6日目 アマランテ、マルコ・ドゥ・カナヴェーゼス、ヴィラ・ド・コンデ、ヴィアナ・ド・カステロ、サンタ・マリア・ドゥ・ボウロ、ブラガ→ポルト
朝、アマランテの街を一人で歩く。
せっかくその場所にいるのだから、ちゃんといろいろ見ておきたいという気持ちが僕を早起きさせる。
川の対岸からホテルのある一帯を見る。新市街はこの写真でいう左側に広がっており、川の手前に大聖堂と市場と旧市街がある。
市はポンテ・デ・リマのものより小さかったが、生鮮食品などを扱う普通の市に加え、服などを売るエクストラのものも出ていた。
この市で僕はお菓子&パン屋さんを見つけ、おいしい朝御飯を手に入れる。
菓子パン2つで80セント! なんて安いんだ。
これくらいを買うくらいならポルトガル語で普通に会話できるようになった。
それしかできないのかよという感じのほうが強いけど。
東大生がポルトガル語で現地の人と交流するから、今回の旅はいい語学の勉強にもなったな。
ホテル側の岸から橋の向こうの大聖堂を見る。
アマランテの景色ってポルトガルを紹介する本に必ずと言っていいほど載るんだってさ。
確かに美しい風景だけれど、これがポルトガルか?と言われればもっと「らしい」風景は他にある気がするな。
この日はシザ巡り。
まずマルコ・ドゥ・カナヴェーゼスへ。
教区センター。こちらの写真は雑誌とかにもあまりのっていないんじゃないかな?
こちらは内部に入れなかったので何ともいえず。ただ、斜面の使い方はやっぱりうまい。
内部を見せてもらって、外に出たら、一気に晴れて青い空が顔を出す。
基壇の上に建つ白いヴォリュームは青い空に映えるね。
それから、日本から持ってきた1997年建築文化シザ特集を持って行って見比べていたのだけれど、その時はこの教会が完成したばかりだったようで、屋外階段に手すりが付けられていない。
その階段を見て、僕は「手すりが付いていないということは結構幅の広い階段なんだろうし、周囲のコンテクストに対してこの階段はどう関係づけられているんだろうか。この階段は見どころだろう」と踏んでいたんだけれど、行ってみるといたって普通の階段で、手すりも付けられていて緊張感もないし、汚れも目立つ(壁には落書きがあった)し、で残念だった。
それから、あそこまでがちがちに内部を管理しなくてもよいじゃんと思ったね。見られるところはほんの少しだし、監視カメラもたくさんついているし、写真も撮れないし。ああいうやつが管理してるからこんなに早く朽ちていくんじゃないの、建物に対する愛が感じられなかったもの と皮肉の一つも言いたくなる。
結論として、この教会はすごくいいよ。内部空間への影響がそうやって外部空間に効いてくるのか、とか行ってみることで実感することは多い。
ヴィラ・ド・コンデのボルゲス&イルマオン銀行へ。
今回の旅で一番見たかったものの一つ。
日本を発つときからずっと、シザで一番いい建築はこれなんじゃないかと言い続けている。
で、見てみて、やっぱりものすごくいいよ、これは。
マルコ・ドゥ・カナヴェ-ゼスという素晴らしい建築を見た後だったにも拘らず、僕と東大生の一致した意見はこちら(銀行)のほうが細かいところまでデザインが行き届いていて、緻密で繊細で良い!というもの。
これも周囲のレヴェル差をうまく生かしている。そして、内と外の取り合い、連続性もすごい。
スロープや階段を用いた空間としての連続性、大きなガラス面による資格としての連続性、そして、mzてリアルの連続性。
この写真で見ると、「なに?そんな子供だましみたいなこと?」って思うかもしれないけれど、ところどころでなされているこういう細かい気遣いが効いてるんだよな、本当に。
裏側のスロープ。このスロープのカーブが内部1Fの壁面、そして天井面を規定していて、空間を緩やかに仕切っている。
すんごくよかったんだけれど、建築としては本当に比べ物がないくらい良かったんだけれど、一つ気になったのは周囲に対するこの唐突な感じ。
この銀行の左側の敷地があいていて、それがこの唐突な印象につながっている。
もし、設計当初はこの左側の敷地にも2or3層の建築物があったのなら全然問題ないんだけれど…
どうなんだろう。
この建築は素晴らしいけれど、この建築の完成のためには「隣の家」という一つのピースが欠けていると、そう僕は感じた。
車をさらに飛ばしてヴィアナ・ド・カステロへ
この町は街自体をもうちょっとちゃんと見たかったなという気持ちが今は強い。
よさそうな街だったもんな。でもこの町に来たのはシザを見るため。
そしてものすごくいい建築に出会うことができた。
この建築ってあまり紹介されていないんじゃないかな?だけど(前回旅行から帰ってきてのすぐのブログにも書いたけれど)、これは絶対見るべきだと思う。
言葉はいらない。ほんとにいい。難しいこと何もしていないのにこんなにも心地いい。光の入り方、スケール、マテリアル。特にスケールがすごくいい。天井の高さ、たれ壁の高さ、張ってある石の高さ、そういうすべてが心地いい。
それから、この建築を見て「カヒーリョと一緒だ」と思った。
四方が開けて、独立して建つとき、しかもかなり巨大な建築物の時、明確なファサードを作らず、むしろ消してしまうようなやり方。
これも一つのポルトガルらしさかな。
サンタ・マリア・ドゥ・ボウロ。有名なソウト・デ・モウラによるポウサーダ。
部屋を見せてもらったのだけれど、狭い。見るべきところは壁に隠しこまれた冷蔵庫と窓のディテールくらい。
窓のディテールはそうやって取り付けるのか、ロールカーテンこうつけるのか、雨水の処理こうやるのかといろいろ発見があったけれど、それ以外は特にね。
もともとが修道士の部屋だからせまいのは仕方ないのかもしれないけれど、この部屋でその値段取るの?っていう感じ。
階段の既存と新規の間にコンクリートがむき出しになっていたんだけど、こういうのはやめてほしい。こういうところまで気を使ってほしい。
普通の人は何とも思わないところかもしれないけどさ。
廊下。廊下はなかなか心地いい。
それから、個人的にはこの扉もいやだ。部屋っぽくない気がする。なんだか収蔵庫の扉みたいな。温かみがない。
レストランもいい。昔の台どころをレストランにしているんだね。新しくかけられた木造の屋根もいい。これがだんだんと汚れてくるとさらにもっと良くなるんだろうな。
最後に、こういう場所に好きな人と来られなくても別にかまわないなあと思った(僕と東大生以外みんなここに彼女と泊まったということに対する妬みも少し入っているかもしれない笑)。
だけど、子供ができたら子供を連れてきてあげたいなあと強く思った。それがどんな影響を及ぼすかはわからないけれど、子供が親の手を離れるまでは、なるべくよいものを一杯見せてあげたいし、体感させてあげたい。それが親の義務だなって、このポウサーダでビリヤードをする親子を見て思った。
さてさて、ブラガに戻ってレンタカーを返し、ポルトへと電車で移動。ホテルに着くと本田vsインテルをやってる。
テレビをつけて5分もしないうちにインテルが得点を挙げる。お店でも流れてるだろうとご飯を食べに行くと、バルサvsアーセナルをやってる。これはすごい試合だったね。セスクの怪我はアーセナルにとってもスペインにとっても痛すぎるなあ。ただ、プジョル一発レッドはかわいそうだったな。確実にPKだったけど、意識的につぶしたわけじゃなく、結果そうなってしまったみたいな感じに見えたからね。まあ、バルサ優位は変わらない。本田は、次こそはって感じだね。モスクワに出場停止者がいることが本田にいいほうに転ぶと信じたい。頑張れ!
最終日 ポルト大学、アヴェイロ大学、イリャーヴォ、アヴェイロ→リスボン
この手すりの処理の仕方は日本では絶対やらないでしょう。でもかっこいい。
内部にもどんどん入れて、学生の模型やプレボを見る。地下で全てが繋がっていることを知り感動する。
図書館は言葉は悪いけれどアアルトの劣化コピーといった感じ。ただ、蔵書が充実していて、うちの大学にもこれだけの本があったらなあと思う。
半円形のホールは、これのためだけにいろんな屋根の操作をしているのって無駄じゃないかとも思う。空間はとてもいいが。
で、体調悪いから一足先にリスボンに戻るという東大生と別れアヴェイロへ。
アヴェイロ大学の図書館。これもシザ。こっち側の立面ってあまり見たことがなかったけれど、大学中心からアクセスするとこっちを正面に見ることになる(車だと逆側の有名な曲面の立面からのアクセス)。
イースター休みで内部には入れず残念。その分建物の周囲を丹念に見る。
こっちが良く雑誌とかで見るほうですね。この曲面は完全に建物からは独立したまさに装飾壁。
この手前側に広がるランドスケープもシザ。何気ないことしかしていないけれどよい。やりすぎないことの重要性を学ぶ。
給水塔。周りにどんどん建物が立て込んで思っていて印象とは違った。
そしてイリャーヴォへ。イリャーヴォまでの5km弱を無謀にも歩いた。
マテウス(ARX)による海洋博物館。
これはものすごく良かった。ただ一方で、日根のような巨大立体を展示することがいかに難しいことなのかも分かった。
テラスが気持ちいい。出ちゃいけないようだったけれど、職員の優しさで出させてもらった。
個々の職員は本当に優しかったんだけれど、融通は利かない。
裏側に設けられた搬入口。搬入口をうらとするのではなく、デザインし、見せる。これはものすごくかっこいい。
屋根が特徴的。内部への影響はそれほどドラスティックではないけれど、でもやっぱり効果はある。
この美術館でもう一つすごいと思ったのは、隣の家の前まで壁を延ばし。パブリックスペースを規定し、美術館への導線を作ってしまっていること。こういうことはなかなかできないよね、普通。
でもそれをあまり強引にもいやらしくも感じさせないところがまたすごいところ。
そしてイリャーヴォの市立図書館。これもマテウス。思っていたよりも小さい。
なんか、図面で見たときの「大胆なことやっているな」っていう効果が空間に入るとそこまで感じられなくて、それは残念。
よくない意味で普通になってしまっている。それからマテリアルの選択にもちょっと違うんじゃないと思ってしまった。
こういう形態もなんでこうなったんだろうっていう疑問が多きい。
悪くはない。決して悪くはない。でも、なんでこの形にしたの?という疑問が頭から離れない。すんなりと受け入れることができなかった。
なんかね、打瀬とかにあってもなじんでしまう雰囲気なんだよね。そしてそれはちょっと違うんじゃないかなと思う。
帰りはバスを使いアヴェイロに戻る。
アヴェイロ駅はアズレージョがきれい。でもこの建物は使われておらず、新しい駅舎がすぐ隣に建つ。
アヴェイロは運河の街。アヴェイロと言えばモリセイロ(このゴンドラのこと)。
アヴェイロはそれほど運河が街中に張り巡らされているわけでもないし、歩いているだけでは一見普通の街。
街の構造を知るためにも、(次行く機会があるなら)モリセイロに乗って運河めぐりをしなければならないな。
ぺイヴメントはいちいち可愛かった笑
いろんなデザイン。それもすべて海に関するもの。
そしてアヴェイロからリスボンへと初めて電車で帰ってくる。リスボンから国内へ旅立つときはいつもバスだったからね。
長いけれどあっという間の旅。
普通の旅行者じゃ絶対にいけないところに行ってきた旅。
もう少し時間が経ったらもう一度振り返る必要性があるな。













