も、社交ダンスのプロも
今では股関節を十分に使い、力を上半身に伝える
運動によってパフォーマンスを高めています。

社交ダンスには沢山の足型が有ります。
しかし、足型に向かって力を入れたり、膝に力を溜めると
上体の重さが下半身を固め、スムーズなステップが
行われなくなる可能性があります。

床に与えられた大きな力が、常に、上体の表現に
抜けていく様に踊ると、自由で美しく,怪我のない
社交ダンスを踊ることができるのです。