上値の重い相場が続いています。
下落した分をなかなか埋めることができず、また新興市場については、3市場の指数は安値更新するなど、不安を掻き立てる局面となっています。
本日、発行されたドイツ証券のレポートで証券セクターが取り上げられています。副題で「個人投資家の売買再開には時間が必要、オンライン証券は低迷続く」とし、松井証券の信用残、評価損率の8月の動きを中心に引用し、個人投資家の売買再開には時間が必要だろうと論じています。レポートの内容は、
「8 月の個人投資家の株式売買動向は株式相場の下落を受けて低調に終わった。」とし、
「個人の投資マインドに与える影響が大きいIPO 市場が低迷、信用取引の評価損益率も大幅なマイナスであり、個人投資家の本格的な売買再開には時間がかかる模様。」と冒頭で語り、その内容は、「個人の信用評価損益率は再度悪化、投資マインド回復には時間が必要2007 年8 月の3 市場1 日平均の個人株式売買代金は1 兆294 億円で前月比▼11.4%、総売買代金に占める個人の割合は16.4%で前月比▼2.7 ポイント、株式相場の下落で個人投資家の動きは依然低迷している。IPO 市場は8 月が12 社、平均初値上昇率は20.2%とIPO 市場が回復する気配はない。松井証券発表の信用取引の状況をみると、信用取引評価損益率は9 月7 日現在は▼17.8%、8 月17 日に▼23.1%とボトムをつけた後、8 月末にいったん▼15.3%まで回復したが、再度悪化している。その間、信用買い残高も8 月31 日の3,462 億円をボトムに9 月7 日現在3,550 億円へ増加しているが、買い残高が増加する過程で、評価損益率は悪化、投資マインドの回復には時間がかかる模様。」と展開し、ネット証券の業績回復も第2四半期(7-9月期)も低迷する模様と結論づけています。
松井証券の信用残、評価損率については、会員サイトでも毎日、コメントをつけてお知らせしていますが、9/10の信用残と評価損率が
信用残(9月10日現在)
売り残 192.53億 (▼1.367%)
買い残 3475.44億 (▼20.044%)
再び悪化しています。ここのところの傾向として、上述したように指数の戻りと同じく松井証券の信用買い残の評価損もなかなか回復しません。
外人の売り越し、個人投資家が評価損で動けない状況を考えると、不安定な状況がしばらく続くものと思われます。
短期の売買に徹するか、中長期スタンスに徹するか、どちらかの軸にたつことが大事で、中途半端なスタンスが一番悪い結果を出す場面です。