よちよち歩きの民主主義(その2) | so what(だから何なんだ)

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・・・・・・・っということで、民主主義とは何か、まず歴史的観点から振り返ってみましょう。

 

民主主義とは読んで字の如く、国民が主権を持つという考えかたです。

 

今では当然と思われる考えですが、ここまで至るのに人類はものすごく遠回りをしたのです。

 

原点は驚いたことに、古代ギリシャです。

 

1. 古代の民主主義(紀元前5世紀)

都市国家アテナイ直接民主主義が実施されました。

ギリシャ人って偉大だったのですよ。

しかし、参加できるのは成人男性で、女性、奴隷、外国人は参加でませんでしたので、現代の民主主義とはずいぶん異なります。

 

2. 中世の民主主義の停滞(5世紀~15世紀)

残念ながらギリシャで生まれた民主主義は広まらず、王権や貴族による封建制度が長いあいだヨーロッパを支配しました。

この時代には民主主義的な要素はほとんど見られず、政治は主に君主や教会によって統制されていました。

 

しかし、1215年のマグナ・カルタで知られるように、国王といえども「法」に支配されるという考えが生まれました。

貴族が主導する形とはいえ小さな一歩といえます。

 

3. 近代民主主義の誕生(17~18世紀)

啓蒙思想や市民革命が進む中で、民主主義の概念が注目されるようになりました。

 

「イギリスの名誉革命(1688年)」は、議会が国王に対して優位性を持つという考えで、議会制民主主義の基礎をつくりました。

 

「アメリカ独立(1776年)」は世界初の近代的な代表制民主主義が憲法によって確立した出来事でした。

もし、アメリカに偉大な時代があったとすれば、この時代でしょう。

 

「フランス革命(1789年)」は明らかにアメリカ独立に強く影響を受け、市民革命によって絶対王政が崩壊しました。

自由・平等・友愛という民主主義の理想を広めるきっかけとなりました。

しかし、この革命が成功する過程で、多くの血が流れたことを忘れてはならないでしょう。

 

 4.民主主義の拡大( 19~20世紀)

次第に労働者階級や女性も投票できるようになりました。

二つの世界大戦の試練があったのは不幸でしたが、多くの国が民主主義国家として独立しました。

ファシズムや独裁政権に対する反発が強かったからです。

 

5. 現代の民主主義(20世紀後半~現在)

残念ながら、民主主義は順調に発展しているとは言えません。

ソ連が崩壊してロシアが民主主義国家に変貌するかとの期待は裏切られました。

中国を盟主とする共産主義国家やイスラム主義国は依然として権威主義国家の道を歩んでいます。

情報技術の発展により、民主化が促進される可能性が高まりました。

いっぽうフェイクニュースの拡散やポピュリズムの広まりといった新たな問題も浮上してきて、民主主義の脆弱性が問われるようになっています。

 

以上、かず多くの紆余曲折を経ながら民主主義は発展してきましたが、現時点では最良の政体とはいっても、その実現となると至難の業なのです。

 

困難な理由は、国民全体のレベルアップを必要とするからです。

 

民主主義はまだまだ歩み出したばかりで、根付くには多くの試練が必要なのです。