15日目、この日はヴェネチアからボローニャを経由してフィレンツェへ。
結局、時間を有効に使えたからよいのだけれど、ヴェネチア→ボローニャ間もボローニャ→フィレンツェ間も鈍行で行っても大して時間はかからないのによい電車が見つからずに特急に乗ってしまった。お金がもったいない。券売機でちゃんと調べれば鈍行の時間も調べられたらしいのだが…。
さて、ボローニャ。やはりポルティコの街並みが一番の注目だったのだけれど、いろいろと面白い試みと出会うことができた。
マッジョーレ広場に面した宮殿跡は市立図書館(多分)にリノベーションされており、このリノベもなかなか興味深かった(こんなに革新的なことがなされている歴史的建造物ってあまりないと思う)けれど、この建物の最上階がボローニャの新たな都市計画や他のリノベ建築の紹介などの展示がなされており、この展示もかなり面白かった。他のリノベ建築の場所が載った地図ももらったのだが結局この図書館以外には一つしか探し出すことができなかった。
大部分は宮殿の構造体や装飾を残した3層吹抜になっており、この周りに読書スペースや展示スペース、ワークルームなどが入っている。一階は自由に会話のできるフリースペースになっておりその空間はとてもよかったのだが、吹抜のためそれらの声が読書スペースまで筒抜けで、本を読む環境としてはどうなのだろうかと疑問に思った。
3階展示スペースから見た屋根裏。宮殿の元々の屋根の上に鉄骨の構造体が入り二重の屋根をなす。これにより、トップライトを設けることが可能になりホワイエは明るい空間となっている。
さて、次の写真は世界初の階段教室型解剖実験室。WWⅡ後に修復されているらしいが(爆撃されたため)木で覆われた空間はなんだか血の匂いがしみ込んでいるように感じた。とてもきれいなんだけれど何処かちょっと怖いような。
そしてボローニャで出会った面白い試みpart2。街のあらゆるところに期間限定のアートが飾られていたのだ。下の写真では天井に張られた凧のようなものがそれ。日本でも街中でアートの展示をすることはよくあるけれど、都市の本当に中心で行われていること、しかもそれらのある場所がすべて歴史的な場所であること(一部比較的新しく作られたと思われるパッサージュ的空間にも展示されていたが)というのはすごい。作者もやっぱり大分何処に展示されるかということを考えて作品を制作したんじゃないかな。この作品も天井画とマッチしていてなかなか良かった。
そしてポルティコ。これだけすべての場所にポルティコがあるっていうのはやはり独特の景観を作り出している。そしてポルティコを歩くのは気持ちがいい。ものすごくきれいで光と影のコントラストが目立つところも汚らしくて薄暗いところも街中にあるってことが素晴らしい。
ボローニャはよい街だったけれど、荷物が重くてくたびれたな。
そしてフィレンツェへ。
まず出会ったのはサンタ・マリア・デル・フィオーレ。この日は時間的な都合で内部には入れなかったのだが外観は想像をはるかに上待っており圧倒された。そりゃドームもすごいけれど、ファサードもめちゃくちゃすごいじゃないか。
さらにはオスペダーレ・デッリ・インノチェンティ。この写真では右側に見えているのがそれ。正面に見える教会の内部空間もよかった。お勧めです。
フィオレンティーナのエンブレムの年代ごとの変遷のポスター。サッカー好きにはたまらない。フィレンツェはホームクラブがフィオレンティーナ一つだけだし町全体としてフィオレンティーナを応援しているのを感じた。
この日は街がそわそわしていた(そういうのってわかるものなのだ)ので、試合があるのかなと思ったけれどスタジアムの場所も分からないし特に行動は起こさなかった。
しかし後で調べてみるとこの日はフィオレンティーナ対ミランの大一番があったという。しかもスタジアムはルイジ・ネルヴィの処女作ということで建築マップに載っていたし。
そうそう、フィレンツェの宿は一泊12ユーロと激安なのに中心部に近いし、キッチンはついているしで最高だった。フィレンツェに職探しに来たスペイン人、考古学でマスターの論文を書くためにリサーチに来たフランス人(マルセイユから)、観光に来たアルゼンチン人のカップルと同じ部屋だった。この日は特に絡みもなく寝たけれど、次の日の夜はみんなで飲んでとても楽しかった。
16日目。この日はひたすらにフィレンツェ観光。
まずはやはりフィレンツェのドゥオモへ。外観の派手さと比べ内観はさっぱりとした印象。外観が予想以上に派手だと感じたので内観はどんなにすごいことが待っているかと期待したが、そこはやはりルネサンス。落ち着いていていい。
続いてサン・ロレンツォへ。付属図書館のエントランスが2階なのだが、下はそこへと続く階段の写真。写真で言うと右側に中庭がある。些細なことだけれど、こういう開口の取り方が気持ちいいし、現代建築家がよくやるようなこういう操作が16世紀の中ごろにも普通になされていたんだなって妙にじんとした。
サン・ロレンツォ外観。裏側から入るメディチ家礼拝堂もよかった。この礼拝堂はイタリアで初めて「EU建築学生」を主張して入場料が無料になった。
サンタ・マリア・ノッヴェッラへ。ここはアルベルティのファサードが何と言っても素晴らしい(他のルネサンス聖堂のファサードを見ることでその凄さは鮮明になった)のだけれど、内部は美術館のように絵画が展示され、こんなに素敵なステンドグラスもあった(写真撮影禁止だったかもしれない汗 ばれないように撮ってしまったけれど)。
イタリアの唯一の難点は教会に入るのにもお金がかかること。リスボンなら基本タダなんだけどな。
パラッツォ・ルチェライ。フィレンツェと言えばパラッツォ、パラッツォと言えばパラッツォ・ルチェライ。ファサード全体に及ぶオーダーの原理の適用の最初の例とか、もちろんそういうことも気にして見たけれど、それよりもこのパラッツォは完全にファサードのデザインがファサードにしか適用されていないことにびっくりした。他のパラッツォって割と四面ともちゃんとデザインされているんだけど。
そして、サンタ・クローチェとそこに付属するパッチィ家礼拝堂へ。内部写真
と外部写真。内部も面白いけれど、やはり正面からのバランス感はきれい。
そうして夜のサンタ・クローチェのファサード。これもかっこいいと思う。でもやはりサンタ・マリア・ノッヴェッラは別格。
もう日も暮れてしまったが一日遅れて市立スタジアムへ。やはり小さい。こういう小さいスタジアムで試合を見たかったと思った。また、グラウンドがGLよりも低い位置にあり、客席はGLより下と(全方位完全に抜けているGLを挟んで)まるで浮いているような上部席に分かれており、スタジアムのこちら側からスタジアムの向こうう側を走っている車が見えるというのはかなり面白かった。
構造はコンクリートだけれど、柱が細く、美しいデザイン。スタジアムを見れば見るほど、ここでサッカーが見たいと強く思う。次来た時は必ず試合を見ることを誓う。
スタジアムを訪れた帰りにはせっかくなのでと建築マップに載っていたサヴィオーリの集合住宅も訪れた。これもまたおもしろい。刺激が多いというのは本当に素晴らしいこと。
そしてこの日最後は夜のミケランジェロ広場へ。正直途中かなり暗い夜道を通り、久しぶりに「ここで襲われたらまずいな」という身が引き締まる思いを体感した。一人海外旅行を初めてしたころなどは常に気を引き締めていたけれど、最近では(特に留学してからは)もう日本にいるときと同じ気持ちでヨーロッパの夜の街も出歩けるから。
この日は先にも書いた通りみんなと酒を飲み交わしてから気持ちの良い眠りに着いた。
17日目 フィレンツェ→ローマ
まず、昨夜のミケランジェロ広場からの素晴らしいフィレンツェの眺めが太陽の光の中ではどのように見えるのかが知りたくて再びミケランジェロ広場へ。
そして、ミケランジェロ広場側にあるサン・ミニアート・アル・モンテ聖堂へ。この聖堂のファサードも素晴らしいし内部も木造トラスにイスラムのような着色がされておりよかったのだが、やはり面白かったのはファサードと周辺の建築のあり方の関係性。フィレンツェはファサードだけが独立している教会が本当に多い。
そしてパラッツォ・ヴェッキオへ。すべての部屋に美しい天井画が描かれていること、公開する部屋とオフィスが当たり前のようにこの歴史的建造物の中に混在していることなど興味深い点は多い。
これは語るまでもないけれど、こんな橋は他にないでしょ。貴金属の見せ方も美しい。
この日はローマ行の電車に乗り遅れたため、2時間も暇ができた。アルベルティの素晴らしいファサードの前で駆け回る犬たちを見て時間を潰していた。ここの広場はベンチのデザインなどちゃんと考えられたデザインされた広場で居心地がよい。そしてじゃれあう犬たちを見ているのは全く飽きない。
鈍行で4時間かけて着いたローマはもう夜。サン・ピエトロのそばのホテルにチェックインした後、夕飯を探しつつ夜のサン・ピエトロ広場へ。
みなさん、もし初めてのサン・ピエトロに今後行く機会があるならば、それは夜がいいと思います。
ほんとにね、はじめて訪れた夜のサン・ピエトロは美しくて泣きそうになった。これは嘘じゃない。ほんとになんかすごかったんだ。言葉にはできない。言葉にしたら陳腐で弱くなってしまう感情。
18日目。この日も最初はサン・ピエトロ。ローマは朝が早いから、僕も頑張って早起きをしてまだひとの少ないサン・ピエトロへ。
内部も素晴らしいけれど、やっぱりベルニーニによる広場が一番好き。
柱は太いね。この列柱空間は頭でわかっていても実際に自分の足で立つと圧倒されるな。
ベルニーニの彫刻の立ち並ぶサンタンジェロ橋を渡りローマの中心へ。この日はベルニーニ巡礼にすべてを費やしても過言ではない。そしてベルニーニの彫刻にはその価値が十分にある。
そうは行ってもベルニーニのほかにも見るべきものがたくさんあるのがローマ。
パンテオン。思っていたよりもドームのマテリアルがつるつるとしていた。もっと表面が粗いと思い込んでいた。
同じくボッロミーニ、ナヴォナ広場に面して建つサンタニェーゼ聖堂。この向かいにはベルニーニのいわくつきの噴水が。
この日はローマという都市を舞台に様々な学習をする子供たちの姿がたくさんあった。
トレヴィの泉。すごい人の数。でもこの場所に立って見るとこの場所が特殊な場所だということがよくわかった。
そして、サン・カルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ。ボッロミーニの傑作。これもどうしても見たかった建築のうちの一つ。
この建築はやっぱりファサードがすべてだと思う。もちろん内部も独特だし息をのむよ。でもやっぱりこの建築が唯一無二なのはこのファサード。ボッロミーニの特徴は垂直方向に長くのばされた柱。その柱と歪んだ曲線が独特の表情を作る。すごい立地だけど、建築知らない人でも足を止めるんじゃないかな?そのくらいすごい建築だと思う。
写真がこれ以上貼り付けられないのでひとまずここまで。









