こころのネタ帳 -103ページ目

駅前でつかまった話

駅前で手相のひとにつかまった。
つかまったと言っても立ち止まったわけでもお話ししたわけでもビルに連れていかれたわけでもない。
決して「えっ!」なんて顔もしていない。
つかまった日はとても自分が腹立たしくなる。
私の仮説によれば彼らは顔を見て声をかけているはずだからだ。
すなわち、話しを聞いてくれそうな人、あるいは、気の弱そうな人、幸のうすそうな人、はたまた、頭の悪そうな人、言ってしまえばカモを探しているはずだ。
恐いお兄さんから老人まで節操なくイッているとは思えない。

声をかけられたその瞬間私はカモになる。
世界の中心でカモになる。
声をかけられた直後に恐い顔をしてシカトを決め込んだが、手相がなんだかんだ言いながらついてきた。
およそ5m。
距離が長いほど心のダメージは大きい。
5mを超えると致命傷になりかねない。


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バーベキューでの話

会社のイベントで年に何回かバ一ベキュ一のようなことを行う。
新入社員8年目の私は必ず準備をすることになる。
唯一の楽しみは火を起こすことなのだが決まって邪魔が入る。
というか決まってその座を奪われる。
どこからともなく知らないおじさんがやってきてアドバイスをくれるのだが、数分で「どれ、かしてみろ!」ということになる。
そこで断る理由もないのでやらせてみるともうおしまいである。
いいキャッチコピーが浮かばないがいわゆる「奉行」に早変わりする。
先日の網奉行はかなりいい奉行だった。
酒盛りが始まっても食材を焼き続け、いい仕事をしていた。
奴の焼いたししゃもは格別だった。
しかし最後までどこの部署の誰なのかは分からなかった。
きっと名乗るほどの者ではないのだろう。



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どちらかといえばツッコミだ

私がまだ義務教育を受けていた頃、友達と真夜中に集まり焚火をすることが流行っていた。
火を囲んであの娘が好きだこの娘が好きだ女子はみんな大好きだとかなんやかんや言って楽しんでいたわけだ。
その中にマリオがいた。
正確にいえばあだ名でマリオと呼ばれている奴がいた。
小柄で少し体格が良く中学生なのにヒゲが濃かった。
体育の時間はもちろん、廊下でも、彼が走るとみんなでBダッシュだ、Bダッシュだと騒いでいた。
彼はその年代にしては芸術に関する知識に長けていた。
映画、演劇などをよく見ているようだった。
揺らめく火に照らされながら、何かの拍子に彼は少しカッコをつけてこう言った。
マリオ
「僕はあれだからさ~。ウェットに富んでいるからさ~。」

(えっ、・・・。ぬ、濡れてるの?。)
「濡れちゃったよっ!それを言うならウィットだろ!」
私が今まで数え切れないほど放ったツッコミの中でもっとも古い記憶である。



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