・・・・・・・っということで、ある仮定をしてみます。
「いま民主主義は危機に瀕している」という仮定です。
民主主義とは、読んで字の通り国民が主権者であることです。
ずいぶん古い表現ですが、「主権在民」です。
とても理想的な政体ですが、これほど実現するのに難しいものはありません。
何が困難かというと、国民が利口であるという前提が必要だからです。
国民が利口でなければ、易々と「愚民政策」の罠にハマってしまうからです。
国民が利口であることとは、常に利口であろうとする努力が国民になければならないのです。
どうです?難しいでしょう?民主主義って。^m^
・・・・・・・
世界を見渡せば、民主主義国家と称している国はたくさんあります。
しかし、その実態は独裁国家だったり権威主義国家だったりするのは滑稽であります。
民主主義は欧米の価値観をベースに成り立っています。
欧米の価値観とはすなわち「キリスト教的価値観」です。
残念ながら、世界は様々な価値観で溢れています。
同じ民主主義と言っても、国によって中身が違うのです。
これも民主主義の実現を難しくする要因です。
「人間が一番大事だ」という実にシンプルな気付きなのに、それが実現できないのです。
・・・・・・・
さて、「民主主義が危機に瀕している」という最初の仮定に戻ります。
ギリシャ人が発明した民主主義は、中世を経たあとも、まるで忘れ去られていました。
民主主義国家を最初に実現させたのはアメリカでしょう。
それに触発されてフランス革命が起き、世界中に広がっていきました。
その間、おびただしい血が流れましたが、まあ、アメリカが民主主義の旗手と言って良いでしょう。
アメリカンドリームというイメージ戦略で、民主主義の明るい未来を世界中にばら撒きました。
ところが、アメリカは躓きました。
何故躓いたか?
アメリカ国民が利口になる努力をしなかったからです。
民主主義というものは実に困難な政体だというのは、そういうことです。
ドラッグ、殺人、銃の乱射がはびこる国がアメリカなのです。
それを移民のせいだと責任転嫁して自身を納得させようとしている。
MAGAだと言って分断を煽る人物を2度も大統領にしようとしている。
ポピュリズムに踊らされる国民のどこが利口なのでしょうか?
民主主義の最大の敵は独裁主義でしょう?
アメリカにはもう民主主義を担う力も品格もないのです。
では、国連はその機能を果たせるのか?
ガザの紛争さえ止める力がありません。
国連治安部隊はレバノン国境から早々に撤退しています。
・・・・・・・
この状況を見て、民主主義が危機に瀕していると思わない人が信じられませんね。
アメリカ型の民主主義を追う時代は過ぎたのです。
日本だけではなく、世界各国が自国の民主主義は何かを考えなければならない時代なのです。